Alfred Brendel ― 2025/06/20 19:49
アルフレッド・ブレンデルが亡くなった。現在のチェコ出身、現在のクロアチア育ちのオーストリア人で、ロンドンで亡くなったそうだ。
ブレンデルといえば、最初にピアノのベートーヴェン全曲を録音したことでも有名で、とにかく正確無比なドイツものの名手であった。特にベートーヴェン、シューベルト、ブラームスなどに関しては、彼の安心感はほかに類を見ない。その正確すぎる演奏と厳格さゆえに、退屈だとまで言われる始末。若い頃、師につけられたニックネームが「人間メトロノーム」というのだから、その完璧さがよく分かる。
今日はずっと彼の演奏を聞きながら仕事をしていたのだが、ベートーヴェンのヴァリエーション(変奏曲)が印象的だった。私がハイドン、モーツァルトに続いてベートーヴェンのソナタを始めようとしたとき、先生は一度私にヴァリエーションを弾かせたのだ。私自身はヴァリエーションというものにあまり魅力を感じていなかったが、ブレンデルの演奏はその正確さゆえに「変化」が際立ち、とても魅力的だった。
ブレンデルその演奏の厳格さとはまた別の顔として、詩人であったり、文筆家であったり、独特のユーモアセンスの持ち主だった。
ある時、ベートーヴェンを演奏中に楽譜が床に落ちてしまうと、彼は演奏を中断して「いまのはベートーヴェンではなく、私のアクシデントです」と言ったという伝説がある。とっさにこういう事を言える人になってみたい。
ブレンデルといえば、最初にピアノのベートーヴェン全曲を録音したことでも有名で、とにかく正確無比なドイツものの名手であった。特にベートーヴェン、シューベルト、ブラームスなどに関しては、彼の安心感はほかに類を見ない。その正確すぎる演奏と厳格さゆえに、退屈だとまで言われる始末。若い頃、師につけられたニックネームが「人間メトロノーム」というのだから、その完璧さがよく分かる。
今日はずっと彼の演奏を聞きながら仕事をしていたのだが、ベートーヴェンのヴァリエーション(変奏曲)が印象的だった。私がハイドン、モーツァルトに続いてベートーヴェンのソナタを始めようとしたとき、先生は一度私にヴァリエーションを弾かせたのだ。私自身はヴァリエーションというものにあまり魅力を感じていなかったが、ブレンデルの演奏はその正確さゆえに「変化」が際立ち、とても魅力的だった。
ブレンデルその演奏の厳格さとはまた別の顔として、詩人であったり、文筆家であったり、独特のユーモアセンスの持ち主だった。
ある時、ベートーヴェンを演奏中に楽譜が床に落ちてしまうと、彼は演奏を中断して「いまのはベートーヴェンではなく、私のアクシデントです」と言ったという伝説がある。とっさにこういう事を言える人になってみたい。
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