Typewriter2025/02/13 22:41

 ボブ・ディランが滞在中のホテルの一室で、ジョーン・バエズが歌っているシーン。ディランは、タイプライターを打っている。タイプライターの独特の音がするし、紙の右端になるとタイプライターに仕込まれたベルが「チン!」と鳴り、リターン・レバーを引いて改行する。



 私の家にも、タイプライターがある。1950年頃に祖父がアメリカから持ち帰った物とのこと。有名なタイプライター・メーカーの、レミントン・ランド製。
 私がこどものころにはすでに骨董品だったが、どこも壊れていないので立派に機能する。中学生のころはさかんにこれでバンド名や曲名、歌詞を打ったもので、作文の宿題をこれで出したこともある。



 インク・リボン式。さすがに年月を経てカラカラになってしまい、色が出ないが、かすかならが文字が打てる。このカシャカシャした打ち心地が気持ち良い。シフトキーが重くて、私には小指で押さえることが出来ないが、ディラン様はちゃんと小指で操作していた。



 タイプライターと言えば、ルロイ・アンダーソンの "Typewriter" ―― カジュアルなコンサートではお馴染みのナンバー。
 タイプライターを演奏するのは大抵、打楽器奏者。オフィスワーカーっぽい演出や、無意味なチューニングがお馴染みだ。上述の通り、本来紙の右端に来るとタイプライター内のベルが鳴るのだが、この曲では机上のベルを叩くことで音を再現している。



 楽器としてのタイプライターの使用というのは意外と珍しくはなく、ビートルズの "Revolution No. 1" の冒頭でも音が聞こえる。
 もう一つタイプライターで思い出す話と言えば、モンティ・パイソンがネタの打ち合わせ中、議論が白熱しすぎてケンカになり(主にジョン・クリーズとテリー・ジョーンズの間で)、タイプライターをぶん投げたというエピソードだろうか。

コメント

_ bombay2goa ― 2025/02/16 21:51

「Revolution 1」のイントロのカシャカシャいう音、タイプライターだったんですね!初めて知りました。

私の中ではタイプライター・ソングといえばラヴィン・スプーンフルの「Money」です。タイプライターを操作したことはないですが、あのカシャカシャ音、気持ちいいですよね。

_ NI ぶち ― 2025/02/18 19:18

bombay2goa さん
私はLovin' spoonful の方を知りませんでした!
これこそ、タイプの音と、ベルが効果的に使われていますね。
改めてLovin' spoonful のアルバムを確認したら、最初の一枚しか持っていないことに驚いてしまいました⋯

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