One Hit (To The Body)2024/07/02 20:41

 F1 オーストリア GP, フェルスタッペンとノリス君のバッドエンド。ああ、とうとうやってしまったなという感じ。
 ずっと1位、2位をこの二人が占めていたし、レースの展開としても終盤にノリスが追いつくようになっていた。フェルスタッペンのアドヴァンテージがみるみるうちになくなり、とうとう接触、双方パンクという結末におわった。
 私はこれを待っていたような気がする。とにかくフェルスタッペンが好きではないのだ(別に致命的に嫌いなのではなく、なんとなく好きじゃ無いポイントが多いだけ)。そこへ、お気に入りのノリス君が追いついたのだ。
 チャンピオン交代劇のファースト・コンタクトというべきだろう。双方真剣であり、譲れない勝負だった。どちらが思慮不足だったとは思わない。
 「友情の危機!」などと言われているようだが、それほどの友情でもあるまい。基本、仕事の仲間であり、同士であり、ライバルなのだ。セブとキミのような友情を想定してはいけない。

 男の友情の危機 ―― と言う音楽となると、だいたいは女性がらみになり、ほぼ間違いなく友情は破綻する。まぁ、本当の友達だったら、彼女を好きになっても自制できるのが人間の理性というものだろう。野生動物じゃあるまいし。(ジョージとクラプトンだけは人類の例外…じゃなくて、ジョージが特異なのだ)。
 ロックバンドというものは、往々にして友達同士で組む場合がある。しかし、その音楽的能力の差や、価値観の違いで仲違いをしてしまうことも多い。バンドがたくさん組まれると同時に、たくさん解散するのは当然の流れだ。

 1985年、ローリング・ストーンズは解散の危機にあった。ミックとキースがかなり険悪な関係になったためである。主な理由はミックが秘密裏にソロ契約を結んでいたことらしいが、ストーンズ第一のキースにはそれが許せなかっただろう。
 40年経ったいまなら、ソロ契約なんてそれほど深刻に考える必要もなかったことがわかるが、当時は本当に厳しかったようだ。でも、ミックもキースもストーンズを解散させることはさすがに考えなかったらしい。そこでロニーの力も借りてなんとか曲を「共作」し、アルバム [Dirty Work]を完成させた。
 "One Hit (To The Body)" のミュージック・ビデオは、その頃の二人の険悪な関係をよく表しているとも言われているが、それにしてもうまく撮れている。
 二人の仲はアルバム発表後もさらに悪化したとされているが、1989年までには関係修復している。誰かが言っていたが、ミックとキースは「なんとなく仲直りしてしまう」そうだ。


Long After Dark2024/05/16 21:44

 ザ・ウォールフラワーズが、10月2日に彼らの大ヒットアルバム [Bringing Down the Horse] を LA でパフォーマンスするという。10年ほど前から流行っている、代表的なアルバムを、そっくりそのままライブ演奏するという趣向だろう。
 さらに、彼らのお気に入りである、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズの [Long After Dark] もパフォーマンスするというのだからびっくり。これは見物だ。

Jakob Dylan and co. will also pay homage to Tom Petty & The Heartbreakers by playing Long After Dark

 ジェイコブ・ディランは1969年暮れの生まれなので、彼のヒーローである TP&HBが [Long After Dark] を発表したのは1982年11月、彼がもうすぐ13歳になろうとする時期だった。13歳の感性であの [Long After Dark] を訊いたと思うと、ちょっとゾクっとする。
 真っ赤なジャケットには、革ジャンを着てギターを掲げる、ちょっと中性的なトム・ペティ。これだけでジェイコブ少年の心臓は射貫かれたことだろう。
 冒頭の "A One Story Town" という選択も良かった。疾走感があって、ポップなロックンロール。いかにもTP&HBという曲調で絶対に裏切らないという保証がある。



 微妙なのは2曲目。"You Got Lucky" は有名なビデオがあるし、人気のある曲の方だが、実のところファンの間でも意見が割れるのでは無いだろうか。実は私、この曲はそれほど好きではないのだ。やはりシンセサイザーへの拒否感が強いのと、コードが開ききらない感じの曲調で、やや物足りない。ただ歌詞はさすが。それであのビデオが出来たのはどういうわけなのか、よく分からない。
 ただ、"You Got Lucky" の消化不良感を、次の "Deliver Me" で払拭してくれる。ギターの小気味良いサウンドはさすが。

 そしてこのアルバムのなかで私が一番好きな曲、"Change of Heart" ―― 軽快かつ爽快なギターリフ、美しいコーラス、キャッチーなサビ、シンプルで歌を最大に引き立てるギターソロ。絶妙に気持ちを引きつけるブリッジ。何もかも完璧な、"The Waiting" に匹敵する名曲だと思う。
 トムさん自身もこの曲は気に入っていたし、ライブ向きだと考えていたらしいが、なんの呪いが掛かっているのか、なぜかこの曲を演奏するとバンド内の緊張感が高まり、ちょっとしたケンカになるという。面白い曲もあるものだ。



 いかにも80年代という "Finding Out" の速さも軽快に、A面が終わる。私はCDでしか聴いていないが、ジェイコブ少年は次は何が来るのかワクワクしながらB面に返したことだろう。

 B面はA面に比べてややヘヴィ。"We Stand A Chance" はハンドクラッピングにかかるリヴァーヴが大袈裟なところが80年代っぽくて笑える。

 "Straight Into Darkness" は決してスロウな曲ではないが、雰囲気としてはスローバラードのような流れがあって好きだ。それほど有名な曲というわけでもないが、カバーされることが多いのも頷ける。



 "The Same Old You" はオリジナル・マッドクラッチを彷彿とさせる曲だ。トムさんのある意味「無理のある」けど、「すごく愛しくなる」声の聴かせどころだ。
 "Between Two Worlds" はマイクとの共作だけあって、マイクの曲の特徴の一つである、エレキの響きを生かした重さが格好良い曲だ。面白いところでは、最近マイクはダーティ・ノブズでもこの曲を歌っていて、かなりサマになっている。

 最後の "A Wasted Life" は、唯一と言って良い、アコースティック・ギターが大きくフィーチャーされた曲だ。それだけにシンセサイザーはイマイチ。ここはベンモントの生ピアノか、思い切ってストリングスでも良かった。

 改めて聴いてみると、[Long After Dark] はまさにエレキギターの響きの魅力的なアルバムだ。ジェイコブとザ・ウォールフラワーズがどんなギターで演奏するのか、とても見てみたい。
 それを言うなら、TP&HB自身がどんな楽器を使っているのかも気になる。スタジオ録音もさることながら、ライブではどんなギターを使っていたのだろう?また動画あさりの日々となりそうだ。

John's 12-string acoustic guitar, Hootenanny2024/04/28 20:08

 ジョン・レノンが [Help!] などのセッションで用いた12弦アコースティック・ギターが50年ぶりに個人宅の屋根裏部屋から発見され、オークションにかけられることになった。
 「フータナニー」というモデルだそう。「フータナニー」とは、フォーク・ソングをその場のみんなで合唱すること(ピート・シーガーみたいのか…)だそうで、ジョンの「ディラン期」を象徴するギターというわけだ。
 アコースティック・ギターの最高額が期待されているそうだ。うーん、ジョンを象徴するギターかって言われると、さすがにそこまでは行かないと思う。ジョンのアコギだったら、ギブスン・ジャンボとかのほうが印象的ではないだろうか。
 それに、ロックンロール・ヒーローの愛器としては、やはりエレキの方が価値がありそうだし、どうせなら黒いリッケンバッカーがもっともジョンを象徴していると思う上に ―― 私も欲しい。

 ところで、今回のオークション・ハウス、Julian*s が公表した写真、突っ込んでくださいと言わんばかりなのだが…



 ジョンの愛器として売り出すのに、どうしてジョージが弾いてる写真なの?!むしろジョージの楽器じゃないの?!そもそも、50年間譲られた先で忘れられていたというのがどうもしっくりこない。当時、Fab4 の楽器をもらっておいて、しまい込み、しかも忘れるってあり得る?謎だ。

 このギターが使われた曲も何曲か紹介されているが、どれもジョンにしてはちょっとイマイチ。かろうじて、"Norwegan Wood (This Bird Has Flown)" だけが好きな曲だった。もっとも、これも今回の「フータナニー」が実際に、「ジョンが」弾いたのかどうかはよく分からないのだが。

Slide Guitar2024/04/21 19:32

 ウクレレの先生(プロのギタリスト)に、スライドギターについて訊いてみた。
 どの指にスライドバー,ボトルネック(にあたる道具)を装着するか。アコースティック・ギターの時は小指に、エレキの時は薬指だそうだ。アコギは小指以外の四本の指でミュートしたいからだそうだ。

 ジョージはどうかしらと、日本公演時の "Cheer Down”を見てみると、薬指だった。



 では、もっともジョージに近いスライドを奏でる、マイク・キャンベルはどの指に装着しているのだろうか?マイクが自宅でファンからの質問に答える動画を参考にしよう。
―― と、その前に!マイク、部屋を片付けろ!なんだその chaos な部屋は!!性格も音楽性も完璧なマイクだが、数少ない弱点は、片付けが出来ず、部屋もスタジオもめちゃくちゃなことである。



 マイクは小指とのこと。同時に四本が使えるからだそうだが、器用な人は違う。

 なにを指に装着するのかという点で面白かったのが、デュエイン・オールマン。当時アメリカで一般的だった風邪薬,コリシディンのビンをそのまま使っていたという話。
 コリシディンの瓶は、今となってはすっかり「ギターのスライドバー」としてして売られている。みなさん、どうも形から入るようで…
 ちなみに先生によると、日本でのスライドバーの定番は、七味唐辛子の瓶だそうだ。たしかに丁度良い大きさだ。何十年か経って七味のパッケージ素材が変わったら、古い七味の瓶がスライドバーとして売り出されるのだろうか。今のうちに大量に保管しておくか。

Sitting in My Hotel2024/04/13 20:14

 ザ・キンクスはデビューからレコード会社がパイだったころが最高で、RCAに移籍した頃から聞かなくなり、私が持っている最後のアルバムは 1972年の [Everybody's in Show-Biz] だ。アルバム全体としてはそれほど好きでは無いが、曲を単体で捕らえると、良い曲もある。
 その代表が、"Sitting in My Hotel" である。



 ピアノのシンプルな伴奏から静かに始まり、穏やかで淡々とした歌唱。やがてオルガンが加わると、バンド編成になってぐっと力がこもる。さらにトランペットの輝かしい響きが重なり、壮大な曲想へと膨らんでゆく。その割にはせいぜい3分程という、短さがちょっともったいないくらいだ。

 それほど複雑ではない。音楽は単純であっても、情熱と感情の表現でいくらでも芳醇なものになるという好例が "Sitting in My Hotel" とも言える。その後のキンクスがたどるみちのりは、私にはついていけなくなる。ロックは、横方向に繋がりを求める「ロック・オペラ」や演劇的な試みには向いていない。小さな、一つ一つの曲のパワーが縦方向に、心に突き刺さる。それがロックの持つ力だと信じている。

ジャクシン教の予言の書2024/04/01 00:00

 ジャクシン教は、オタマジャクシを崇める民間信仰である。実に無害で穏やかな信仰で、単に池に泳ぐオタマジャクシを愛でるだけで、2000年以上その命脈を保っている。
 玩具楽器であるオタマトーンが発表されたとき、ジャクシン教徒は驚喜したが、明和電機は関係性を完全に否定している。
 ジャクシン教には、2000年以上伝えられてきた予言の書がある。オリジナルは木簡に記され、日本に和紙が普及してからは、奈良時代の写本が現在に残るという。
 最大の謎は、予言が未知の言語で記されてことだ。文字こそ読めないが、ジャクシン教の教祖以来、その内容を代々の主教が暗記して伝えていた。しかし約450年前の主教がミョウガを食べ過ぎて内容を完全に忘れてしまい、その内容は謎とされていた。

 このたび、ジャクシン教の「予言の書解読チーム」はその内容の解読に成功したと発表した。
 それによると、予言は驚くべき事に20世紀後半に起きた出来事を伝えていたという。
 まず、若者を熱狂させる音楽がこの世を揺るがす。その熱狂は数年で終わるが、島国から美しく輝く四人の少年が現れ、再び世界を揺るがせ、沸騰させるのである。同時に海の向こうに偉大な詩人が現れ、少年達とともに世界をさらなる高みへと導く、というのが予言の内容であった。

 ジャクシン教では、これはロックンロールの発生、ビートルズ、ボブ・ディランの登場を予言していると解釈している。
 しかし、500年前にジャクシン教から分派したケロケロ教は、これを完全なねつ造だとしている。ケロケロ教の予言解読学者は、世を揺るがすのは音楽ではなく、味噌汁の具としている。四つの輝かしい具は豆腐とワカメまでは解読されているが、あと二つはいまだに分かっていない。海の向こうから現れるのは、ラーメンどんぶり大の味噌汁椀だとしている。

 ジャクシン教の予言は、果たして20世紀の音楽史を予言しているのか、はたまた夕食の献立なのか。さらなる研究が待たれる。

Lucille2024/03/22 21:48

 リトル・リチャードの映画が見たいのだが、なかなか都合の合う場所の、都合の合う時間に上映されていない。うかうかしていると見逃してしまう。

 リトル・リチャードの数ある名曲の中でも、"Lucille" は完全にトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズのバージョンですり込まれている。彼らのファンになったばかりの頃にフィルモアの音源をブートで聴いていたので、そのあまりの格好良さに、ほかのバージョンは、本家リトル・リチャードですら、かすんで聞こえたのだ。
 公式発売された [Live at Filmoe 1997] にも収録されているが、ここは1999年のライブ映像で見てみよう。



 何が良いって、他の誰よりも、TP&HBのバージョンがスローで、低音がどっしりした演奏であることと、ほぼ全てのヴォーカル・パートを、トムさんとハウイのツイン・ヴォーカルで聴かせてくれること。トムさんのリズムギターが常人で無いほど上手いこと。
 そして最初は手しか映らないベンモントの、ピアノのシュアな演奏がしびれる。簡単そうに見えて、ああいう連打は実はものすごくきついのだ。しかもテンポが抑えられて、重い演奏。手首にきそうだ。

 ほかにも色々なカバーを聴いてみたが、どれもピンとこない。TP&HBのカバーは、エヴァリー・ブラザーズのカバーとも言えるのだが、気の抜けた感は否めない。でも、エヴァリー・ブラザーズのファンであるトムさんのために、ご兄弟にお出ましいただく。聞いた話によると、トムさんの孫娘はトムさんの大好きなエヴァリー・ブラザーズにちなんで、エヴァリーちゃんだそうだ。

Backing Vocal by Mick Jagger2024/03/13 20:37

 ピーター・ウルフのソロ曲で、"Nothing but the Wheel" というものがあり、それが素晴らしく名曲だと思った。そして、バッキング・ヴォーカルにいる人が、ちっともバックになっていなくて、それはそれで良いと思う。



 もちろん、ミック・ジャガーである。ハーモニカも吹いている。この曲、フォーク・ロック色が強くて私の好みに合致するのだ。そしてディラン様のお気に入り曲でもある。作曲は、ジョン・スコット・シェリルというナッシュヴィルのソングライターだそうだ。

 ピーター・ウルフというか、J・ガイルス・バンドというか。決して私と相性が悪いわけではなさそうに思えるが、今のところ特にハマってはいない。JGBのライブを最初に聴いたのだが、何かがズレていた。あの熱過ぎる感じがイマイチなのだろうか。考えてみればビートルズやトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズにはスマートさ、クールさ、そしてちょっとだけ華奢な感じががあって、そこにぐっとくるのだ。

 ちっともバックになっていないミックのバック・ヴォーカルといえば、ロニーの最初のソロ・アルバムでの "I Can Feel the Fire" である。ロニーは典型的なギタリスト声の人で、けっしてヴォーカルがうまいわけではないので、そりゃあミックに圧倒されて当たり前だ。



 「俺と仲間」という邦題で有名な [I've Got My Own Album to Do] というこのアルバムは、録音が1973年から74年頃で、フェイセズ末期の頃。翌年にはロニーはストーンズに加入するので、その辺りで人の行き来があったし、ミック、キース、ロッドが揃って参加している。そんな素敵な70年代の雰囲気を湛えている。
 仲間の何人かはもうこの世を去ったりして寂しいが、生きている人は生きている人で、友情の素晴らしさを精一杯楽しみ、味わって欲しいと思う。

Steve Ferrone of Tom Petty & the Heartbreakers - Full Interview2024/02/23 20:51

 Secret Chord というYouTube チャンネルに、スティーヴ・フェローニの長いインタビューがアップされている。
 中々興味深い内容だ。字幕も出せる。たぶん、Heartbeaker's Japan Party さんがメルマガで日本語訳を出してくれる…と思う。



 スティーヴはイングランド南部海辺の保養地としても有名なブライトンの出身。12歳の時、町にやってきたバンドのドラマーを見て、その手さばきを見よう見まねし始めたのが、ドラマーとしての出発点だったとのこと。
 エリック・クラプトンのバンドで活動していたときの話も興味深かった。エリックには、ロンドンのハーロドック・カフェでフィル・コリンズを介して出会ったとのこと。クラプトンは飲んだくれているか、しらふでいるか、とにかく行ったり来たりだったとか。でもスティーブもかなり飲んだくれていたのでそれなりの時代だったらしい。
 トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズがスタンと上手くいかなくなってドラマーを探しているときに、スタジオに呼ばれたスティーヴ。マイクとジョージのバックバンドで一緒になった以外は、トムのこともよく分からず、心ぼそかったところ、スタジオのガラスの向こうで、録音を聴いたトムさんとマイクが顔を見合わせるのを見て、「なに?!なに?!なんなの?!」とドギマギしてたら、トムさんがひとこと。「心配するな。あんたで決まり。」
 スタンのことはまだ未解決の時期だったが、スティーヴの希望としてはハートブレイカーズの一員になりたかった。結局、その通りになったというわけ。

 最近も時々エリックに会うけど、そのたびに彼は「また一緒にやろうよ」というけど何も起きない。
 ハートブレイカーズのスタンや、ストーンズのチャーリーのように、バンドにとってオリジナルのドラマーがいて、その後に座ることについて。オリジナルドラマーをコピーすることは出来ない。彼らの演奏は彼らの演奏。そして後釜の演奏は後釜自身の演奏。それは知った上で割り切るしかないとのこと。示唆に富んでいる。

 終始笑顔でにこやかなスティーヴ。また日本にも来て欲しい。

(Get Your Kicks On) Route 662024/02/16 20:15

 元同僚の友人が、仕事でオクラホマに行っている。
 オクラホマ!その響きだけで気分が上がる。出張先の最寄り都市はタルサで、そこから通うのだそうだ。カウボーイ・ブーツ買わなきゃ!

 オクラホマ州。アメリカ中南部、州都はオクラホマ・シティ。ナット・キング・コールによるジャズの名曲 "(Get Your Kicks On) Route 66" には、"And Oklahoma city is might pretty" と登場する。



 もちろん、私がこの曲を知っているのは、オリジナルのジャズではなく、ロックンロール・バージョンである。
 最初にこの曲をロックンロールにした最大の功労者は、チャック・ベリーである。まさにロックンロールの父、神。



 さらに、ザ・ローリング・ストーンズや、ゼムがカバーして大爆発させた。どちらも素晴らしいが、ここはゼムのバージョンを聴いてみたい。



 まぁ、そうはいってもやはり最高なのはトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズである。私が最初に聴いたのは [Pack up the plantation: Live!] の演奏だと思う。
 そしてここに貼り付けるのは、デビューして間もないころの、ロックプラストでの演奏。注目するべきは、トムさんとマイクが揃ってフライング V を弾いているところだ。リッケンバッカー二本もやらかし感があるが、ダブル・フライング V はもっとやらかしている。たぶんバンドのロゴの関係で、デビュー当初はフライング V を前面に押し出す必要があったのだろう。
 そもそも、この二本のフライング V、トムさんとマイクの所有物なのだろうか。この二人のギターは時として所有者がよくわからない。共有というか、互いのギターは互いの物という感じ。一本はともかく、もう一本は現地での借り物かも知れない。