CFG: Fashion Check !2018/02/16 22:31

 何度でも言うが、私は [CFG] こと、「コンサート・フォー・ジョージ」が大好きだ。
 どのくらい好きかと言うと、[CFG] のポスターを1万円で買ったくらいだ。
 ビートルズグッズ専門店に問い合わせた当初は、無いとのことだった。その後、店から入手できたが、1万円でどうかというオファーが来たのだ。即購入。5万円でも買っただろう。

 さて、今日は [CFG] のファッション・チェック!

 まず女性陣から言えば、サム・ブラウンの圧勝だろう。大胆なドレスで、圧倒的な歌唱力。帽子も格好良いし、それを拾う仕草、小さい頃からよく知っているダニーの手を取る仕草、どれも姐さん、貫禄十分です。
 オリヴィアはこのコンサートのために、ドレスをあつらえたのだろう。雰囲気に合っていて、とても素敵だ。

 さて、男性陣。
 一番多いのは、スーツでびしっと決める面々。ジェフ・リン,ポール、そしてトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズは細身のスーツで格好良い。マイクがちょっと怪しい感じだが、でも格好良い。
 アメリカのツアー中にロンドンに飛んでくれたハートブレイカーズ。そういえば、トムさんの脂肪吸引疑惑が囁かれたのはこの頃だったか。
 アメリカからびしっとスーツで、気合い十分で乗り込んできたハートブレイカーズ、その前に現れたのは…

 カジュアル勢。
 まず、クラプトン。…ユニクロ…?ユニクロ?そして覚えておかなければならないのは、クラプトンのソックスは、白いということ。どこで分かるのか?それは見てのお楽しみ。ヒント、前半。
 そしてダニー。インド風の上下でとても清楚で可愛い…すごくセンスのあるチョイス。哀れな感じなんて微塵も無くて、天使…?!というか、ジョージ…?彼の佇まいも、このコンサートを温かく、心地よいものにしている一つの要素だろう。
 そして、なぜかひとり南国気分の、ジョー・ブラウン。娘とは正反対の、アロハー!な、リラックス・スタイル。このアロハがコンサートのトリで、号泣させる。

 そして、どう分類すれば良いのか分からない、大ボス。それがリンゴ。
 追悼コンサートなのに、真っ赤なジャケットにハデハデ刺繍、カジュアルなボトムズ。リンゴだから合っているファッションなのだろう。
 若い頃からそうだが、リンゴは何を着ても様になる。

 さぁ、「コンサート・フォー・ジョージ」を買うのです…見るのです!ジョージ・ファンならずとも、ぜひ。

Multi-Format [Concert For George] Reissue2018/02/10 20:12

 2018年2月23日、[CFG] こと 「コンサート・フォー・ジョージ」のリイシュー版が、世界同時発売される。

 さぁ、いまこそ!名作 [CFG] を買うときです!

 今回のリイシューは、ジョージの生誕75年を記念してのもの。形態によって四つのバリエーションがある。これまでもBlu-ray化や、期間限定のフリー視聴などなど、様々なかたちでCFGは送り出されてきた。まるで "The Last Waltz" だ。それほどの価値のある、極上のコンサート、[CFG]。

 今回は初めてアナログ盤が出る。私はアナログ盤を集める趣味がないのでこれは遠慮する。さらにデラックス・ボックスは、コンサート当日に飾られたタペストリーの断片が入るという、マニア向けのシロモノだ。
 私は、CDとBRボックスを予約した。すでにDVDも、BRも、CDも持っているが、CFGはいくらあっても良い。買って人にプレゼントしたことも、一度や二度ではない。
 そもそも、トレイラーからして既に名作。



 クラプトン,ジェフ・リン,TP&HB, ポール,リンゴ,ビリー・プレストン,ゲイリー・ブルッカー,ジョー・ブラウン,サム・ブラウンなどステージの中心に立つミュージシャンたちのみならず、バンドを構成する大物ミュージシャン ― ジム・ケルトナー,レイ・クーパー,ジム・キャパルディ,ジュールズ・ホランド,マーク・マン,アルバート・リー,ジム・ホーン,そしてクラウス・フォアマン…その他大勢 ― 豪華すぎて舞台の床が抜けそうで、しかも若かりし頃のジョージとまったく同じ容姿(少し小さいだけ)のダニーがいる。
 ついでに、客席にいるスティーヴ・ウィンウッドとビル・ワイマンを捜すという、おまけつき。
 インド音楽のパートもかなり魅力的で、CFGのBRをウクレレの先生(ギタリスト)にプレゼントしたら、インドパートにはまっていた。
 忘れてはいけない、モンティ・パイソン!私はこれでパイソン・ファンになった。
 映像作品としては、コンサートの完全版はもちろんだが、劇場上映版のインタビューや、リハーサル風景なども必見だ。

 「でも、ジョージ本人はいないじゃん?」と言った友達がいた。
 私に騙されたと思って、とにかく見ろ!…と言ったら、次に会ったとき彼は「泣いちゃったよ…」と報告してきた。
 そう、ジョージの追悼コンサートでジョージ本人はいないのに、ジョージはまちがいなく「いる」のだ。絶対そう確信できる。
 何度見ても、ボロボロ泣ける。

 今回のリイシューを見たら、今までとはまた違う感慨だろう。当時52歳だったトムさんと、ハートブレイカーズが「若手」として活躍している。
 "Taxman" はこのコンサートで一番にロックな格好良さであり、"Handle with Care" はまさに夢の実現。そして、ここでは "I Need You" をあげておこう。CFGで演奏された中で、ジョージのもっとも初期の曲だ。
 いわゆる、「ギタリスト声」というそうだ。ああいう、ジョージやトムさんのようなやや薄くて、儚げで、でも説得力のある声。ビートルズでの録音時、ジョージは23歳くらいだったと思うが、52歳のトムさんが、あの若さ、若さ故の苦さ、胸がいっぱいになるような切なさを、完璧に再現している。
 ロイヤル・アルバート・ホールの天井 ― そしてその上の空を見上げ、歌を捧げるトム・ペティ。歌い終わり、ちょっとだけうつむくトム・ペティ。ああ、きっとジョージとトムさんは一緒に歌っていたのだろう。そして今もきっと、一緒に歌っている。



 ことが [CFG] となると、もはや落ち着いてなどおられず、片っ端から人をつかまえて、勧めたくなる。ジョージや出演者のファンでもなくても、勧めたくなる。音楽が好きなら、きっと何かを得るはず。 ― いや、音楽に特に興味のない友人に、「パイソン物」として貸したら、「あのコンサート、いいね」という感想が返ってきたことすらある。
 きっと、音楽を抜きにしても、人間が生きていること、友達がいるということ、友達への愛情を表現するということが、どれほど人の心を動かすのか ― そして、それをいきいきと、明るく、そして感動的に伝えきっているものこそ、[CFG] だからだろう。

 さぁ、いまこそ!「コンサート・フォー・ジョージ」を買うのです!見るのです!本当に、本当に素晴らしいから!

It's Best Frend's Birthday2018/02/01 21:51

 マイク・キャンベルが自分のバンド、ザ・ダーティ・ノブズのライブで、友人であるトム・ペティのために、"Something Good Coming" と、Runnin' Down a Dream" を演奏したという。
 ダーティ・ノブズのライブで、ハートブレイカーズの曲をやるのは初めて。





 これはもう、多くを語る必要はないだろう。トムは世を去り、その親友であり、相棒だったマイクは、この世に生き、音楽を奏でている。
 マイクの歌が、あまりにもトムさんに似ていて、言葉を失う。最初は他人だった夫婦が、長年連れ添うと、似てくるという現象と同じだろう。しゃべり方もそっくりだ。

 そして生きる世界を異にしてもなお、二人は魂の親友であり、相棒であり続けている。いま、この瞬間も ―
 マイク、お誕生日おめでとう。トムさんも、きっとそう言っている。

When Prince Met Tom Petty2018/01/27 22:33

 「俺の二大スターは、デイヴィッド・ボウイと、プリンス」 ― と、いう同僚がいる。彼にとって、去年はショッキングなことが立て続けに起こったわけだ。
 プリンスが亡くなってから少しして、彼が私にふと話しかけてきた。

 「トム・ペティって……」

 ああ、あれを見たなと悟った。
 2004年、ジョージのロックンロール・ホール・オブ・フェイム授賞式。"While My Guitar Gently Weeps" ―
 プリンスのファンとしてこれを見て初めて、まともにトム・ペティを認識したというわけだ。



 何度見ても凄い。この曲に関して、クラプトンとジョージ以外のソロ奏者としては、プリンスが一番だろう。トムさんとジェフ・リン、プリンスがもの凄い存在感を発揮しているが、さらに贅沢なことに、スティーヴ・ウィンウッドとジム・キャパルディ,そして二人のハートブレイカーまで揃っている。特にウィンウッドのオルガンがふるっている。この曲はギターだけではなく、オルガンも非常に重要なサウンド・ファクターなだけに、最高の布陣だ。
 ダニーもこういう豪華な場には慣れているだろうが、プリンスのファンだけに、とりわけ楽しそう。プリンスのソロが始まろうとするときに、彼の顔を見て顔一杯に笑うダニー。そしてプリンスが観客席へ倒れ込むのを圧倒されたような顔で見て、おそらくジェフ・リンに向かって「あれ、見てよ!」という表情をしている。

 プリンスのギター・ソロもさることながら、私はこの演奏に関して、トム・ペティのヴォーカルも抜群だと思っている。これまた、ジョージっぽい憂いを帯びた、でも自信に溢れたヴォーカル。プリンスがソロを弾いている間にも、"Look at you all..." と歌っているのが最高にエレガントで、格好良い。

 例の同僚は、実は去年10月3日の早朝、私の次にオフィスに入ってきた人だった。思わず呼び止め、トム・ペティの悲しいニュース(この時点では情報が混乱していた)を話さずにはいられなかった。
 そして先日、その死因の公式発表があり、それがプリンスと同じであったことを話すと、「そう!俺も見ました!」との返事。
 「記事で読んだんですけど、トム・ペティが、プリンスが亡くなる数日前に電話しようと思ったって言うんですよね…」

 この話は初耳だったので、確認してみると、たしかにあった。トムさんがプリンスの死を受けて、Times紙に語っているのだ。

 When Prince Met Tom Petty for ‘While My Guitar Gently Weeps'

 "I almost told myself I was going to call him and just see how he was," he mused. "I’m starting to think you should just act on those things all the time."
 「ぼくは、彼(プリンス)に、元気か、って電話しようかなと思っていたんだ。」彼(ペティ)は思いにふけった。「それからは、やろうと思ったことは、すぐにやろうって考えるようになったよ。」



 賢者の言葉だ。

Pain no more2018/01/23 21:15

 先週半ばから、病気に伏してしまった。大した話ではなく、はやりの流感にかかっただけではあるが、快復したばかりで体力がない。昨日も、どうしても参加したいトム・ペティ関連のイベントがあったのだが、欠席せざるを得なかった。
 私の場合、問題だったのは流感そのものよりも、その後だった。処方された薬はごく一般的なものだったが、その一つがアレルギー反応を起こし、体中が真っ赤に腫れ上がったのだ。これには参った。数日でおさまりはしたが、今後はその薬を避けなければならない。

 そんな時期に、トム・ペティの死因に関する公式声明が出た。丁寧な翻訳をしてくれた、Heartbreaker's Japan Party さんに感謝。

Passed away due to an accidental drug overdose as a result of taking a variety of medications.
 複数の薬物の偶発的な過剰摂取による死 ―

 「オピオイド危機」と呼ばれる、鎮痛薬の多用が引き起こす問題が、アメリカでは深刻化しているという話を聞いたことはある。そういえば、あれやこれやの有名人が亡くなった時も、この手の薬のことが話題にのぼっていたような気がする。
 トム・ペティという、心から愛して止まない人をこれで失って、はじめてその重大さを思い知らされた。

 社会問題に関しては、まずおいておく。
 とても悲しかったのが、トム・ペティがとても多くの痛みに耐えていたという事実だ。なんて辛いことだろう。なんて心の痛むことだろう。

 トムさん、ごめん。
 いつも、いつも求めてばかりいて。
 新曲も、新譜も聴きたい、ライブも見たい、ツアーもしてほしい。あなたが必死に痛みに耐えていたときに、ずっとあなたの才能と寛容さに甘えていたんだ。ほんとうに、ほんとうにごめん。
 「ファンが一人でもいれば、やり続けるさ」 ― あなたはいつかそう言っていた。そのままを実行していたトムさん。肺や喉が痛くても、膝が痛くても、股関節を骨折するまで、トムさんはステージに立ち、ギターを弾き、観客たちを全力で楽しませ、幸せにしてくれていた。
 あなたはプロ中のプロであり、ロックンローラーとしての ― そしてきっと、人間としての誇りだ。
 きっとあなたは笑って許すだろう。自分が愛していたことを、全力でやるためなら、どんな痛みにも耐えると、きっと言っただろう。
 でも、いまだけは言わせて欲しい。ほんとうにごめん。そしてありがとう。心から、ありがとう。もう痛みに耐えることなく、静かに休んで。

 トム・ペティに安らいで欲しいのに、トム・ペティの曲というのもおかしな話だが、どうしてもこの曲しか浮かばない。

Hard Rock Cafe Ueno-eki Tokyo2018/01/14 20:50

 新年会ということで、上野駅のハードロック・カフェに行った。ここに来るのは、何年ぶりだろう。
 前回きたときは、トム・ペティのギター ― [Long After Dark] のテレキャスターっぽい黄色いギターが展示されていた。
 今回驚いたのは、ギターが替わっていたこと。何かは良く分からないが、とにかくファイヤーグローのリッケンバッカーになっていた。



 一緒に飾られている写真がいい。

 さて席につけば、HRCお馴染みのヘヴィな食事や飲み物をとりながら、流れるミュージック・ビデオにあれやこれやと言いながら過ごすのが、常である。
 普通、TP&HBなんて流れることはまずないのだが、今回は関連ビデオが四つも流れた。
 まず、"The Last DJ"。



 この時点では、なんという偶然!と、純粋に喜んでいた。
 "The Last DJ" のビデオは、萩原健太さん曰く、ハートブレイカーズでウィルベリーズのあの雰囲気を再現している、トム・ペティにとっての理想型なのだという。確かにそうだし、そういうバンドのまま終焉を迎えたと思うと、感慨深い。

 さて、しばらくして流れたのが、なんと "Handle with Care"。これはさすがに、他の席からも、「おっ、ジョージ!」という声が聞こえた。



 「こうなると、次に何を流すのか、ハードルが高くなるね」などと話していたら、直後にこう来た。



 ここまで来て分かったのだが、予約の時に「トム・ペティのギターは今も展示されていますか?」と確認したことが、影響していたようだ。HRCがこういう気遣いをしてくれるとは知らなかった。

 TP&HB関連として最後にながれたのが、"Into the Great Wide Open" ― 海賊になる前のジョニー・デップの熱演。



 トム・ペティがこの世にいない、新たな年が始まったけれど。彼がそばにいるかどうかは、結局聴く側の心の問題であり、つまりは、彼の音楽と存在は、いつもファンと共にあるのだ。そういう気持ちを新たにする、新年会だった。

The Lumineers / Walls2017/12/29 21:59

 トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズのフォロワーで、縁のある若手バンドを聴く企画(そういうことにした)。ザ・ヘッド&ザ・ハート,ザ・シェルターズと来て、最後のバンド、ザ・ルミニアーズを聴いた。
 発表されているアルバムは、二つ。[The Lumineers] と、[Cleopatra]。



 若手バンドとは言っても、結成されたのは2005年と Wikipedia にはある。意外と古い。
 とは言え、最初のアルバムが2012年。2枚目は2016年だそうだ。

 何度も繰り返し聴いたところ…ちょっと物足りないかも知れない。私の好みとしては、もう少しロックバンドサウンド的な要素が濃く欲しかった。アーシー,フォーキー過ぎて、やや大人しい。バンドの人数も少ないし、この路線で頑張っている…という感じ。
 もっとドラムとベースを利かせたロックなサウンドになると、かなり好きだと思う。ザ・ヘッド&ザ・ハートに近いが、彼らほど「作り込み」が深くはない。そこが良い所でもありそうだ。
 それから、もう一つ思ったのが ― どこかで聴いたことがありそうな曲が多くて、それがアップル製品のおしゃれな CM なんじゃないかということ。なんだかそういう感じ。

 TP&HBのオープニング・アクトをつとめたり、トリビュート・ライブに出演したり。もちろん、ハイド・パークにも出ている。そこで、ザ・ルムニアーズによるTP&HBのカバー,"Walls"。



 これを見たら、本家の方も見たくなった。
 1997年。これは悶絶モノ。美しくて、渋いトムさん。演奏後の、「ジャーマン・シェパードだからドイツ語を話す」というよく分からないジョークと、エルヴィスに会った時の話も含めて。格好良すぎて、ルミニアーズが吹っ飛んだ。

 

The Shelters2017/12/25 20:23

 トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズと縁のあるアーチストでありながら、すっかりそのことを知らずに聞き始めたのが、ザ・ヘッド&ザ・ハート。とても良かったので、同じく、TP&HBに縁のあるバンドを聞くことにした。
 そのような訳で、ザ・シェルターズを購入。デビュー・アルバムは、2016年 [The Shelters]。



 私はこのバンドをアメリカのバンドだとばかり思っていたが、UKバンドだったのか ― と思った。ほんとうに、これはUKロックの音に違いないと。
 実際は、もちろんザ・シェルターズはアメリカ,LAのバンドである。
 ザ・ヘッド&ザ・ハート風のアーシーな響きを想像していたのだが、実際のシェルターズは、ソリッドでエッジの利いたパンキッシュなサウンド。そしてビートルズ、キンクス、ザ・フーなどを彷彿とさせる、ワクワク感。ELOのような精緻さもある。さらに、時としてカラフルでサイケデリック。
 リバーブを抑え、エレクトリック・ギターの弦に触れるその瞬間すら聞こえそうな、素晴らしい音。プロデューサーのトム・ペティ,ライアン・ウリヤーテらの手腕が存分に発揮されているのではないだろうか。
 短くて、習作揃いの良いアルバムで、何度もリピートしたくなる。

 動画はまず、今年のハイド・パークから。



 お次は、スタジオにて。ちょっと音のバランスに難があるけど、格好良い。ハイド・パークといい、これといい、ギターのチョイスがイカしている。



 トム・ペティのMusicare Award トリビュート・ライブにも出演しているし、トムさんが亡くなってから、マッドクラッチの "Scare Easy" を、これまた縁のあるタルサのチャーチ・スタジオで演奏している。
 しかし、ここでは去年のペティ・フェストでの、楽しそうに "Listen to Her Heart" を演奏する様子を。しっとりも悪くないが、こういうロックンロールな弾け方が良い。

Christmas All Over Again2017/12/21 21:49

 クリスマスと言えば、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズの "Christmas All Over Again" ― ポップスのクリスマス・ソングでは、これが一番好きだ。
 録音版は、ジェフ・リンがサポートしており、リッケンバッカーが高く鳴り響き、TP&HBの楽曲では唯一ではないかと思われるドラム・ソロが効果的。ウィルベリー兄弟の化学が素晴らしいものを作りあげた見本だろう。

 2000年には、ホワイトハウスで演奏しており、その動画も有名。
 何が有名って、トムさん史上もっとも短い髪の毛。ついでにマイクも短い。トムさんはちょっと太り始めている…でも楽しそうで可愛い。
 そして私のお気に入りは、トムさんとマイクが、揃いも揃ってゴージャスなリッケンバッカーを鳴らしまくること。私もプレゼントにリッケンバッカーが欲しい。弾けないけど。



 この時について、「カントム」こと、[Conversations with Tom Petty] では、このように述べている。

 いったい誰が、ゲインズヴィルから出てきたガキどもが、大統領の前でプレイするなんて想像した?大統領と、ファースト・レディが最前列に並んでいるんだぜ。
 ぼくは数度、ホワイトハウスに行ったことがある。大統領に会って、執務室に入れてもらった。ゴキゲンだった。子供の頃はこんなことになるだなんて、想像もできないだろう。単にバンドが好きで、ギターを弾いていただけなんだから(笑)。それがノコノコと執務室に入っていくのだから。
 そうしたら、アル・ゴアが言ったんだ。「大統領と、トラベリング・ウィルベリーズをやろうじゃないかと、話し合ったんですよ。」(笑)でもウィルベリーズは却下されちゃった訳で。とにもかくにも、どえらい事がやたらと起こったものだった。


 この曲に関しては、ウクレレで作ったというエピソードも忘れてはならない。
 ジョージがウクレレをくれて、その日の午後はつきっきりで弾き方を教えてくれたという。この世でもっとも幸運な人、トムさん。そのウクレレを真夏のフロリダに持っていき、このクリスマス・ソングを書いた。
 トムさんがウクレレを弾いているところは見たことはないと思うが、きっとロックでクールなユークだったに違いない。

 私には宗教心もないし、神様も信じていないけど。どんな人にも良いことがありますように。トム・ペティの魂が安らかで、しかもロックンロールでありますように。

Wheat before the Sickle2017/12/17 15:51

 自分で翻訳した「カントム」― Conversatins with Tom Petty を読みながら、我ながら良くできていると思っている。
 ところどころ、苦労している感じも見受けられる。英語や翻訳の専門家ではないのだから仕方がない。苦笑している。
 だいたいは、頑張ってなんとか翻訳しているのだが、一箇所、完全に翻訳を諦めている箇所があった。後半,part two, songs の [The Last DJ] のところだ。昨今の、大量生産された、芸能人の存在に苦言を呈して、このように続けている。

 TP:だから、大きな変化が起きるか、もっとすてきな何かが出現するかして、この停滞を打ち壊してくれることを望むしかないんだ。

Q:それはあり得るでしょうか?

TP:いつだって、起こり得るだろう。つまりさ、60年代にビートルズが現れて、停滞を打ち壊しただろう。
 あんなことは他に、ニルヴァーナが突然あらわれて、偽物のヘアスプレー・バンドを失業せしめた時だけだったな。(???次の日は、小麦は刈り取られる前の日だった???翻訳不能)
 The only other time I've seen that happen is when Nirvana came and suddenly all those fake hairspray bands were completedly out of work. The next day. It was wheat before the sickle.




 もういちど、この箇所に挑戦してみた。
 当時、このわからないフレーズをそままググるということを、しなかったのだろうか。
 分かったのは、"wheat before the sickle" という表現は、南北戦争,ゲティスバーグの戦いに関連するフレーズだということだ。

 ゲティスバーグの3日目 ― 1863年7月3日 ― 南軍ロングストリート麾下のピケットが北軍に対して一斉攻撃を仕掛けた、いわゆる「ピケッツ・チャージ」。ジョージ・ピケット少将の名を取ってその名が付けられたが、実際にはロングストリート麾下のトリンブル少将と、ペティグルー准将の師団もこれに加わっている。そのため、「ピケット=ペティグルー=トリンブル・チャージ」とする方が正確だという人もいる。
 ペティグルーの師団に、セオドア・フッドという23歳の若い軍曹がいた。有名なジョン・ベル・フッドとは遠い親戚にあたるそうだ。彼はこの戦闘で負傷し、捕虜になった。後年、自分の南北戦争での体験を語っており、「ピケッツ・チャージ」が失敗に終わった時のことを、このように表現している。

 “and volleys of deadly missiles were sent into our ranks which mowed us down like wheat before the sickle.”
 北軍の猛烈な砲撃は、私たちの隊をなぎ倒した。まるで刈り取られるがままの麦の穂のようだった。


 「カントム」を翻訳したとき、before を時間的に「前に」だと思い込んでいたために、混乱してしまったらしい。刈り取り鎌を「目の前にした」,麦の穂という表現だったのだ。
 「ニルヴァーナが登場した翌日には、偽物の作りあげられたスプレー・バンド ― 大量生産品としてのアーチスト達 ― は、もう全滅状態だった。刈り取られるままの麦の穂というわけさ。」となるだろう。

 この「全滅せしめられる」という意味での、「刈り取られるがままの麦の穂 like wheat before the sickle」という言葉は、アメリカではよく知られている表現なのだろうか。とにかく、トム・ペティはこの表現を知っていたことになる。
 南北戦争に由来する言葉としては、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズの3枚目のアルバム [Damn the Torpedoes] がある。これは、1864年8月のアラバマ州モービル湾攻撃において、北軍のデイヴィッド・ファラガットが放った一言、"Damn the torpedoes! Go ahead!"「機雷なんて糞くらえだ!前進せよ!」に由来している。 どんな障害にも目をくれず、前進するこの頃のハートブレイカーズの状況に合っていたのだろう。

 2008年8月14日 機雷なんて糞くらえだ!

 一般的なアメリカ人が、この手の言葉を普通に知っているのか、否か。トムさんが実は詳しい方なのか。歴史に興味があるようには見えないのだが。ファンの私たちは知らない、トムさんの一面なのかも知れない。