Tom Petty & The Heartbreakers Tour 20132013/03/01 21:54

 いよいよ、今年のトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズのツアー日程が発表された。
 とりあえず、6月まで。その後は、来年発売予定のアルバム制作に専念するのか、それともまたツアーに出るのかは分からない。
 ともあれ、北米の規模の小さな(せいぜい3000人程度)の会場で行うのが、今回の重要なところだ。

Tom Petty & The Heartbreakers 2013 TOUR DATES ANNOUNCED !



 今回のツアー・ロゴが格好良い!正直言って、去年の欧州ツアーのロゴはあまり良くなかった。

 さて、行くかどうか。
 行くとしたら、ニューヨーク。ビーコン・シアターは魅力的だ。何と言っても、会場が小さい。5日間もやるので、2回は余裕で見られるだろう。仕事の上でも、問題ない日程。だが…

 2年連続でTP&HB観戦ツアーをしたことは無い。せいぜい、1年おきが良いペースだったのだ。それに、今一番行きたいのは、ロンドンだ。ニューヨークも好きだが、近年の渡航回数から言うと、ニューヨークよりロンドンが優先。
 今年、TP&HBがロンドンでライブをする可能性は皆無だが、もしディラン様がロンドンでやる!…となったら、飛ぶ可能性は十分にある。
 そもそも、国王リチャード三世の骨がレスターで発見されたせいで、レスターに行きたくて仕方が無い。馬鹿馬鹿しいことに、レスターの場所と鉄道情報まで収集している。
 鉄道は、セント・パンクラスから。レスターまで1時間15分。オックスフォードと同じくらいの距離感だ。セント・パンクラスということは、ユーストン駅のすぐそば…よし、サウス・ケンジントンのホテルを出て(ディラン様がRAHでコンサートをやるという設定なので、ホテルはサウス・ケンジントンなのだ)、まずノース・ゴワー・ストリートの、Speedey's cafe で朝食を取って、電車に乗ろう(←分かる人には分かるアホな計画)。
 レスターに到着したら、グレイ・フライアーズ跡地と、レスター大聖堂は徒歩でOKだろう。レスター大学には入れてもらえるのだろうか?問題は、どうやってボズワース・フィールドに行くかだ。タクシーかな?車でなら、大した距離ではないはず。現地には資料館があって、グッズなども手に入る。レスターに戻って、お茶でも飲んで、またロンドンに戻れば、夜のお芝居でもいいし、平日ならまだショッピングだってできるだろう…とか。そういう妄想。

 とにかく、現時点で5月のニューヨークは行かないことにしている。
 でも分からない。何せ交通アクセスの良いビーコンシアターだ。何かの勢いで、やっぱり行く!…と言い出すかも知れない。

Kyrie2013/03/04 22:14

 リンゴ・スターとお仲間は無事離日されたとのこと。お疲れ様。
 土曜日には、幕張メッセで開かれた何かフェストのようなモノに出演。1時間弱の演奏で、どうやら10曲しか演奏しなかったらしい。Zeppでのライブは本当に楽しかっただけに、とても物足りないだろう。
 リンゴの曲も、オールスター・バンドの曲も、半分程度。スティーヴ・ルカサーは "Rosanna" を歌ったそうだが、そこは "Africa" の方がウケが良かったのでは無いだろうか。そして、リチャード・ペイジは、"Broken Wings" だったとのことだが、個人的には "Kyrie" の方が良かったのではないだろうかと思っている。

 "Kyrie" というのは、もともとキリスト教における祈りの言葉で、"Kyrie eleison, Christe eleison, Kyrie eleison." 「主よ憐れみたまえ、キリストよ憐れみたまえ、主よ憐れみたまえ」という短い詩句である。日本語訳にはそれなりの決まりがあるようだが、ここでは特にこだわらないでおく。

 "Kyrie" と言ってまず思い出すのは、グレゴリオ聖歌だ。9世紀ごろから作られ始めた、ローマ・カトリックの宗教音楽で、おおかたの西洋芸術音楽史はグレゴリオ聖歌から始まる。もちろん、音楽そのものはずっとずっと昔から存在するのだろうが、何分にも音楽は記録が難しいため、「歴史」として構成するには、せいぜい9世紀ごろからしか始められないのだ。
 グレゴリオ聖歌の "Kyrie" は非常に多く作られたとのこと。もっとも、私にはどの曲も同じに思えるが。学生時代、音楽史の講義でネウマ譜(五線譜の前身のようなもの)を読みながら "Kyrie" を歌わされたのを思い出す。やたらと「えぇ~えーえェ~エエえ~…」とムニャムニャやっていたものだ。



 「ミサ曲」という形式が定まってからも、"Kyrie" は最初の方を構成する楽曲として用いられ続けた。モーツァルトの「レクイエム」も例外ではない。
 さすがに18世紀とあって、ぐっと近代的になる。カール・べームでどうぞ。オペラを得意としたべームらしく、ドラマチックで格好良い。



 短い詞が良いのか、雰囲気が良いのか、20世紀ポップスにも使われる "Kyrie"。まずは映画 "Easy Rider" で使われたエレクトリック・プルーンズ。ちょっと中途半端かな…。



 半端のない使い方をして気持ちが良いのは、やはりMr. ミスターの、"Kyrie" 。サウンド的には私の好みではないが、楽曲が良い。名曲だと思う。



 ただでさえ短い "Kyrie" の詩句のうち、最初の "Kyrie eleison" だけを残してサビにしたというアイディアが良い。ポップでキャッチーなメロディとはうらはらに、歌詞は魂と人生の困難と、救いを求める気持ちが込められている、そういうギャップも面白い。

これは陰謀か?!2013/03/07 20:17

 デラウェア州ドーバースピードウェイでのフェストに、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズが出演することは既に話題にした。
 勤め先の本社の近くだが、野外フェスティバルは苦手だから、行かない。
 TP&HBは、5月にニューヨークのビーコン・シアターで5夜、ライブを行う。2年連続でTP&HB遠征ということもないし、小さな箱でまともに見られる席が取れる自信もないので、これも行かない。

 今度は、4月12日ディラン様がデラウェア大学のザ・ボブ・カーペンターセンターで4月にライブをやると言い出した。
 デラウェア大学は、勤め先の本社のあるウィルミントンから、せいぜい西に20km程度…。なんだこれは、何かの陰謀か?!

Bob Dylan and his Band to perform at Bob Carpenter Center

 小さなデラウェア州に何か強い磁場でも発生しているのか。行かないぞ、行かないぞ絶対に!出張か何かでどうしてもデラウェアに来いと言うなら、行ってやる
 こんなに短期間でウィルベリー兄弟が二人もデラウェアに上陸すると、その後何十年も不毛の地になるのではないかと心配になる。

 デラウェア大学はデラウェア州ニューアークにある私立大学で、ザ・ボブ・カーペンター・センターはその多目的ホールだ。収容人数は5000人とのことだが、これはどういう設定設置の場合かは良く分からない。
 普段はバスケットボールなどの試合が行われているが、政治集会や、音楽イベントなども頻繁なようだ。愛称は「ザ・ボブ」とのこと。そのような訳で、前掲のデラウェア大学の記事にも、「ザ・ボブにディラン」とある。

 ザ・ボブで行われた音楽ライブで引っかかったのが、1997年のリンゴ・スター&ザ・ヒズ・オールスター・バンド。ピーター・フランプトンや、ゲイリー・ブルッカー、ジャック・ブルースが居た時代だ。
 リンゴはけっこう堪能したので、ここではゲイリー・ブルッカーの "A Whiter Shade of Pale"。サビをたっぷり溜めて、観客も一緒に歌っているのが格好良い。

Go ! Gators !2013/03/10 16:29

 何度でも言うが、私は野球が大好きだ。野球が始まるとテレビに釘付けになる。
 日本のプロ野球で嫌いな球団はあるが、特にファンだという球団は無い。厳密に言えば、応援はしている、勝てると良いと思っている球団なら…ある。今回のWBCに唯一、ひとりも選出されていないチームだ。…
 WBCは毎回、シーズン前とあって期待の人がなかなか上手く実力を発揮できないケースが多く、そのことが胃の痛くなるような試合を増やしていると思う。日本は二連覇しているが、いずれも楽な試合は無かったし、ジリジリするような展開が多かった。この時期の野球とは、そういうものなのだろう。それはそれで楽しんでいる。
 緒方コーチのヘルメットを被った姿が好きだ。そのうち、マニアなモノ真似をする人間が出てくるに違いない。彼の現役時代の所属チームは嫌いだが、緒方自身は、走れる選手で、好きだった。
 もし、日本が途中敗退しても、決勝リーグは見てみたい。時差の問題があるので、いろいろ難しいが…

 今回のWBCの場合、日本の試合はテレビ朝日とTBSが中継している。TBSは番組のテーマ曲をジャーニーの "Separate Ways" にしており、嫌というほど聞かされる。
 ファンの方には申し訳ないが…別の曲にできなかったかなぁ…何というか…私の好みからすると、ダサ過ぎてイタい。でも、MVを見たら、笑えてきた。笑うしかない。



 これでもかというほど、たたみかけるダサダサ80年代大爆発。こっち振り向くな、萩原流行 スティーヴ・ペリー!笑い死ぬ!

 我らがTP&HBの出身地フロリダ州ゲインズヴィルにあるフロリダ大学は、スポーツも盛んで、ゲイターズはフットボールや野球などが特に強豪だ。
 これは野球のゲイターズ2012年のハイライト。



 曲は、Seether の "Tonight"。
 ラストシーンで、ゲイターズナインが大喜びしている向こうで、相手チーム,ウルフパック(ノースカロライナ州立大学)のバッターとアンパイアが大喧嘩を始めたのがおかしい。

 フロリダ・ゲイターズのマスコットのワニは、アルバート。
 シーズン開幕が待ちきれないアルバートが、監督に自分とガールフレンドをスタメンにしたラインナップを提案したり、ロッカールームにノリノリでユニフォームを持っていくが、みんなに「早すぎるって」とあしらわれる。しまいには、フィールド・キーパーさんにも「早すぎるよ」と言われてしまいましたとさ。
GO! Gators!

ダサい(でも格好良い)PV2013/03/13 20:54

 前記事で話題にした、ジャーニーの "Separate Ways"。
 ダサい、ダサい、PVが特にダサいと言ったが、このPVがダサいと言う話は非常に有名なことらしい。曰く、「曲は良いのに、PVはダサい。」
 しかし、そのダサさ故にこのPVは愛されているようで、YouTubeなどには色々なパロディ作品がアップされている。その中でも、これなどは中々の力作。



 スティーヴ・ペリー役の人がかなり研究熱心。Tシャツはそっくりなのだから、ウィッグはカットすれば良かったのに。後ろ向きに歩くときに、背後をチラチラ見るあたり、慎重派。
 撮影場所はどこなのか、やたらと風光明媚だ。ダサダサゆえにこういう馬鹿馬鹿しいビデオを作るのも変に盛り上がるのだろう。

 ダサい、ダサいなどと言っているが、ひとごとではない。そもそも、私たちが今イケていると思っているものが、いつかはダサくなることの確率は非常に高い。
 トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズだってジャーニーと世代がかぶるため、ダサいPVを作っている。"Separate Ways" と年代がぴったり来るのは、"You Got Lucky" だろう。



 無駄にハリボテ感満載の車とか、明かにゴミ袋で作ったみたいなテントとか。ラジカセを拾ったトムさんが、どうして誤らずに再生ボタンを押すのかとか。別に大した事でもなさそうなのに、銃をクルクル回してホルスターに入れるとか。けっこうダサい。
 しかし、実はこのビデオ、意外と好きだったりする。妙な近未来(?)設定はともかく、ハートブレイカーズのワイルドな衣装がキマっていて、好きなのだ。特にトムさんとマイクが格好良い。ここはやっぱりシルクハットでないとね。



 スタンと、ハウイの居る、私が一番好きだったハートブレイカーズの面々が揃っているというところも好きで、この横一列に並んだシーンなど、特に好き。
 背の高い方の二人は特に、ぴっちぴちパンツでアピール!何にアピール!?



 ハウイはあれで意外と演技派で、このビデオでもそれが発揮されているし、第一に可愛い。一方、ベンモントは素顔だと美男過ぎるのか、柄の悪そうなサングラスでカモフラージュ。
 ビートルズでも、ザ・バンドでも、こういう風に横に並んでそれをやや斜めから捉える絵を見ると、女子ファンとしてはキュンと来る。若いから、80年代だからできた、ダサくて格好良いビデオだ。

Collings UC-22013/03/16 22:44

 いよいよ、今シーズンのF1が開幕した。日本人レーサーも、日本メーカーも参加していないとのことだが、どうであれF1は面白い。
 さぁ、開幕戦メルボルン!…と思ったら、いきなり予選がQ1終了時で雨のため延期。日曜日の午前中にQ2, Q1をやり、午後に決勝。いきなり忙しい。

 ウクレレを習い始めてもうすぐ1年。楽器を買い換えた。

 愛用していたマーチンのSO-UKは、マーチンというブランドに目がくらんで衝動買いしたのであり、そういう金額、そういうレベルの楽器。ようするに、あまり良い楽器ではなかったらしい。このマーティン・フリーマン君には愛着があるし、とても大事なのだが、いかんせん響きもピッチもイマイチ。
 一方で、私には「大した腕もないのに、良い楽器を使うのは恥ずかしい」という感覚がある。さて、いつどういうタイミングでどの楽器を買ったものか。
 先日先生に、「そろそろ道具をランクアップした方がよいとお思いになったら、遠慮なくおっしゃって下さい」と言ってみたら、「そりゃ、早ければ早いほど」…とのこと。

 では、どのウクレレを買うか。
 マーティン・フリーマン君をブランドで選んだのだから、ゼマイティスのハートモチーフのウクレレとか、ジョージも使っていたギブスンとか…そいういミーハーな道に走りかねない。そこで、先生お勧めに従うことにする。
 ハワイアンに興味が無く、ギターの代わりとしてウクレレを弾き、ロック、フォークロック指向の強い私にお勧めのメーカーとして、コンパスとか、リック・ターナーとか、サンタ・クルスなどなどが挙げられる中、もっとも先生が熱っぽく勧めていたのが、コリングス(Collings) だった。

Collings

 なんでも、テキサスはオースティンに拠点を置くギター職人,ビル・コリングスの工房作品とのこと。高級なハンドメイド・ギターとして非常に評判が高いらしく、ウクレレも同様の丁寧さで良い楽器を作っているそうだ。
 何と言っても、基本的にギター・メーカーがギターっぽいウクレレを作っているわけで、私にはそういう意味で向いているに違いない。よし、コリングスを見に行こう。

 と、言ってコリングスはどこに売っているのだろう。私はやたらと器楽をやるくせに、楽器をお店で買うという経験が極端に少ない。コリングスのウクレレを扱っていそうな楽器店をまずネットで探し、どうやら渋谷のS楽器が良さそうだという結論になった。
 いさんで、S楽器に行き、「コリングスのウクレレをすすめられました。」と店員のお兄さんに相談し、3本ほど試し弾きさせてもらった。この時点でかなりハイテンション。やや興奮状態。
 外見は3本ともとても魅力的だし、音も柔らかく素敵だった。チューナーを使ってピッチも確認したが、とても良い。一番高いものは音が華やかで良かったのだが、さすがに予算オーバー。もともと目をつけていて、入荷したばかりでコリングスでは一番の売れ筋、店員のお兄さんもお勧めという、UC-2をどーん!と購入した。
 初めてのハードケース。ああ、こういうの憧れていたよな。(マーティン・フリーマン君はソフトケースに入れていた)ウィルベリー一族になったような気持ち。



 新しい良い楽器でこれからますます、ユークの稽古に熱が入る、めでたし、めでたし…
 では終わらない。実は、とんでもないことが起きていた。これは、私の無知と、誤解と、勢いに起因している。
 そもそも、マーティン・フリーマン君は、「テナーウクレレ」だった。この大きさでも、私は手が届かないとヒィヒィ言っている。当然、コリングスもテナーを買うつもりだった。
 しかし、持ち帰って冷静に見ると、それは「コンサート」サイズだった。要するに、テナーよりも大きい。

 なんだかとんでもない間違いのようだが…なんとなく、これで良いという気がして、すっかりこのUC-2が気に入ってしまい、今日を境に私はコンサート・ウクレレ弾きになることにした。相変わらず手が届かない。そのうちどうにかなるだろうか。考えてみれば、アクロバットのようなクラシック・ピアノを何十年も弾いているのだし。

 一応、どうしてそんな馬鹿なことになったのかという事を説明すると。私はまず、マーティンが「テナー」であることを知らなかった。「テナー」という言葉を、私は「でかい」と捉えていた。声で言えば男声だし、よく使われるサックスでも、大きい方だろう。つまり、私はマーティンを「アルト」程度の感覚で居たのだ。彼が「テナー」だとは知らなかった。
 そして、店員さんに「手が小さいので、あまり大きいのは弾けないんです」という曖昧な言い方をしたのがまずかった。店員さんは「一番一般的な大きさは、これですね」と、コンサートのブースに案内して下さったのだ。彼は悪くない。
 試し弾きした時点でどうして気付かないのか…いや、確かに気付いていたと思う。指がややきつかった。でも、私の指はいつもきつい。ピアノもキツイし、ティン・ホイッスルもきつい、マーティンもきつい。きついのが当たり前なので、ツッコミ損ねた。
 そして、素敵な楽器だという興奮と、周囲にはギブスンのでっかいアコギが林立している雰囲気にのまれた。

 ともあれ、万事慎重居士でアレコレ細かい私にしては凄い大間違いをしたのだが、これで良かったような気がする。先生は私にコンサートを弾くことを勧めていたようだが、私自身が手のことで乗り気ではなかっただけ。これはジョージのお導きに違いない。そもそも、ギターが弾きたいけど、大きさ的に無理だからユークを弾くのだから、コンサート・サイズの方が私が目指すもののはずなのだ。
 親切にしてくれたS楽器の店員さん、ありがとう。ギターとかの話も面白かった。
 名前はまだつけていないけど、このコリングスのコンサート・ユークで、ジョージを目指すことにする。

Bobby Rogers2013/03/20 11:31

 先々週のニュースだが、スモーキー・ロビンソン&ザ・ミラクルズのメンバーだった、ボビー・ロジャースが亡くなったそうだ。73歳。近年は病気との闘いだったとのこと。

スモーキー・ロビンソン・アンド・ミラクルズのボビー・ロジャース、73歳で他界

 モータウン初心者の私は、すぐにはどの人かはピンと来なかったが、クローデッド(ボビーの従妹、スモーキーの元妻)の「眼鏡をかけたノッポ」というコメントでピンと来た。なるほど、あの格好良いダンスが映える人だ。



 この "You really got a hold on me" では、冒頭のデュエットでスモーキーの相棒をつとめており、ビートルズで言うとジョージのパートということになる。画面が上下につぶれているけど、これは本当に格好良い。(この後のマーヴィン・ゲイも気になるが)

 こちらは、スモーキーの公式サイトに掲載された追悼記事。

Remembering Bobby Rogers

 いろいろと興味深い内容で、モータウン初心者には有り難い。
 驚いたのは、スモーキーとボビーの運命的なつながり。何と、二人は1940年2月19日、同日に同じデトロイトのハーマン・キーファー病院で、1時間の差で生まれていたとのこと。同日生まれということは想定できなくもないが、ここまで近いと驚く。
 もっとも、二人が出会うのはボビーの従兄弟、ソニー・ロジャースを通じた15年後だそうだが。

 ボビーはソングライティングにも参加しており、中でも私の目を引くのは、何と言っても "Going to a Go-Go"。ミラクルズの中でも好きな曲だし、ストーンズのカバーも格好良い。他にも、テンプスの最初のヒット曲 "The Way You Do the Things You Do"も手がけているそうだ。



 面白いのは、マーヴィン・ゲイの有名な "What's Going On" の中で聞こえるおしゃべり、“Hey, man, what’s your name,” “Everything is everything” and “It’s just a groovy party man, I can dig it.”はボビーだという話。イエロー・サブマリン音頭の最後に、佐野元春の声は聞こえるのとは…違うか。

 Rest in Peace Bobby Rogers.

American Girl on Uke !2013/03/23 21:49

 良い道具も購入したことだし、ロックなユーク奏者を目指す。おかげでアイリッシュ・ホイッスラーも、クラシック・ピアニストも相変わらず。ショパンのマズルカの楽譜を買ったは良いが…バッハの平均律をまずどうにかしないと。

 ギターの代わりにユークを弾いている以上、ロックなイメージ先行であれこれ弾いてみたい。もちろん、この人たちがユーク、ユーク言うせいだ。



 「ウクレレなんて、どうやって弾くわけ?!」…などと言っているが、ジョージがちょっと教えただけですぐに弾けたに違いない。

 ともあれ、トム・ペティの大ファンとして、そして "American Girl" 大好きファンとしては、この曲をやってみたい。本当は今、猛練習しなければならない曲が2曲あるのだが…でもイメージ先行なので YouTube を漫然と眺める。
 そこで思い知ったのだが、みなさん歌うのだ。私は歌がまったく駄目だから器楽をやるのであって、ウクレレもソロで弾いてばかりいる。誰か、ウクレレソロで "American Girl" をやらないだろうか。自分でどうにかするしかないのか。

 こちらは、至って正当派。



 こっちは、なぜかおっさん三人。大爆笑。でも上手!



 いいなぁ!ユークのコードカッティングも格好良いし、背後でボソっとコーラスを入れる二人も良い味を出している。
 この三人、ほかにもビートルズなどもやっていて、指向は私に似ている。

 こちらのお兄ちゃんは、形から入る人のようで(人のこと言えるか)、まずティアー・ドロップ型のサングラスをかけてから、レンジでノリノリ。



 私がやるなら、まずは1997年 Fillmore でのスローバージョンをイメージするのが良いのだろうか。ともあれ、今の課題をこなしてから。

Harrison-Clapton 1957 Les Paul Standard "Lucy"2013/03/26 21:46

 ギターメーカーの Gibson は、「ギブソン」か「ギブスン」か、どちらが日本では主流なのだろうかと思ったら、日本の公式窓口が「ギブソン」としているそうだ。私は「ギブスン」と言う方が多い。
 そのギブソンが、伝説のレス・ポール・スタンダードの復刻版を発売するそうだ。曰く、あの、エリック・クラプトンがジョージ・ハリスンにプレゼントした、チェリー・レッドのLPS。愛称 "Lucy" である。

Harrison-Clapton 1957 Les Paul Standard "Lucy"



 おお、格好良い!これは欲しい!弾けない!よしておく!
 来歴を読むと、最初はジョン・セバスチャン(ラヴィン・スプーンフル)が購入し、それがリック・デリンジャーに渡った。デリンジャーという人は知らなかったが、スタジオ・ミュージシャンとしても、バンドマンとしても、ソリストとしても凄い人とのこと。



 上下で赤というのは止めた方が良くないかな。パジャマみたいと言うか、ウルトラマンっぽいと言うか。

 そのLPSのオリジナルが何色だったは不明だが。(セバスチャンに聞けば分かるのではないか?)、デリンジャーがこのチェリーレッドに塗り替えたらしい。彼はあまりこの楽器が気に入らなかったようで、マンハッタンで別のレス・ポールと交換し、これをエリック・クラプトンが購入。
 クラプトンがジョージに譲ったのが、1968年8月上旬。ルーシーと名付けたのが誰なのかは書いていないが…誰なんだろう。クラプトンか、ジョージなんだろうな。とにかく、その約1ヶ月後に、このルーシーで、クラプトンが "While my guitar gently weeps" を弾く。

ルーシーの音で一番印象的なのは、アルバムバージョンの、"Let It Be" だ。後年のジョージ独特のスライドとは全く違うサウンドだが、切羽詰まった感じが格好良い。




 その後、手違いで一度ジョージの手から離れるが、やはりジョージも思い入れが強かったらしく、ルーシーを取り戻した。今はダーニの元にあるのだろう。

 それにしても、このギブスンの写真、どうしてこうなんだろう。この眼光の違いはなんだ。ジョージはともかく、クラプトンの方が、このギターを持ったまともな写真がなかったのだろうな。



 肝心のお値段は… $22,235 (希望小売価格)
 22,235ドル?!200万円?!え、本当?!それは…さすがに…楽器にかける値段ではない…。これ、本当かなぁ?

Victims of Irish Music2013/03/29 21:46

 Poitinの演奏する “Congress Reel” が格好よかったので、音をとって自分でも吹いたという話の続き。
 この曲の収録アルバムはあるだろうかと検索しているうちに、こう言うものがヒットした。

Marc Gunn’s Irish & Celtic Music Podcast Presents
Victims of Irish Music




 どうやら色々なアイリッシュ・ミュージックが収録されているオムニバスアルバムらしく、曲目を見るとお馴染みの名前が並んでいる。つまりは、基本的にトラディショナルらしい。
 CD盤はなかなか手に入りにくいようなので、iTunes で購入した。

 良いもの、イマイチのもの、色々詰まっているが、なかなか聴きごたえのある内容なので、アイリッシュ・トラッド・ミュージック好きにはお勧めだ。”Victims” というのは、「被害者たち」という意味だが、ここでは「とりこ」とか、「ぞっこん」とか言う意味合いだろう。

1. Cooley's Reel / Sporting Paddy / Toss the Feathers
 ゆったりとしたテンポのリール。フルートは、指での装飾奏法ではなく、タンギングを多用している。ちょっと拙く聞こえる。”Toss the Feathers” の 最後のフレーズは、わざと細切れにしているようだけど、これはダサい。

2. Sleeping Under the Tables / Musical Priest / Salamanc  ( Kennedy's Kitchen )
 始まりはテンポの緩いリールから。こちらのホイッスルはタンギングをほとんどせず、指を使っており、とても上手い。2曲めからテンボアップかなり格好良い。とくに高音部の軽やかさが良い。サラマンカは、私が知っている節回しとは大分違うけど、良いアレンジだ。

3. Lannigan's Ball / Rambling Pitchfork / Tar Road Sligo ( Cady Finlayson )
 ギターソロが格好良いジグ。6弦ならではの幅広い音域で豊かな厚みを奏でている。。二曲目はフィドルソロ。テンポは緩やで、のどかな雰囲気。3曲目もお馴染みの曲だ。

4. Staten Island Hornpipe / Morpeth Rant ( Jolly Rogues )
 恐らく、音色からしてブズーキのホーンパイプ。あまり跳ねないのでリールに聞こえる。後半は正真正銘のリールだろう。

5. Gneeveguilla Reel / Drag Her Round the Road / The Golden Keyboar ( Arabesque )
 指での装飾を多様したフルートがメインのリール。伴奏は、ギターのみで静かな雰囲気。1曲目の最後のフレーズを短く切るのはイマイチ格好良くない。

6. Boys from Blue Hill / Cherish the Ladies ( Bow Triplets )
 お馴染みのホーンパイプ。アコーディオンとバウロン、ギターで、ほのぼの系の演奏。これも跳ねが小さい。ジグをつなげるのだが、三連がちょっとつまづくのも味の内か。

7. Princess Royale ( Thomas "Doc" Grauzer )
 美しいハーブのソロ。テンポか゛揺れるのも味になっている。

8. Chicago Trippin Up the Stairs ( Boston Blackthorne )
 フィドルがメインのジグ。ツインフィドルが格好良い。ちょっと突っかかるようなリズム。後半はおなじみのジグ

9. Rocky Road to Brenham ( Celtic Stone )
 ピアノとハンマーダルシマー、ブズーキ、フルートのポルカに聞こえる。ほとんどクラシックのノリで、アイリッシュトラッドにはちょっと聞こえないかも。

10. Geordie Lad / The Good Old Way ( Vicki Swan)
 雅楽の音取のような不思議なイントロ。フルートのエアから少しずつテンポアップして行き、最後は明るく爽やかなリールになるのが格好良い。

11. Old Grey Cat ( Marc Gunn )
 冗談のようなホイッスルのソロ。最初から最後までタンギングで押し通し、指での装飾奏法はもの凄く字余り的なリズムで、鋭さが皆無。かなりダサい。どうもわざとダサく演奏しているようだ。ダサさもここまでくると堂々としていて潔い。演奏者の Marc Gunn はこのアルバムのタイトルになっている人だが、いつもこういう奏法なのだろうか?

12. Congress Reel ( Poitin )
 私も吹きたくなるほど、格好良いリール。ただし、ホイッスルのタンギングの多様は少し格好悪く、ダサい。もっと、指での装飾奏法をふんだんに取り入れれば、完璧に格好良くなるはず。アンサンブルの素晴らしさは格別。掛け声もイカしている。

13. Road to Lisdonvarna / Morrison's Jig ( Vince Conaway )
 ハンマーダルシマーが格好良く鳴り響く、お馴染みのジグのセット。こういうものを聞くと、その新しい楽器がやりたくなる。

14. Polkas and Slides ( The Tea Merchants )
 フィドルのポルカからスライド(12/8拍子)への変わり目が、バシッときまっているところが格好良い。

15. Banks of Spey / High Road to Linton ( Highland Fling )
 フィドルによるエア(ゆったりとした歌の曲)。エアだが、リズムは威勢が良い。もっと「ゆったり&しっとり」でもよさそう。後半はスローリールっぽい。

16. Campbell's Farewell to Red Gap / Newcastle ( Bedlam Bards )
 かなりカントリー調なポルカ。ここまで来ると、私が求めるアイリッシュではない。聞いていて、楽しいけれど。

17. Skylark / Humours of Tulla / Lucy Campbell's ( Culann's Hounds)
 リールのセット。最初の曲では、フィドルの半音使いが印象的。曲が変わると、イーリアンパイプが加わる。お馴染みの “Lucy Campbell’s” の最後に、三連譜を入れ込む奏法がかなり格好良く、やってみたい。全体的には、かなりモダンなアレンジで、ルナサに近い感じがする。