The Hu ― 2024/05/03 19:19
以前から気になってはいたが、かといってファンだというわけではないので記事にしていなかったのが、モンゴルのロック・バンド、ザ・フー。The Hu, Хү хамтлаг と表記するらしい。
音楽的にはヘヴィ・メタルと言って良いと思うが、特徴的なのがモンゴルの伝統的な楽器のモリンホール(日本人にとっては馬頭琴のほうが分かりやすい)や、鼻を使った歌唱の一つであるホーミーを多用していることだ。
まずは一曲。
歴史的なイメージをゲーム的(もしくは中二病的?)に増幅した雰囲気。草原のチェロこと、モリンホールも原型をとどめていないが、これはこれなりにアリだと思う。
何せヘヴィ・メタルっぽいので重苦しい曲が多いのだが、こちらは思いっきりポップスに振り切った曲調。80年代風だろうか。
一応、「アコースティック」なパフォーマンスもあって、こちらの方が草原のチェロの良さが良く出ている。それにしても着ているTシャツがかなり偏っている。趣味がはっきりしていて、むしろ好感が持てる。
このバンドのどこに惹かれるのかといえば、たぶん民族音楽の旨いところ取りの妙と、器楽好きの琴線に触れるからだろう。
音楽的にはヘヴィ・メタルと言って良いと思うが、特徴的なのがモンゴルの伝統的な楽器のモリンホール(日本人にとっては馬頭琴のほうが分かりやすい)や、鼻を使った歌唱の一つであるホーミーを多用していることだ。
まずは一曲。
歴史的なイメージをゲーム的(もしくは中二病的?)に増幅した雰囲気。草原のチェロこと、モリンホールも原型をとどめていないが、これはこれなりにアリだと思う。
何せヘヴィ・メタルっぽいので重苦しい曲が多いのだが、こちらは思いっきりポップスに振り切った曲調。80年代風だろうか。
一応、「アコースティック」なパフォーマンスもあって、こちらの方が草原のチェロの良さが良く出ている。それにしても着ているTシャツがかなり偏っている。趣味がはっきりしていて、むしろ好感が持てる。
このバンドのどこに惹かれるのかといえば、たぶん民族音楽の旨いところ取りの妙と、器楽好きの琴線に触れるからだろう。
At Last ... Lando Norris Won ! ― 2024/05/08 20:38
F1 第6戦、マイアミGP でランド・ノリスが優勝した。まさに誰からも祝福される、素敵な優勝だった。
ノリスはデビューした時からその才能を認められ、近年ではいつ優勝してもおかしくないと思われつつ、どうしても優勝だけは手が届かないでいた。時間の問題だったとは言え、やはりほっとせずにはいられなかった。
レース終了早々、たくさんの祝福を受けるシーンには感動した。
そもそも、ノリスくんは好きになる要素だらけなのだ。まず明るいキャラクターで、みんなに好かれる。おとぼけ発言をする。
実は子供の頃にセバスチャンと記念撮影をしている。その縁なのか、スパで大クラッシュした時は、セブがコース上でノリスの様子を確認。セブの優しさが世界に発信される。
スパと言えば、大雨でほとんど走らない決勝後に、優勝した(ことになった)フェルスタッペンのインタビューに乱入して、「すんばらしい走りだった!」
フェルスタッペンと言えば、去年のハンガリーでは、優勝トロフィーをノリスくんに破壊される。
優勝が手に届きそうになったそのとき、大雨にたたられ、意地で走り続けチャンスを逃す。寿司が嫌い。ミルクが好き。今時の UK ロックバンド好き
今回のスプリントではあっという間にリタイアに追い込まれ、コースを無断横断して罰金を取られる…右京さんか!
ここ2年、チャンピオン争いがつまらなかっただけに、今年はノリス、フェラーリの二人あたりがシーズンを面白い物にしてくれると良いと思う。
角田君も連戦良い仕事をして強い印象を残している。今やドライバーランキング10位だ。成長してきている角田君にも、何か素晴らしい結果がついてくると良いと思う。
一応、マグヌッセンの dirty な走りについて。
ハースにはハースなりの戦い方があって、変化球を投げることだって、致し方がないだろう。チームメイトにポイントを稼がせるために、後ろをブロックするのはトップ・チームだって頻繁にやることだ。
ただ、今回のマグヌッセンは「やり過ぎ」であり、それは許されないレベルだった。特にスプリントでルイスをコース外から押さえ込んだのは、トップ・カテゴリーらしからぬお粗末な走りだった。
以前から散々 dirty だと言われつつ、なんだかんだと今日まで走っているマグヌッセンだ。レースを面白くしてくれる人でもあるので、ここは素直に修正してくれれば良いと思う。それはチームで取り組むべき事だろう。
ノリスはデビューした時からその才能を認められ、近年ではいつ優勝してもおかしくないと思われつつ、どうしても優勝だけは手が届かないでいた。時間の問題だったとは言え、やはりほっとせずにはいられなかった。
レース終了早々、たくさんの祝福を受けるシーンには感動した。
そもそも、ノリスくんは好きになる要素だらけなのだ。まず明るいキャラクターで、みんなに好かれる。おとぼけ発言をする。
実は子供の頃にセバスチャンと記念撮影をしている。その縁なのか、スパで大クラッシュした時は、セブがコース上でノリスの様子を確認。セブの優しさが世界に発信される。
スパと言えば、大雨でほとんど走らない決勝後に、優勝した(ことになった)フェルスタッペンのインタビューに乱入して、「すんばらしい走りだった!」
フェルスタッペンと言えば、去年のハンガリーでは、優勝トロフィーをノリスくんに破壊される。
優勝が手に届きそうになったそのとき、大雨にたたられ、意地で走り続けチャンスを逃す。寿司が嫌い。ミルクが好き。今時の UK ロックバンド好き
今回のスプリントではあっという間にリタイアに追い込まれ、コースを無断横断して罰金を取られる…右京さんか!
ここ2年、チャンピオン争いがつまらなかっただけに、今年はノリス、フェラーリの二人あたりがシーズンを面白い物にしてくれると良いと思う。
角田君も連戦良い仕事をして強い印象を残している。今やドライバーランキング10位だ。成長してきている角田君にも、何か素晴らしい結果がついてくると良いと思う。
一応、マグヌッセンの dirty な走りについて。
ハースにはハースなりの戦い方があって、変化球を投げることだって、致し方がないだろう。チームメイトにポイントを稼がせるために、後ろをブロックするのはトップ・チームだって頻繁にやることだ。
ただ、今回のマグヌッセンは「やり過ぎ」であり、それは許されないレベルだった。特にスプリントでルイスをコース外から押さえ込んだのは、トップ・カテゴリーらしからぬお粗末な走りだった。
以前から散々 dirty だと言われつつ、なんだかんだと今日まで走っているマグヌッセンだ。レースを面白くしてくれる人でもあるので、ここは素直に修正してくれれば良いと思う。それはチームで取り組むべき事だろう。
Dare To Dream ― 2024/05/12 19:50
マイク・キャンベル&ザ・ダーティ・ノブズが三枚目のアルバム [Vagabonds, Virgins & Misfits] を発売すると発表した。
最近TP&HB 関連のニュースが無くて寂しかったので、嬉しいサプライズ!制作意欲旺盛なマイクである。
新譜の発表に先駆けて、"Dare To Dream" のミュージック・ビデオが発表された。
ブルージーな A メロに対して、メジャーに開けるサビが格好良い。やはりマイクの作曲能力には感服する。マイクによると、たくさんトムさんに渡しておいたが、多すぎてトムさんもさばき切れなかったそうだ。
ビデオはオクラホマ州、タルサのチャーチ・スタジオを再訪するという趣向、なかなかに感動的だ。
お話は70年代、LAを目指したオリジナル・マッドクラッチが、デニー・コーデルの誘いでタルサで寄り、結局コーデルのレーベルと契約したと言うところから始まる。
さらに、LAでの録音がイマイチはかどらないマッドクラッチを、タルサのチャーチ・スタジオに缶詰にして鍛えたという経緯もある。
このミュージック・ビデオにも当時のマッドクラッチの様子が挿入されている。クレジットにも提供者のジム・レナハンの名前がある。
およそ50年前、これから夢をつかもうとする若者たち。そして夢を叶え、その先に待ち構えていた別離を乗り越え、マイクがさらに前へ進んでいくロックの長い道。
世代、流行、時代を超えてロックが持つようになった普遍性を、マイクは体現してくれている。
最近TP&HB 関連のニュースが無くて寂しかったので、嬉しいサプライズ!制作意欲旺盛なマイクである。
新譜の発表に先駆けて、"Dare To Dream" のミュージック・ビデオが発表された。
ブルージーな A メロに対して、メジャーに開けるサビが格好良い。やはりマイクの作曲能力には感服する。マイクによると、たくさんトムさんに渡しておいたが、多すぎてトムさんもさばき切れなかったそうだ。
ビデオはオクラホマ州、タルサのチャーチ・スタジオを再訪するという趣向、なかなかに感動的だ。
お話は70年代、LAを目指したオリジナル・マッドクラッチが、デニー・コーデルの誘いでタルサで寄り、結局コーデルのレーベルと契約したと言うところから始まる。
さらに、LAでの録音がイマイチはかどらないマッドクラッチを、タルサのチャーチ・スタジオに缶詰にして鍛えたという経緯もある。
このミュージック・ビデオにも当時のマッドクラッチの様子が挿入されている。クレジットにも提供者のジム・レナハンの名前がある。
およそ50年前、これから夢をつかもうとする若者たち。そして夢を叶え、その先に待ち構えていた別離を乗り越え、マイクがさらに前へ進んでいくロックの長い道。
世代、流行、時代を超えてロックが持つようになった普遍性を、マイクは体現してくれている。
Long After Dark ― 2024/05/16 21:44
ザ・ウォールフラワーズが、10月2日に彼らの大ヒットアルバム [Bringing Down the Horse] を LA でパフォーマンスするという。10年ほど前から流行っている、代表的なアルバムを、そっくりそのままライブ演奏するという趣向だろう。
さらに、彼らのお気に入りである、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズの [Long After Dark] もパフォーマンスするというのだからびっくり。これは見物だ。
Jakob Dylan and co. will also pay homage to Tom Petty & The Heartbreakers by playing Long After Dark
ジェイコブ・ディランは1969年暮れの生まれなので、彼のヒーローである TP&HBが [Long After Dark] を発表したのは1982年11月、彼がもうすぐ13歳になろうとする時期だった。13歳の感性であの [Long After Dark] を訊いたと思うと、ちょっとゾクっとする。
真っ赤なジャケットには、革ジャンを着てギターを掲げる、ちょっと中性的なトム・ペティ。これだけでジェイコブ少年の心臓は射貫かれたことだろう。
冒頭の "A One Story Town" という選択も良かった。疾走感があって、ポップなロックンロール。いかにもTP&HBという曲調で絶対に裏切らないという保証がある。
微妙なのは2曲目。"You Got Lucky" は有名なビデオがあるし、人気のある曲の方だが、実のところファンの間でも意見が割れるのでは無いだろうか。実は私、この曲はそれほど好きではないのだ。やはりシンセサイザーへの拒否感が強いのと、コードが開ききらない感じの曲調で、やや物足りない。ただ歌詞はさすが。それであのビデオが出来たのはどういうわけなのか、よく分からない。
ただ、"You Got Lucky" の消化不良感を、次の "Deliver Me" で払拭してくれる。ギターの小気味良いサウンドはさすが。
そしてこのアルバムのなかで私が一番好きな曲、"Change of Heart" ―― 軽快かつ爽快なギターリフ、美しいコーラス、キャッチーなサビ、シンプルで歌を最大に引き立てるギターソロ。絶妙に気持ちを引きつけるブリッジ。何もかも完璧な、"The Waiting" に匹敵する名曲だと思う。
トムさん自身もこの曲は気に入っていたし、ライブ向きだと考えていたらしいが、なんの呪いが掛かっているのか、なぜかこの曲を演奏するとバンド内の緊張感が高まり、ちょっとしたケンカになるという。面白い曲もあるものだ。
いかにも80年代という "Finding Out" の速さも軽快に、A面が終わる。私はCDでしか聴いていないが、ジェイコブ少年は次は何が来るのかワクワクしながらB面に返したことだろう。
B面はA面に比べてややヘヴィ。"We Stand A Chance" はハンドクラッピングにかかるリヴァーヴが大袈裟なところが80年代っぽくて笑える。
"Straight Into Darkness" は決してスロウな曲ではないが、雰囲気としてはスローバラードのような流れがあって好きだ。それほど有名な曲というわけでもないが、カバーされることが多いのも頷ける。
"The Same Old You" はオリジナル・マッドクラッチを彷彿とさせる曲だ。トムさんのある意味「無理のある」けど、「すごく愛しくなる」声の聴かせどころだ。
"Between Two Worlds" はマイクとの共作だけあって、マイクの曲の特徴の一つである、エレキの響きを生かした重さが格好良い曲だ。面白いところでは、最近マイクはダーティ・ノブズでもこの曲を歌っていて、かなりサマになっている。
最後の "A Wasted Life" は、唯一と言って良い、アコースティック・ギターが大きくフィーチャーされた曲だ。それだけにシンセサイザーはイマイチ。ここはベンモントの生ピアノか、思い切ってストリングスでも良かった。
改めて聴いてみると、[Long After Dark] はまさにエレキギターの響きの魅力的なアルバムだ。ジェイコブとザ・ウォールフラワーズがどんなギターで演奏するのか、とても見てみたい。
それを言うなら、TP&HB自身がどんな楽器を使っているのかも気になる。スタジオ録音もさることながら、ライブではどんなギターを使っていたのだろう?また動画あさりの日々となりそうだ。
さらに、彼らのお気に入りである、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズの [Long After Dark] もパフォーマンスするというのだからびっくり。これは見物だ。
Jakob Dylan and co. will also pay homage to Tom Petty & The Heartbreakers by playing Long After Dark
ジェイコブ・ディランは1969年暮れの生まれなので、彼のヒーローである TP&HBが [Long After Dark] を発表したのは1982年11月、彼がもうすぐ13歳になろうとする時期だった。13歳の感性であの [Long After Dark] を訊いたと思うと、ちょっとゾクっとする。
真っ赤なジャケットには、革ジャンを着てギターを掲げる、ちょっと中性的なトム・ペティ。これだけでジェイコブ少年の心臓は射貫かれたことだろう。
冒頭の "A One Story Town" という選択も良かった。疾走感があって、ポップなロックンロール。いかにもTP&HBという曲調で絶対に裏切らないという保証がある。
微妙なのは2曲目。"You Got Lucky" は有名なビデオがあるし、人気のある曲の方だが、実のところファンの間でも意見が割れるのでは無いだろうか。実は私、この曲はそれほど好きではないのだ。やはりシンセサイザーへの拒否感が強いのと、コードが開ききらない感じの曲調で、やや物足りない。ただ歌詞はさすが。それであのビデオが出来たのはどういうわけなのか、よく分からない。
ただ、"You Got Lucky" の消化不良感を、次の "Deliver Me" で払拭してくれる。ギターの小気味良いサウンドはさすが。
そしてこのアルバムのなかで私が一番好きな曲、"Change of Heart" ―― 軽快かつ爽快なギターリフ、美しいコーラス、キャッチーなサビ、シンプルで歌を最大に引き立てるギターソロ。絶妙に気持ちを引きつけるブリッジ。何もかも完璧な、"The Waiting" に匹敵する名曲だと思う。
トムさん自身もこの曲は気に入っていたし、ライブ向きだと考えていたらしいが、なんの呪いが掛かっているのか、なぜかこの曲を演奏するとバンド内の緊張感が高まり、ちょっとしたケンカになるという。面白い曲もあるものだ。
いかにも80年代という "Finding Out" の速さも軽快に、A面が終わる。私はCDでしか聴いていないが、ジェイコブ少年は次は何が来るのかワクワクしながらB面に返したことだろう。
B面はA面に比べてややヘヴィ。"We Stand A Chance" はハンドクラッピングにかかるリヴァーヴが大袈裟なところが80年代っぽくて笑える。
"Straight Into Darkness" は決してスロウな曲ではないが、雰囲気としてはスローバラードのような流れがあって好きだ。それほど有名な曲というわけでもないが、カバーされることが多いのも頷ける。
"The Same Old You" はオリジナル・マッドクラッチを彷彿とさせる曲だ。トムさんのある意味「無理のある」けど、「すごく愛しくなる」声の聴かせどころだ。
"Between Two Worlds" はマイクとの共作だけあって、マイクの曲の特徴の一つである、エレキの響きを生かした重さが格好良い曲だ。面白いところでは、最近マイクはダーティ・ノブズでもこの曲を歌っていて、かなりサマになっている。
最後の "A Wasted Life" は、唯一と言って良い、アコースティック・ギターが大きくフィーチャーされた曲だ。それだけにシンセサイザーはイマイチ。ここはベンモントの生ピアノか、思い切ってストリングスでも良かった。
改めて聴いてみると、[Long After Dark] はまさにエレキギターの響きの魅力的なアルバムだ。ジェイコブとザ・ウォールフラワーズがどんなギターで演奏するのか、とても見てみたい。
それを言うなら、TP&HB自身がどんな楽器を使っているのかも気になる。スタジオ録音もさることながら、ライブではどんなギターを使っていたのだろう?また動画あさりの日々となりそうだ。
Live Performance from [Long After Dark] ― 2024/05/21 20:20
引き続き、ザ・ウォールフラワーズによるトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズの [Long After Dark] ライブが楽しみである。
そもそも、本家TP&HBは [Long After Dark] の発表当時はともかく、その後あまりライブ・ラインナップにその収録曲を選んでいなかった。せいぜい "You Got Lucky" くらいか。
そんな中、数の少ないライブ・パフォーマンス動画の中で見つけた、超格好良いプレイ。"Finding Out"
この騒々しさが最高。スタンのドラムが素晴らしいし、フィル・ジョーンズがパーカッションで加わっているので、とても贅沢。
トムさんとマイクが揃ってテレキャス系のギターを鳴らしまくり、そのくせソロが恐ろしく短い。この曲はマイクとトムさんの共作だが、マイクの曲に限ってソロが短かったりするのだから、不思議な人である。よっぽどトムさんのヴォーカルが好きなんだろうなぁ。
ヴォーカルと言えば、ハウイのコーラスも最高。やはりスタンと、ハウイが揃っているこの時期のコーラスワークは、他の時期よりも図抜けて充実している。
[Long After Dark] からの曲のライブ・パフォーマンスということで、もう一曲 "A Wasted Life" ―― 動画のコメントによると、この曲唯一のライブだという。本当だろうか。
この曲はライブ演奏するには難しすぎるだろう。ベースを重く出来ないのに、スローで言葉数の少ない歌詞。メロディの動きも少なく、ギターリフもゆっくりなので、まとめ上げるのに苦労するに違いない。
そしてやはり、ハウイのコーラス ―― いや、トムさんとのツイン・ヴォーカルが絶品だ。ハウイが居たからこそ出来た演奏。美しい芸術は壊れやすく、儚い物だけど、けっして忘れられないものだと思い知る。
そもそも、本家TP&HBは [Long After Dark] の発表当時はともかく、その後あまりライブ・ラインナップにその収録曲を選んでいなかった。せいぜい "You Got Lucky" くらいか。
そんな中、数の少ないライブ・パフォーマンス動画の中で見つけた、超格好良いプレイ。"Finding Out"
この騒々しさが最高。スタンのドラムが素晴らしいし、フィル・ジョーンズがパーカッションで加わっているので、とても贅沢。
トムさんとマイクが揃ってテレキャス系のギターを鳴らしまくり、そのくせソロが恐ろしく短い。この曲はマイクとトムさんの共作だが、マイクの曲に限ってソロが短かったりするのだから、不思議な人である。よっぽどトムさんのヴォーカルが好きなんだろうなぁ。
ヴォーカルと言えば、ハウイのコーラスも最高。やはりスタンと、ハウイが揃っているこの時期のコーラスワークは、他の時期よりも図抜けて充実している。
[Long After Dark] からの曲のライブ・パフォーマンスということで、もう一曲 "A Wasted Life" ―― 動画のコメントによると、この曲唯一のライブだという。本当だろうか。
この曲はライブ演奏するには難しすぎるだろう。ベースを重く出来ないのに、スローで言葉数の少ない歌詞。メロディの動きも少なく、ギターリフもゆっくりなので、まとめ上げるのに苦労するに違いない。
そしてやはり、ハウイのコーラス ―― いや、トムさんとのツイン・ヴォーカルが絶品だ。ハウイが居たからこそ出来た演奏。美しい芸術は壊れやすく、儚い物だけど、けっして忘れられないものだと思い知る。
You Are So Amazing ― 2024/05/26 21:41
珍しく日本のドラマを見ている。しかも朝ドラだ。
主演の伊藤沙莉が好きなのと、法曹界を描くので、裁判物として楽しめるだろうと期待している。
先週の金曜日、珍しく歌詞つきの曲が BGM として挿入された。それが素晴らしく良かった。シーンとしては、太平洋戦争末期、徴兵された夫が、妻と幼い娘に別れを告げるという、いわば「ベタな」ものだが、それでも穏やかで美しい曲調に感動してしまった。
その曲を確認してみると、ドラマの音楽担当である森優太が作り、スチュアート・マードックが歌った、"You are so amazing" という。早速 iTunes で購入した。
この曲は、ドラマのサウンドトラックの中でメインテーマに位置しているらしい。
ドラマのテーマは、女性差別と戦い、乗り越え、力強く未来を掴む強い女性達の活躍だ。しかし、その一方で彼女たちも得るもの、失う物、傷つくこと、悲しむこともある。強い人間にはそんな弱さなんてないと思われがちだが、強くあろうとする人こそ、その弱さが哀しい。その哀しさを "You are so amazing" という美しい曲で表現していると思う。
スチュアート・マードックのことは知らなかったのだが、スコットランドのベル&セバスチャンズというバンドヴォーカルとのこと。
ちょっと聴いてみると、なかなかに素敵なバンドではないか。アルバムも買うかもしれない。マードックの優しい歌い口がこの曲にぴったりだった。
主演の伊藤沙莉が好きなのと、法曹界を描くので、裁判物として楽しめるだろうと期待している。
先週の金曜日、珍しく歌詞つきの曲が BGM として挿入された。それが素晴らしく良かった。シーンとしては、太平洋戦争末期、徴兵された夫が、妻と幼い娘に別れを告げるという、いわば「ベタな」ものだが、それでも穏やかで美しい曲調に感動してしまった。
その曲を確認してみると、ドラマの音楽担当である森優太が作り、スチュアート・マードックが歌った、"You are so amazing" という。早速 iTunes で購入した。
この曲は、ドラマのサウンドトラックの中でメインテーマに位置しているらしい。
ドラマのテーマは、女性差別と戦い、乗り越え、力強く未来を掴む強い女性達の活躍だ。しかし、その一方で彼女たちも得るもの、失う物、傷つくこと、悲しむこともある。強い人間にはそんな弱さなんてないと思われがちだが、強くあろうとする人こそ、その弱さが哀しい。その哀しさを "You are so amazing" という美しい曲で表現していると思う。
スチュアート・マードックのことは知らなかったのだが、スコットランドのベル&セバスチャンズというバンドヴォーカルとのこと。
ちょっと聴いてみると、なかなかに素敵なバンドではないか。アルバムも買うかもしれない。マードックの優しい歌い口がこの曲にぴったりだった。
I Believe in You ― 2024/05/30 20:41
引き続き朝ドラにはまっている。私としては本当に希なことで、よほど良く出来ているのか、私が弱っているのか、その両方か。
今日も例の "You are so amazing" が使われて、大泣きしてしまった。
"You are so Amazing" が最初に使われたとき、私は既存の何かの曲だと思った。どこかで聴いたような曲に思えたからだ。
音楽を聴いて「良い」と感じるときは、大抵じぶんが慣れ親しんだ、好きな音楽に類似しているということは、音大時代に音楽心理学講義で習った。親しみが好印象と結びつく一方、耳慣れないものの連続は冗長と感じられるからだ。音大の作曲科の学生がピアノの弦を棒で叩く的な「オリジナリティ豊かな曲」を作ると、聴いていられないシロモノであるのはそういうわけだ。
"You are so amazing" を鼻歌で歌って、私の記憶の中のメロディは何だろうかと思ったら、存外簡単にボブ・ディランであることが分かった。
1979年のアルバム [Slow Train Comming] の収録曲 "I Believe in You" がそれだ。もちろん、"You are so Amazing" の方が繊細で複雑な曲の作りをしているが、メロディラインの所々が、ディランに似ているようだ。
[Slow Train Comming] はディランの「キリスト教時代」の作品で、"I Believe in You" の "You" がキリストのことなのか、愛する人なのか(キリスト教徒にとってはイエスこそが愛する人なのだろうが)。私は平均的な日本人の宗教観なので、この曲の "you" は身近な誰かだと解釈している。
ディラン様、Aメロは優しく、ブリッジは絶叫系。格好良い。ジョージを彷彿とさせるスライド・ギターを弾いているのはマーク・ノップラーだろうか。
ライブでのパフォーマンスとなると、"You are so Amazing" のかけらもないようなド迫力なので共通点が薄れる。
とはいえ、私はあるメロディを聴くと、けっこうすぐに「アレに似ている」と言い当てる名人らしいので(ティン・ホイッスルの先生曰く)、この二曲は同類項として整理しておくことにする。
今日も例の "You are so amazing" が使われて、大泣きしてしまった。
"You are so Amazing" が最初に使われたとき、私は既存の何かの曲だと思った。どこかで聴いたような曲に思えたからだ。
音楽を聴いて「良い」と感じるときは、大抵じぶんが慣れ親しんだ、好きな音楽に類似しているということは、音大時代に音楽心理学講義で習った。親しみが好印象と結びつく一方、耳慣れないものの連続は冗長と感じられるからだ。音大の作曲科の学生がピアノの弦を棒で叩く的な「オリジナリティ豊かな曲」を作ると、聴いていられないシロモノであるのはそういうわけだ。
"You are so amazing" を鼻歌で歌って、私の記憶の中のメロディは何だろうかと思ったら、存外簡単にボブ・ディランであることが分かった。
1979年のアルバム [Slow Train Comming] の収録曲 "I Believe in You" がそれだ。もちろん、"You are so Amazing" の方が繊細で複雑な曲の作りをしているが、メロディラインの所々が、ディランに似ているようだ。
[Slow Train Comming] はディランの「キリスト教時代」の作品で、"I Believe in You" の "You" がキリストのことなのか、愛する人なのか(キリスト教徒にとってはイエスこそが愛する人なのだろうが)。私は平均的な日本人の宗教観なので、この曲の "you" は身近な誰かだと解釈している。
ディラン様、Aメロは優しく、ブリッジは絶叫系。格好良い。ジョージを彷彿とさせるスライド・ギターを弾いているのはマーク・ノップラーだろうか。
ライブでのパフォーマンスとなると、"You are so Amazing" のかけらもないようなド迫力なので共通点が薄れる。
とはいえ、私はあるメロディを聴くと、けっこうすぐに「アレに似ている」と言い当てる名人らしいので(ティン・ホイッスルの先生曰く)、この二曲は同類項として整理しておくことにする。
最近のコメント