At First Sight2017/10/19 20:25

** お知らせ TP Farewell * Tom Pettyに感謝を捧げる会**

 Heartbreaker's Japan Partyさん主催ので開かれる会です。トム・ペティ・ファンの方、ファンになって日の浅い方、どなたさまも大歓迎です。

Part 1 2017年11月4日(土) 13:00 - 17:00 レンタルキッチンスペース Patia 神保町店
 トム・ペティの映像と音楽を流しながら、トム・ペティのことを思いながら、時間を過しましょう。途中参加、途中退席、短時間の参加でも構いません。会費 1,500円 (ソフトドリンク付、アルコール類は別途販売予定)

Part 2 (62回オフ会)2017年11月4日(土) 18:00 - 22:00 レンタルキッチンスペース Patia 神保町店
 トム・ペティの映像と音楽を流しながら、トム・ペティのことを思いながら、アルコールも交えて時間を過しましょう。会費 4,500円 (アルコール含む飲食付)
 準備の都合上、11月1日までに参加予約をお願いします。リンクの facebook から、もしくはメール tphb-offm@heartbreakers.jp (Heartbreaker's Japan Party)へお申し込み下さい。

 私はPart 1, 2ともに参加します。Part 1は予約もいりません。ビルの5階、ちょっと入りにくいかも知れませんが、お一人でも心配無用。だいたいみんな、最初はお一人で来ます!素敵なトムさんの音楽と、その音楽を愛する仲間がお待ちしております。

****

 あの日の朝、最初にトムさんのことを知らせてくれた友人が、私のために「偲ぶ会ランチ」を開いてくれた。友人はロックに興味はないが、私のよき理解者である。

 一通り、トムさんの活躍と、あの日前後のことをしゃべると、友人は言った。

 「ミュージシャンとしては幸せな人だね。バリバリの現役でツアーもしてて。翌週に自宅で眠ったまま、奥さんに発見されて、家族と長年のバンド仲間に看取られるなんて、そんなラッキーな人、ほかにいる?」

 確かにそうだ。あれほど幸せなロックンロールスター人生はないかもしれない。

 その幸運なロックンロール・スターに出会ったときのことは、良く覚えている。

 12歳でビートルズにはまった私は、数年後 ― 音大時代に突然、ジョージが一番格好良いことに気づいた。そしてジョージのソロ活動について調べ、トラヴェリング・ウィルベリーズなるバンドと、”Handle with Care” という名作ビデオがあることを知った。
 そのビデオを見るために、私は毎日 [Classic MTV] という番組を録画し始めた。80年代ごろまでのミュージックビデオばかりを流す30分番組だ。登校中に録画し、帰宅すると確認するということを繰り返しているうちに、ウィルベリーズとやらを捕まえるにちがいないという狙いだ。

 その日も録画を一通り見たが、ウィルベリーズに関しては収穫なしだった。ただ、ひとつ印象的なビデオがあった。
 ロックのライブ映像で、金髪,長髪のフロントマンが目立っていた。恐ろしくダサい服を着ている。でも格好良かった。金髪はタイプではなかったが、瞳の輝きが良かった。演奏している曲も素晴らしい。
 一目見て気づいたことが、いくつかある。
 フロントマンと、ギタリストがリッケンバッカーを使っていたこと。これはビートルズ・ファンには強烈な印象を残す。
 そして、フロントマンはソロ・アーチストではなく、これは数人のロックバンドであることも分かった。ギタリストとはとても仲が良さそうだし、ほかのメンバーも和やかな雰囲気だ。素敵なロックバンド、そういう感じだった。そして、トランペッターと、女性コーラスはバンド外の人だということも、なんとなく分かっていた。

 予備知識の全くなかった私は、一体彼らの何に魅了されたのだろうか。
 曲の良さ、アレンジの良さ、演奏の上手さ。クールで、媚びない、気の強そうな、でもちょっと多感で、意地っ張りで、可憐な。
 そういう印象だったのかも知れない。

 そのビデオのことはしばし忘れていたが、数日後だったのか、数週間後だったのか、とにかく私はウィルベリーズを捕らえることに成功した。
 とうとう見つけた、"Handle with Care" ― ものすごく興奮して、その魅力に完全にノックアウトされた。そして、ジョージが一番 ― ビートルズのみならず、全てのなかで一番格好良いということを確信した。それと当時に、ウィルベリーズの一人である金髪の青年が、「あの金髪の青年」と同一人物であることも、認識したのだった。

 そういう、トムさんとの出会いだった。彼のことを、本気で二十代だと思っていた。

There are places I remember2017/10/14 20:00

There are places I remember
All my life though some have changed
想い出の場所がある 人生の中で変わってしまったものもあるけれど
( In My Life: The Beatles )


 母校の音大には、邦楽演奏用の和室があった。畳に座り込み、仲間や先生ともども、お茶を飲んだり、お菓子を食べたりしてくつろいでいた。
 私は好きになったばかりの、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズのことを、しゃべり倒していた。すると、同級生の一人が言った。

 「俺、テレビでトム・ペティのビデオ見て、ぜってーこいつ、人形か何かだと思ったわ。すっげーでっかい帽子かぶってる、あやつり人形みたいでさ。」

 学生時代、人からトムさんの話を聞いた、ほぼ唯一の機会だった。

 今はドイツに住んでいる彼に、そんなことを想い出したとメールしたら、返事がきた。無論、トム・ペティのニュースは知っている。

「もちろん、NIぶちの事を思い出していました。月並みな言葉だけど、音楽の中では生き続けるのだね。間違いなく後世に残るものを作ったと思うし。」

 ありがとう、Mくん。その通りだよ。



 2006年、私はちょっとレイザーライトが好きだった。コメディ,The Mighty Boosh がきっかけて知ったバンドだが、クールな若いUKバンドだった。
 単独来日公演が渋谷クアトロであり、私はひとりノコノコ出かけていった。ライブの開始を待つ間、何か音楽がかかっているのはいつものことだ。
 やがて、客席のライトが落ちて、真っ暗になった。さぁ、ライブが始まる。そのとき、真っ暗な会場に、大音響で聞き慣れたイントロが流れた。

American Girl .... !!

 トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズのオリジナル録音が流れたのだ。私は声を出さずに絶叫していた。
 最初から最後まで、暗闇で、大音響で、フルで流れた "American Girl" 。これが何を意味するのか、クアトロに集った観衆のうち、どれだけの人に分かったのだろうか。
 レイザーライトが憧れ、目指しているにはほかでもない、TP&HBであり、"American Girl" なのだ。その後のライブのことは、あまり良く覚えていない。"American Girl" が強烈すぎた。

 レイザーライトはその後どうなったのか知らなかったので確認してみると、当時のメンバーはリーダーのジョニー・ボレルしか残っておらず、彼のバンドとして続いていた。
 今年9月10日に行われたデイヴ・スチュワートのライブに、ジョニー・ボレルがゲスト出演し、"Don't Come Around Here No More" を演奏した。TP&HB自身のパフォーマンスに似て、イカしている。
 そして一番のツッコミどころは、スチュワートのギターだろう。デューセンバーグのマイク・キャンベル・モデルだ。



 トム・ペティのことをどう記事にすれば良いのか、今はまだ分かっていない。何となく、想い出を重ねて、私にとってのトム・ペティへの思いが形になっている。

Bidin' My Time2017/10/10 22:17

  何事にも時があり 天の下の出来事にはすべて定められた時がある。(コヘレトの言葉 3:1)

 トム・ペティが亡くなって1週間。彼のほか、何か聴く気が起きなかったのだが、クリス・ヒルマンの新譜 [Bidin' My Time] が届いた。Produced by Tom Petty ―
 何事にも時があり、いま、このアルバムを聴く時がきたのだろう。アメリカでの発売は先月のことだったが、私のもとに届いたのがトムさんの死後だったことも、何かの巡り合わせだ。



 トムさんを失った悲しみの時に、このアルバムはそっと寄り添ってくれる。心が沸き立つわけでもないし、何か新しい興奮が起きるわけでもない。よく知っている人と、気持ちを共有するようなサウンド。
 ある意味、クリス・ヒルマンには気の毒だった。彼の立派なソロ・アルバムにもかかわらず、トム・ペティによる、ザ・バーズ・トリビュート作品にしか聞こえない。今は、そういう時期なのだろう。

 ザ・バーズの曲の中では、ジーン・クラークの "She Don't Care About Time" が一番良かった。もともと、あのぎこちないようなギター・ソロが好きだった。さすがにこちらは、こなれて端正だが、この曲の持っている、ちょっとひねくれたようで、本当は素直なロックンロールが格好良い。
 そして前にも記事にしたが、"Here She Comes Again" の破壊力すごい。ロジャー・マッグインと、トム・ペティがエレクトリック・ギターを弾いている上に、ベンモント・テンチとスティーヴ・フェローニである。最高のロックにならない方がどうかしている。押しつけてでも人に聞かせたい。

 トム・ペティの "Wildflowers" は原曲の良さを再確認させる録音だった。ちょっと言葉が見当たらない。
 "Given All Can See" のハーモニカが、トムさんの呼吸かと思うと、ひどく切なかった。

 今は、感性や、考える力が鈍っている時。そういう時に聞くのも良いし、数年してまた改めて聞いてみたいアルバムでもある。

 スリーブの写真には、「ジョージっぽいグレッチ」を弾くトム・ペティの姿がある。そして、クリス・ヒルマンの言葉が添えられていた。

 トム、あなたはインスピレーションの源であり、本当の友達だ。
 あなたの優しさと、寛容さにどれほど救われたか。あなたの助けと、導きがなければ、決してこのアルバムを作りあげることは出来なかった。ありがとう。

 良き言葉は蜜のしたたり その甘さは魂を癒やす(箴言 16:22)


(注:アルバムのジャケット裏に印字されているのは、"Good words are a honeycomb, And their sweetness is a healing of the soul. Preverbs 16:22"
 私が持っている聖書では、おそらく第22節ではなく、第24節にあたり、英語では "Gracious words are a honeycomb, sweet to the soul and healing to the bones" のようだ。)

Untitled2017/10/06 22:35

 いつか、こんな日が来るとは分かっていた。
 でも、こんなに早く来るとは、思わなかったんだ。

 このブログを始めて9年余り。まさか、トム・ペティの死を報じ、記事を書くことになるとは思いもしなかった。一体、何をどう書けば良いのかも分からない。いかに音楽が素晴らしいか、語りたくても、どこから手を付けて良いのやら。
 火曜日の朝に衝撃的な知らせが入り、確認に追われ、昼過ぎに彼の死を知る。一瞬、胸がつぶれそうになる。トム・ペティが、死ぬなんて。
 仲間と連絡を取り、数人と会う。間違いない、トム・ペティは死んだんだ。

 ずっと彼の音楽を聴いているが、不思議と涙も出てこない。ただ良い音楽を聴いているという快感だけで、トム・ペティの死という悲劇に、感情の発露がついていかない。
 直接の知り合いでもない、ただ遠くから見つめているファンに過ぎないからだろう。実感がわかないのだ。三日経ってもわかない。山のような記事や追悼コメントを読んでも、まだわかない。
 ヘッドフォンをつけて、プレイをオンにすれば、トムさんの音楽が聞くことが出来る。あの格好良い姿も、いつものとおりディスプレイや紙で見ることが出来る。

 トム・ペティを思う涙は、いつあふれ出るのだろうか。

 たぶん、残されたハートブレイカーズ ― とりわけ、マイク・キャンベルの姿を見るとか、コメントを読むとかした時だと思う。トムのいない世界に、生きているマイク ― ああ、トムさん、何てことをしたんだ。こんなに突然、いなくなってしまうなんて!
 20歳ごろから45年、トム・ペティのロックンロール・ミュージシャンとしてのキャリアにおいて、マイク・キャンベルは、ほんの僅かな例外を除いて、ほぼ片時も離れなかった。
 つい先週まで、いつものように一緒に仕事をして、最高の音楽を奏でていた。しめくくりの挨拶をするトムさんを守るように、いつもマイクは彼の後ろからステージを降りてゆく。前を歩いているはずの、前でギターを持って、最高の歌を聴かせるはずの、輝くばかりの作曲家,詩人,ロックンローラー,バンドメイト ― そして親友との、永遠の別れを迎えてしまった。

 幸運なことに、私には録音も映像もある。トムさんはずっと生き続け、歌い続けてくれる。
 たしかに、新曲が聴けない、もうライブを見に行くことは出来ない。寂しい。それは残念で悲しいことだけど、これまで40年以上、彼はありとあらゆることをしてくれた。あらん限りの力で、最高の音楽を大量に残してくれた。
 彼が静かに、安らぐ時が来てしまったのだ。あれだけの事をした人を、引き留めることも、唐突な別れに怒ることもできない。
 とにかく、トム・ペティはもういない。「いない」という、悲しみを実感させるもの,きっと私を号泣させるもの ― 残されたハートブレイカーズ ― 彼らの悲しみと心の傷が、少しでも癒えることを願っている。私は彼らのファンだから。

 たくさんの追悼コメントの中で、今のところ一番胸に迫ったのは、ダニー・ハリスンのものだ。

Thank you dear Tommy for always being there for me. You got me through some of the hardest moments of my life. See you on the other side. I love you, bless.
 ありがとう、大好きなトミー。いつもそばにいてくれて。あなたがいたから、どんなにつらいときも、ぼくは乗り越えることが出来た。また別の世界で会いましょう。愛してる、神のご加護を。

 音楽というトムさんの職業や、業績ではなく、個人的な関係としてのメッセージ。ジョージも "Tommy" と呼んでいた。
 でも、このダニーの言葉は、私たちファンにもあてはまる。
 ありがとう、そばにいてくれて。そしてこれからも、そばにいてくれるトムさん。あなたがいたから、今までも、これからも、乗り越えてゆける。そう、あなたの死さえも。

 ふとジョージが手をさしのべると、トムさんがその手を取った。
 ジョージはふわりと抱き上げ、トムさんのお母さんの元へ、連れて行ったに違いない。

It's the Same Sad Echo2017/10/03 13:33

I love you.
I miss you.
Again , I love you. RIP.

It’s shocking, crushing news2017/10/03 08:08

 やや混乱していますが。ディランのコメントがアップされたりして、重くのしかかります。本当にディランのコメントなのでしょうか。 Rolling Stone

 「公式な」発表はまだで、とにかく混乱しています。情報が錯綜し、取り消されたりしていています。
 最新の知らせが、良いほうであることを、祈っています。

 私は混乱の中で、本当に、本当に、言葉を失っています。

6th Avenue Heartache2017/09/28 20:24

 9月16日に記事にしたザ・ヘッド・アンド・ザ・ハートが思いの外良くて、何度もリピートしている。特に3枚目のアルバム [Signs of Light] が良い。
 そんなつながりで、同様のテイストのアルバムを聴いているうちに、ザ・ウォールフラワーズの [Bringing Down the Horse] に回って来た。

 名作 [Bringing Down the Horse] が発売されて、もう20年以上経つ。
 2曲目の "6th Avenue Heartache" を聴いて、思わずため息が出た。あの冒頭の、マイク・キャンベル ― まるで、ジョージ・ハリスンが憑依したようなあのスライドギター、至高のサウンドと言うべきだろう。



 ジェイコブ・ディラン、さすがに若い。

 マイク・キャンベルはこの曲でリードギターを弾くに至った経緯について、2003年にSong Facts のインタビューに答えている。

 T-ボーン・バーネット( [Bringing Down the Horse] のプロデューサー)がある日電話してきて言ったんだ。「こういう曲があるんだけど、ギターを入れてくれるか?」
 ぼくは答えた。「今は、本当にスタジオに行って録音する時間が無いんだ。」そしたら彼は、「テープを送ったら、きみの家でオーバーダブしてもらえる?」と言うので、ぼくはOKした。
 それでバーネットがテープを送ってきて、そいつには、いくつかのリズムトラックに乗ったオープン・トラックが入っていた。ぼくはある日の午後、何時間かでギターを持ってきてつなぐと、幾つかのパートに、複数のオーバー・ダブをしていった。良さそうなのができたので、テープをバーネットに送り返した。ぼくは一度も(ウォールフラワーズの)連中には会わなかったよ。
 そうしたら、バーネットがぼくに電話をよこして言った。「やぁ、すごく良かったよ。」それで、あの曲がラジオで流れるようになった。

 この曲のあるギターのラインが、ほんとうに好きなんだ。すごくジョージ・ハリスンっぽいサウンドで。スタジオであのサウンドをモノにしたとき、すごく誇りに感じたよ。バーネットたちがあれを採用してくれたのが、とても嬉しかった。
 可笑しいのは、その後なんだ。ぼくはジョージに偶然会って ― ジョージっていうのは、本当に気まぐれで、シニカルな人なんだけど、ぼくを見て、クスクス笑いながらこう言ったんだ。「やぁ、あの曲をラジオで聞いたよ。今度は、ぼくっぽくやる事にしたの?」


 ジョージはどうして、あのギターがマイクと分かったのだろうか。ラジオでコメントがあったのか、例によって電話魔の彼のことだから人に訊いたのか。もっともジョージらしいとしたら、「マイクだと、分かってしまう」のかも知れない。
 ジョージを知る人たちには、それぞれに「俺のジョージ・エピソード」がある。それを語る彼らは幸せそうで、誇らしげだ。
 マイクにも、初めてジョージに会った時、両手で握手してもらったことが嬉しかったことをはじめ、色々な「俺のジョージ・エピソード」があり、この "6th Avenue Heartache" の話は、すごく素敵だと思う。
 クラプトンも言っていたが、ジョージのスライド・ギターは本当に独特で、彼の演奏だとすぐに分かる。そしてなかなか真似できる人が居ない。マイクはその数少ない、ジョージに限りなく近づく領域のギタリストだ。

 ウォールフラワーズのことだから、もしバーネットがジョージにテープを送っても録音してもらえたかも知れない。
 かなえられない夢を見るなら、ジョージとマイクのスライドギター共演を、夢に見たい。

Handle with Care / Stills & Collins2017/09/23 19:27

 クリス・ヒルマンの新譜 [Bidin' My Time] の発売日は9月22日なので、今日には届く物だと思って、ワクワクしていたのだが、一向に届かない。確認してみると、どうやら輸入の都合らしく、届くのは再来週以降だというのだ。
 ここはぐっと我慢。いちいち、ディスクとダウンロード両方で購入していたら、破産してライブ遠征ができなくなってしまう。

 一方、スティーヴン・スティルスとジュディ・コリンズの新譜 [Everybody Knows] もまた、22日が発売日だった。
 こちらは購入予定ではないが、さすがにトラヴェリング・ウィルベリーズの "Handle with Care" のカバーは気になる。ダウンロードで1曲買いした。



 音楽は決してパソコンのスピーカーで聴いてはいけない。高性能のスピーカーを備えている機種もあるだろうが、大抵はそうではない。きちんとした外付けスピーカーか、ヘッドホンで聴くべきだ。
 このスティルスとコリンズのカバーでは、重いベースラインがまず印象的なので、スピーカーの良さは必須。

 オリジナルの "Handle with Care" と言えば、アコギサウンドと、滑らかなスライドギター、そしてハーモニカがサウンドの特徴のフォーク・ロック調。一方、スティルスとコリンズのカバーでは、まず重いベースとドラム、そして熱いオルガンが鳴り響き、よりソウルフルな仕上がりになっている。
 このソウルフルでパワフルなアレンジも格好良い。
 それに乗るスティルスとコリンズの声だが、こちらはちょっとパワー不足。そもそもが男の友情の曲なので(歌詞がという意味ではなく、曲そのものの存在が)、コリンズの声は曲をリードする方ではなく、ロイ・オービソン・パートだけにフォーカスしても良かっただろう。
 もしくは、スティルスの [Love the One You with] のようにもっと大勢を揃えてきたら、このソウルフルなバージョンの良さが生きたに違いない。

 今回のカバーで改めて思ったのが、ジョージ独特の節回しの妙だった。ジョージはAメロのほとんどで、拍の頭を一瞬空けて、後ろへつんのめるように、言葉の頭を歌う。一方、スティルスとコリンズは、たびたび言葉の頭を拍にぶつけている ― オン・タクトなのだ。こちらの方が簡単だが、オリジナル独特の軽やかさと爽やかさが損なわれてしまう。
 ジョージのあの歌い方はもちろん、ディランの影響が強い。オリジナルはディランとジョージの、一瞬間を取る歌い方と、オン・タクトなロイ・オービソンの歌い方とのコントラストが、鮮やかに発揮されていたのだと、再認識させられた。

 ともあれ、スティルスとコリンズのカバーは、"Handle with Care" の新しい解釈として、とても面白い。そして原曲の良さがさらに分かる。
 友情というものを思うとき、いつもこの曲が思い浮かぶ。損得でもないし、何かを目指すわけでも無い。ただ、友人の事が好きだと思うとき、この曲がぴったりくるのだ。スティルとコリンズも、きっとそうだと思ったに違いない。

(期間限定)フェラーリファンのみなさんへ2017/09/18 11:30

 本来、投稿する気はなかったが、昨夜のシンガポールGPがあまりにも衝撃的過ぎたので、F1とフェラーリ、ベッテル、ライコネンのファンの方への、気持ちの共有として、この記事を投稿する。
 期間限定。そのうち削除する予定。

 私はセナが生きていた頃からのF1ファンですが、ベッテルほど応援しているレーサーは、ヒル以来です。もちろん、ライコネンも大好きです。
 別にティフォシではありません。もちろん、フェラーリが強いと嬉しいのですが、どちらかというと、レーサーを贔屓にする方で、今、フェラーリを一番応援しているのは、一番すきなドライバーが二人とも所属しているからです。

 昨夜のレースは本当に残念でした。かろうじて最後まで見たのは、ベッテル,ライコネン,フェラーリだけではなく、F1のファンだからだという意地に近かったです。それにしても、あれほどショックで、落胆したのはセナが死んだとき以来かも知れません。
 昨日のクラッシュは誰も悪くないでしょう。沢山のレースのあいだには、あんなこともあります。強いて言えば、セブはマックスを警戒しすぎた。マックスはスタートが悪すぎ、キミは良すぎて、互いに行き場所がなかった。そんなところでしょうか。

 ティフォシには酷ですが、はっきり言えば、今年もメルセデスの優位は変わりません。シューマッハが下地を作り、若かったハミルトンとロズベルグが切磋琢磨し、あのメルセデス・ベンツが作りあげたマシンです。そう簡単には王座を譲らないでしょう。
 フェラーリは、今までよくも上に行ったり、食らいついたりしたものです。ともあれ、あと6レース、何が起こるか分かりません。本当にハミルトンが勝つのか、彼自身が一番警戒しているでしょう。メルセデス,フェラーリ、双方とも決して油断も絶望もしていないはずです。
 最近は、「圧倒的なチームの強さ」が目立ちますが、異なるチームで三つどもえや、1ポイント差なんて、よくあったものです。まだ分かりません。

 私はF1というスポーツが好きですが、あの情け容赦のなさ、奇跡なんて起きない、全ては愚かな人間の業の末の、それでも欲望と歓喜を求める、政治,経済,技術、エゴの渦巻く複雑な競技だからかも知れません。その中で、人間的な魅力のあるレーサーに出会うと、とても入れ込んでしまう。ヒルや、ベッテル、ライコネンがそうです。(他にも、現役ではマッサやグロージャン,リカルドが好きです。)

 キミが来年の契約をしたと聴いたとき、私は「キミは、フェラーリとセブをチャンピオンにして、F1を去るつもりだ」と思いました。それは今年じゃない、来年なのだという、キミの思いが分かったような気がしました。
 セブはまだ30歳です。今年がどうなろうが、まだまだ続くであろう、セブのF1人生のために、キミはあと1年、側で何かをしてあげたいのだと思います。そしてもちろん、自分の稼ぎも、勝利も、栄誉も欲しいでしょう。

 勝負の世界で、普通に友情を保つのは、なかなか難しいことです。元々友人同士だったハミルトンとロズベルグだって、互いを「あっち」などとは、本当は呼びたくはなかったはずです。
 その点、固い友情で結ばれたセブとキミは、幸運にも年齢が離れており、レーサーとしてのキャリアの放物線も、ずれています。二人はこの幸運に感謝しているでしょう。昨夜以降、チームや、レーサー同士でどんな話があったかは分かりませんし、まだ話していないかも知れません。 少なくとも、フェラーリのツイートに載ったこの写真を見る限り、互いの顔は見たようです。



 昨夜以来、私も心の整理が付きません。フェラーリの "Grill the grid"でも見て、心を安らげます。(10チームで最長5分以上… イチャイチャ 楽しそうにし過ぎ)



 くり返すようですが、まだレースは6戦あります。フェラーリが勝っても、負けても、何かしらのドラマが待っています。シンガポールの予選のように、ハンガリーの「盾」のように、スパのトウのように。
 それらのドラマの末に、ハミルトンがチャンピオンになれば、彼の栄誉を称えましょう。F1はスポーツなのですから。

The Head and the Heart2017/09/16 20:40

 テレビでミュージック・ビデオを見て、少し気になっていたのだが、バンド名と曲名を記憶していなかったために、私の中で行方不明になっていたバンドが、インターネットのおかげでわかった。
 シアトル出身の6人組 ”インディ・フォーク・バンド”,The Head and the Heart ザ・ヘッド・アンド・ザ・ハート 。私が見たのは、彼らの3枚目にして、メジャー・レーベルとしては最初のアルバムである [Signs of Light] からのシングル、"All We Ever Knew" だった。



 聞き直すと、やはり良い曲だったので、iTunes store でアルバムを購入した。
 後悔した。
 これはダウンロードではなく、ディスクを買うべきバンドだった。そのようなわけで、デビュー作からアルバム3枚を、先ほど注文したところ。

 シンプルで美しいメロディに、アコースティックとエレクトリックの上手いブレンド、厚みのある豊かなコーラスなどが目一杯詰まっており、[Signs of Light] には、ほぼ捨て曲が無い。一曲だけ、"Oh My Dear" だけは素の作りすぎて退屈だったが、それ以外は粒ぞろいで、素晴らしいロック楽曲ばかりだ。
 フィドルを入れているところが、バンドの特徴になっているが、別にこのフィドルが、もの凄く上手いというわけでもないし、彼女のヴォーカルもさほどのものではない。しかし、そういう絶妙な加減での「親近感」が、ロックの良さには必要なのだ。

 こういう、最近の音楽らしくオーバープロデューシング気味ながらも、フォークロックの要素が強く、「強さ」よりも「弱さ」に対する共感や、押しつけではない「美しさ」への憧れ、近所の若者たちが、既に巨大音楽産業の中心ではなくなっているロックンロールへの、忠誠心を表すような音楽 ― そういうものに、どうしても心を奪われてしまう。
 ジェイホークスや、ウォールフラワーズ、ルビーホース、シスター・ヘイゼルなどが好きになる感覚に、絶妙にマッチしてくるのだ。彼らに共通することは、ビートルズや、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズのファンであり、実際の関わりもあるところだ。
 要するにFab やTP&HBファンである私と好みが同じなのだから、彼らが作るの音楽を好きになって、当然だろう。
 アルバム [Signs of Light] のプロデューサーは、ジェイ・ジョイスという人物なのだが、この人はウォールフラワーズとルビーホースとも仕事をしているので、彼らの音楽に共通する肌触りを感じるのは頷ける。

 散々 [Signs of Light] をヘヴィ・ローテーションして、さっきやっと知ったのだが、このザ・ヘッド・アンド・ザ・ハートというバンド、TP&HBと縁の深いバンドだった。
 今年2月、トム・ペティがMusiCareを受賞したときのトリビュート・ライブに出演して、"You Got Lucky" を演奏していたのだ。
 何たる迂闊さ!ジェイコブ・ディランや、アイルトン・ウィルベリー、ジェフ・リンなどに目を奪われて、全く気づいていなかった。
 しかも、7月のハイドパークでもルミニアーズ,シェルターズと共に、名を連ねているではないか。
 偶然テレビでMVを見て、気になるには当たり前すぎるバンドだった。

 こうなると、MusiCare トリビュート・ライブの映像のソフト化を速く実現してほしい。
 ザ・ヘッド・アンド・ザ・ハートは、彼ら自身のライブでも "You Got Lucky" をレパートリーに入れており、そのオーディエンス・ショットで、いまは我慢して、彼らの最初の2枚のアルバムの到着を待っている。