Vagabonds, Virgins & Misfits ― 2024/06/26 20:48
案の定、品切れになっていたマイク・キャンベル&ザ・ダーティ・ノブズの新譜 [Vagabonds, Virgins & Misfits] の CD を待ちきれず、MP3で買ってしまった。もちろんCDも買うので二重に購入しているのだが、構うものか。
期待を遙かに上回る名盤であることは、オープニング曲から分かる。
"The Greatest" の壮大でワクワクするようなビートルズ・サウンドに、のっけから大泣きしてしまった。なんてことだ、こんな素晴らしい曲を後に残して、トムさんは天国へ行ってしまったのか。
先日も記事にしたが、やはり "Angel of Mercy" はキラー・チューンだ。サビのポップなノリはちょっと気恥ずかしくなるほどだが、聴く人それぞれの青春を映し出しているようで、笑顔にしかならない。
さらに、ヘヴィなサウンドと、うねるようなスライドギターから、開く感じのサビの気持ちよい "Dare To Dream" ―― この冒頭三曲の素晴らしさはなかなか類を見ない。
その後テンポは様々だがヘヴィな曲が続く、そしてキラキラしたサウンドが魅力的な "Innocent Man" 、マンドリンの響きが素敵だ。
最後に、いろいろな比喩を含んでいるであろう、別れのカントリー・ロック・ナンバー "My Old Friends" これは間違いなく、ベンモント・テンチが参加しているだろう。
こんな素晴らしいアルバムを出されると、ライブも見たくなってしまう。でもアメリカ以外では無いだろうし、会場も広くないだろう。私が気軽に(?)行けるような、良い感じのマンハッタンでライブしてくれないだろうか。
期待を遙かに上回る名盤であることは、オープニング曲から分かる。
"The Greatest" の壮大でワクワクするようなビートルズ・サウンドに、のっけから大泣きしてしまった。なんてことだ、こんな素晴らしい曲を後に残して、トムさんは天国へ行ってしまったのか。
先日も記事にしたが、やはり "Angel of Mercy" はキラー・チューンだ。サビのポップなノリはちょっと気恥ずかしくなるほどだが、聴く人それぞれの青春を映し出しているようで、笑顔にしかならない。
さらに、ヘヴィなサウンドと、うねるようなスライドギターから、開く感じのサビの気持ちよい "Dare To Dream" ―― この冒頭三曲の素晴らしさはなかなか類を見ない。
その後テンポは様々だがヘヴィな曲が続く、そしてキラキラしたサウンドが魅力的な "Innocent Man" 、マンドリンの響きが素敵だ。
最後に、いろいろな比喩を含んでいるであろう、別れのカントリー・ロック・ナンバー "My Old Friends" これは間違いなく、ベンモント・テンチが参加しているだろう。
こんな素晴らしいアルバムを出されると、ライブも見たくなってしまう。でもアメリカ以外では無いだろうし、会場も広くないだろう。私が気軽に(?)行けるような、良い感じのマンハッタンでライブしてくれないだろうか。
Angel Of Mercy ― 2024/06/11 20:25
マイク・キャンベル&ザ・ダーティ・ノブズの新譜 [Vagabonds, Virgins & Misfits] の発売が迫り、収録曲から "Angel or Mercy" のビデオが発表された。
これがとてつもなく良い!ロックンロール最高!
軽快で疾走感たっぷり、さわやかで若々しい、まるでハートブレイカーズの青春時代そのもののような雰囲気で泣きそうになる。
良いところを挙げれば切りが無いが、まずギターサウンドの良さが堪能できる。何か特別な奏法とか、超絶技巧などではないが、リズムギターの迷いのないドライブ感が美しいという次元にまで高められている。スライドも交えたソロは、決して派手ではなく、歌のために最大限かつ最小限のサウンドで心を満たしてくれる。いっそ、使用した全てのギターを一つ一つ報告して欲しいくらいだ。
マイクのヴォーカルも堂に入った物で、ブレイクに入る前の "Oh" のバックコーラスなど、トム・ペティの声をサンプリングしたのではないかと思うほどそっくり。
リズムセクションもキリっとしていて、しかもポップで明るい。サビの歌詞 "Angrel of mercy" の後に入るドラムとタンバリンの合いの手なんて、ポップ過ぎて一緒に飛び跳ねるしかない。
びっくりするのが、こんな名曲を、トムさんがさばききれずに放置していたと言うことだ。トムさん自身がまた有用なソングライターなため、まぁ、マイクのこの曲は誰かに提供してもいいか…というノリか、トムさん自身がそのうち自分で歌うつもりだったのか。
トムさんを失ったマイクは今、自分自身でやるしかない。そう、やるとなったらやるしかないのだ。人生は悲しみと喪失の連続。それでも生きている人は生きるしかない。そんな誰もが心にかかえる痛みに対する、素晴らしい応援歌 ―― それが "Angel of Mercy" なのだろう。
これがとてつもなく良い!ロックンロール最高!
軽快で疾走感たっぷり、さわやかで若々しい、まるでハートブレイカーズの青春時代そのもののような雰囲気で泣きそうになる。
良いところを挙げれば切りが無いが、まずギターサウンドの良さが堪能できる。何か特別な奏法とか、超絶技巧などではないが、リズムギターの迷いのないドライブ感が美しいという次元にまで高められている。スライドも交えたソロは、決して派手ではなく、歌のために最大限かつ最小限のサウンドで心を満たしてくれる。いっそ、使用した全てのギターを一つ一つ報告して欲しいくらいだ。
マイクのヴォーカルも堂に入った物で、ブレイクに入る前の "Oh" のバックコーラスなど、トム・ペティの声をサンプリングしたのではないかと思うほどそっくり。
リズムセクションもキリっとしていて、しかもポップで明るい。サビの歌詞 "Angrel of mercy" の後に入るドラムとタンバリンの合いの手なんて、ポップ過ぎて一緒に飛び跳ねるしかない。
びっくりするのが、こんな名曲を、トムさんがさばききれずに放置していたと言うことだ。トムさん自身がまた有用なソングライターなため、まぁ、マイクのこの曲は誰かに提供してもいいか…というノリか、トムさん自身がそのうち自分で歌うつもりだったのか。
トムさんを失ったマイクは今、自分自身でやるしかない。そう、やるとなったらやるしかないのだ。人生は悲しみと喪失の連続。それでも生きている人は生きるしかない。そんな誰もが心にかかえる痛みに対する、素晴らしい応援歌 ―― それが "Angel of Mercy" なのだろう。
Live Performance from [Long After Dark] ― 2024/05/21 20:20
引き続き、ザ・ウォールフラワーズによるトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズの [Long After Dark] ライブが楽しみである。
そもそも、本家TP&HBは [Long After Dark] の発表当時はともかく、その後あまりライブ・ラインナップにその収録曲を選んでいなかった。せいぜい "You Got Lucky" くらいか。
そんな中、数の少ないライブ・パフォーマンス動画の中で見つけた、超格好良いプレイ。"Finding Out"
この騒々しさが最高。スタンのドラムが素晴らしいし、フィル・ジョーンズがパーカッションで加わっているので、とても贅沢。
トムさんとマイクが揃ってテレキャス系のギターを鳴らしまくり、そのくせソロが恐ろしく短い。この曲はマイクとトムさんの共作だが、マイクの曲に限ってソロが短かったりするのだから、不思議な人である。よっぽどトムさんのヴォーカルが好きなんだろうなぁ。
ヴォーカルと言えば、ハウイのコーラスも最高。やはりスタンと、ハウイが揃っているこの時期のコーラスワークは、他の時期よりも図抜けて充実している。
[Long After Dark] からの曲のライブ・パフォーマンスということで、もう一曲 "A Wasted Life" ―― 動画のコメントによると、この曲唯一のライブだという。本当だろうか。
この曲はライブ演奏するには難しすぎるだろう。ベースを重く出来ないのに、スローで言葉数の少ない歌詞。メロディの動きも少なく、ギターリフもゆっくりなので、まとめ上げるのに苦労するに違いない。
そしてやはり、ハウイのコーラス ―― いや、トムさんとのツイン・ヴォーカルが絶品だ。ハウイが居たからこそ出来た演奏。美しい芸術は壊れやすく、儚い物だけど、けっして忘れられないものだと思い知る。
そもそも、本家TP&HBは [Long After Dark] の発表当時はともかく、その後あまりライブ・ラインナップにその収録曲を選んでいなかった。せいぜい "You Got Lucky" くらいか。
そんな中、数の少ないライブ・パフォーマンス動画の中で見つけた、超格好良いプレイ。"Finding Out"
この騒々しさが最高。スタンのドラムが素晴らしいし、フィル・ジョーンズがパーカッションで加わっているので、とても贅沢。
トムさんとマイクが揃ってテレキャス系のギターを鳴らしまくり、そのくせソロが恐ろしく短い。この曲はマイクとトムさんの共作だが、マイクの曲に限ってソロが短かったりするのだから、不思議な人である。よっぽどトムさんのヴォーカルが好きなんだろうなぁ。
ヴォーカルと言えば、ハウイのコーラスも最高。やはりスタンと、ハウイが揃っているこの時期のコーラスワークは、他の時期よりも図抜けて充実している。
[Long After Dark] からの曲のライブ・パフォーマンスということで、もう一曲 "A Wasted Life" ―― 動画のコメントによると、この曲唯一のライブだという。本当だろうか。
この曲はライブ演奏するには難しすぎるだろう。ベースを重く出来ないのに、スローで言葉数の少ない歌詞。メロディの動きも少なく、ギターリフもゆっくりなので、まとめ上げるのに苦労するに違いない。
そしてやはり、ハウイのコーラス ―― いや、トムさんとのツイン・ヴォーカルが絶品だ。ハウイが居たからこそ出来た演奏。美しい芸術は壊れやすく、儚い物だけど、けっして忘れられないものだと思い知る。
Long After Dark ― 2024/05/16 21:44
ザ・ウォールフラワーズが、10月2日に彼らの大ヒットアルバム [Bringing Down the Horse] を LA でパフォーマンスするという。10年ほど前から流行っている、代表的なアルバムを、そっくりそのままライブ演奏するという趣向だろう。
さらに、彼らのお気に入りである、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズの [Long After Dark] もパフォーマンスするというのだからびっくり。これは見物だ。
Jakob Dylan and co. will also pay homage to Tom Petty & The Heartbreakers by playing Long After Dark
ジェイコブ・ディランは1969年暮れの生まれなので、彼のヒーローである TP&HBが [Long After Dark] を発表したのは1982年11月、彼がもうすぐ13歳になろうとする時期だった。13歳の感性であの [Long After Dark] を訊いたと思うと、ちょっとゾクっとする。
真っ赤なジャケットには、革ジャンを着てギターを掲げる、ちょっと中性的なトム・ペティ。これだけでジェイコブ少年の心臓は射貫かれたことだろう。
冒頭の "A One Story Town" という選択も良かった。疾走感があって、ポップなロックンロール。いかにもTP&HBという曲調で絶対に裏切らないという保証がある。
微妙なのは2曲目。"You Got Lucky" は有名なビデオがあるし、人気のある曲の方だが、実のところファンの間でも意見が割れるのでは無いだろうか。実は私、この曲はそれほど好きではないのだ。やはりシンセサイザーへの拒否感が強いのと、コードが開ききらない感じの曲調で、やや物足りない。ただ歌詞はさすが。それであのビデオが出来たのはどういうわけなのか、よく分からない。
ただ、"You Got Lucky" の消化不良感を、次の "Deliver Me" で払拭してくれる。ギターの小気味良いサウンドはさすが。
そしてこのアルバムのなかで私が一番好きな曲、"Change of Heart" ―― 軽快かつ爽快なギターリフ、美しいコーラス、キャッチーなサビ、シンプルで歌を最大に引き立てるギターソロ。絶妙に気持ちを引きつけるブリッジ。何もかも完璧な、"The Waiting" に匹敵する名曲だと思う。
トムさん自身もこの曲は気に入っていたし、ライブ向きだと考えていたらしいが、なんの呪いが掛かっているのか、なぜかこの曲を演奏するとバンド内の緊張感が高まり、ちょっとしたケンカになるという。面白い曲もあるものだ。
いかにも80年代という "Finding Out" の速さも軽快に、A面が終わる。私はCDでしか聴いていないが、ジェイコブ少年は次は何が来るのかワクワクしながらB面に返したことだろう。
B面はA面に比べてややヘヴィ。"We Stand A Chance" はハンドクラッピングにかかるリヴァーヴが大袈裟なところが80年代っぽくて笑える。
"Straight Into Darkness" は決してスロウな曲ではないが、雰囲気としてはスローバラードのような流れがあって好きだ。それほど有名な曲というわけでもないが、カバーされることが多いのも頷ける。
"The Same Old You" はオリジナル・マッドクラッチを彷彿とさせる曲だ。トムさんのある意味「無理のある」けど、「すごく愛しくなる」声の聴かせどころだ。
"Between Two Worlds" はマイクとの共作だけあって、マイクの曲の特徴の一つである、エレキの響きを生かした重さが格好良い曲だ。面白いところでは、最近マイクはダーティ・ノブズでもこの曲を歌っていて、かなりサマになっている。
最後の "A Wasted Life" は、唯一と言って良い、アコースティック・ギターが大きくフィーチャーされた曲だ。それだけにシンセサイザーはイマイチ。ここはベンモントの生ピアノか、思い切ってストリングスでも良かった。
改めて聴いてみると、[Long After Dark] はまさにエレキギターの響きの魅力的なアルバムだ。ジェイコブとザ・ウォールフラワーズがどんなギターで演奏するのか、とても見てみたい。
それを言うなら、TP&HB自身がどんな楽器を使っているのかも気になる。スタジオ録音もさることながら、ライブではどんなギターを使っていたのだろう?また動画あさりの日々となりそうだ。
さらに、彼らのお気に入りである、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズの [Long After Dark] もパフォーマンスするというのだからびっくり。これは見物だ。
Jakob Dylan and co. will also pay homage to Tom Petty & The Heartbreakers by playing Long After Dark
ジェイコブ・ディランは1969年暮れの生まれなので、彼のヒーローである TP&HBが [Long After Dark] を発表したのは1982年11月、彼がもうすぐ13歳になろうとする時期だった。13歳の感性であの [Long After Dark] を訊いたと思うと、ちょっとゾクっとする。
真っ赤なジャケットには、革ジャンを着てギターを掲げる、ちょっと中性的なトム・ペティ。これだけでジェイコブ少年の心臓は射貫かれたことだろう。
冒頭の "A One Story Town" という選択も良かった。疾走感があって、ポップなロックンロール。いかにもTP&HBという曲調で絶対に裏切らないという保証がある。
微妙なのは2曲目。"You Got Lucky" は有名なビデオがあるし、人気のある曲の方だが、実のところファンの間でも意見が割れるのでは無いだろうか。実は私、この曲はそれほど好きではないのだ。やはりシンセサイザーへの拒否感が強いのと、コードが開ききらない感じの曲調で、やや物足りない。ただ歌詞はさすが。それであのビデオが出来たのはどういうわけなのか、よく分からない。
ただ、"You Got Lucky" の消化不良感を、次の "Deliver Me" で払拭してくれる。ギターの小気味良いサウンドはさすが。
そしてこのアルバムのなかで私が一番好きな曲、"Change of Heart" ―― 軽快かつ爽快なギターリフ、美しいコーラス、キャッチーなサビ、シンプルで歌を最大に引き立てるギターソロ。絶妙に気持ちを引きつけるブリッジ。何もかも完璧な、"The Waiting" に匹敵する名曲だと思う。
トムさん自身もこの曲は気に入っていたし、ライブ向きだと考えていたらしいが、なんの呪いが掛かっているのか、なぜかこの曲を演奏するとバンド内の緊張感が高まり、ちょっとしたケンカになるという。面白い曲もあるものだ。
いかにも80年代という "Finding Out" の速さも軽快に、A面が終わる。私はCDでしか聴いていないが、ジェイコブ少年は次は何が来るのかワクワクしながらB面に返したことだろう。
B面はA面に比べてややヘヴィ。"We Stand A Chance" はハンドクラッピングにかかるリヴァーヴが大袈裟なところが80年代っぽくて笑える。
"Straight Into Darkness" は決してスロウな曲ではないが、雰囲気としてはスローバラードのような流れがあって好きだ。それほど有名な曲というわけでもないが、カバーされることが多いのも頷ける。
"The Same Old You" はオリジナル・マッドクラッチを彷彿とさせる曲だ。トムさんのある意味「無理のある」けど、「すごく愛しくなる」声の聴かせどころだ。
"Between Two Worlds" はマイクとの共作だけあって、マイクの曲の特徴の一つである、エレキの響きを生かした重さが格好良い曲だ。面白いところでは、最近マイクはダーティ・ノブズでもこの曲を歌っていて、かなりサマになっている。
最後の "A Wasted Life" は、唯一と言って良い、アコースティック・ギターが大きくフィーチャーされた曲だ。それだけにシンセサイザーはイマイチ。ここはベンモントの生ピアノか、思い切ってストリングスでも良かった。
改めて聴いてみると、[Long After Dark] はまさにエレキギターの響きの魅力的なアルバムだ。ジェイコブとザ・ウォールフラワーズがどんなギターで演奏するのか、とても見てみたい。
それを言うなら、TP&HB自身がどんな楽器を使っているのかも気になる。スタジオ録音もさることながら、ライブではどんなギターを使っていたのだろう?また動画あさりの日々となりそうだ。
Dare To Dream ― 2024/05/12 19:50
マイク・キャンベル&ザ・ダーティ・ノブズが三枚目のアルバム [Vagabonds, Virgins & Misfits] を発売すると発表した。
最近TP&HB 関連のニュースが無くて寂しかったので、嬉しいサプライズ!制作意欲旺盛なマイクである。
新譜の発表に先駆けて、"Dare To Dream" のミュージック・ビデオが発表された。
ブルージーな A メロに対して、メジャーに開けるサビが格好良い。やはりマイクの作曲能力には感服する。マイクによると、たくさんトムさんに渡しておいたが、多すぎてトムさんもさばき切れなかったそうだ。
ビデオはオクラホマ州、タルサのチャーチ・スタジオを再訪するという趣向、なかなかに感動的だ。
お話は70年代、LAを目指したオリジナル・マッドクラッチが、デニー・コーデルの誘いでタルサで寄り、結局コーデルのレーベルと契約したと言うところから始まる。
さらに、LAでの録音がイマイチはかどらないマッドクラッチを、タルサのチャーチ・スタジオに缶詰にして鍛えたという経緯もある。
このミュージック・ビデオにも当時のマッドクラッチの様子が挿入されている。クレジットにも提供者のジム・レナハンの名前がある。
およそ50年前、これから夢をつかもうとする若者たち。そして夢を叶え、その先に待ち構えていた別離を乗り越え、マイクがさらに前へ進んでいくロックの長い道。
世代、流行、時代を超えてロックが持つようになった普遍性を、マイクは体現してくれている。
最近TP&HB 関連のニュースが無くて寂しかったので、嬉しいサプライズ!制作意欲旺盛なマイクである。
新譜の発表に先駆けて、"Dare To Dream" のミュージック・ビデオが発表された。
ブルージーな A メロに対して、メジャーに開けるサビが格好良い。やはりマイクの作曲能力には感服する。マイクによると、たくさんトムさんに渡しておいたが、多すぎてトムさんもさばき切れなかったそうだ。
ビデオはオクラホマ州、タルサのチャーチ・スタジオを再訪するという趣向、なかなかに感動的だ。
お話は70年代、LAを目指したオリジナル・マッドクラッチが、デニー・コーデルの誘いでタルサで寄り、結局コーデルのレーベルと契約したと言うところから始まる。
さらに、LAでの録音がイマイチはかどらないマッドクラッチを、タルサのチャーチ・スタジオに缶詰にして鍛えたという経緯もある。
このミュージック・ビデオにも当時のマッドクラッチの様子が挿入されている。クレジットにも提供者のジム・レナハンの名前がある。
およそ50年前、これから夢をつかもうとする若者たち。そして夢を叶え、その先に待ち構えていた別離を乗り越え、マイクがさらに前へ進んでいくロックの長い道。
世代、流行、時代を超えてロックが持つようになった普遍性を、マイクは体現してくれている。
Slide Guitar ― 2024/04/21 19:32
ウクレレの先生(プロのギタリスト)に、スライドギターについて訊いてみた。
どの指にスライドバー,ボトルネック(にあたる道具)を装着するか。アコースティック・ギターの時は小指に、エレキの時は薬指だそうだ。アコギは小指以外の四本の指でミュートしたいからだそうだ。
ジョージはどうかしらと、日本公演時の "Cheer Down”を見てみると、薬指だった。
では、もっともジョージに近いスライドを奏でる、マイク・キャンベルはどの指に装着しているのだろうか?マイクが自宅でファンからの質問に答える動画を参考にしよう。
―― と、その前に!マイク、部屋を片付けろ!なんだその chaos な部屋は!!性格も音楽性も完璧なマイクだが、数少ない弱点は、片付けが出来ず、部屋もスタジオもめちゃくちゃなことである。
マイクは小指とのこと。同時に四本が使えるからだそうだが、器用な人は違う。
なにを指に装着するのかという点で面白かったのが、デュエイン・オールマン。当時アメリカで一般的だった風邪薬,コリシディンのビンをそのまま使っていたという話。
コリシディンの瓶は、今となってはすっかり「ギターのスライドバー」としてして売られている。みなさん、どうも形から入るようで…
ちなみに先生によると、日本でのスライドバーの定番は、七味唐辛子の瓶だそうだ。たしかに丁度良い大きさだ。何十年か経って七味のパッケージ素材が変わったら、古い七味の瓶がスライドバーとして売り出されるのだろうか。今のうちに大量に保管しておくか。
どの指にスライドバー,ボトルネック(にあたる道具)を装着するか。アコースティック・ギターの時は小指に、エレキの時は薬指だそうだ。アコギは小指以外の四本の指でミュートしたいからだそうだ。
ジョージはどうかしらと、日本公演時の "Cheer Down”を見てみると、薬指だった。
では、もっともジョージに近いスライドを奏でる、マイク・キャンベルはどの指に装着しているのだろうか?マイクが自宅でファンからの質問に答える動画を参考にしよう。
―― と、その前に!マイク、部屋を片付けろ!なんだその chaos な部屋は!!性格も音楽性も完璧なマイクだが、数少ない弱点は、片付けが出来ず、部屋もスタジオもめちゃくちゃなことである。
マイクは小指とのこと。同時に四本が使えるからだそうだが、器用な人は違う。
なにを指に装着するのかという点で面白かったのが、デュエイン・オールマン。当時アメリカで一般的だった風邪薬,コリシディンのビンをそのまま使っていたという話。
コリシディンの瓶は、今となってはすっかり「ギターのスライドバー」としてして売られている。みなさん、どうも形から入るようで…
ちなみに先生によると、日本でのスライドバーの定番は、七味唐辛子の瓶だそうだ。たしかに丁度良い大きさだ。何十年か経って七味のパッケージ素材が変わったら、古い七味の瓶がスライドバーとして売り出されるのだろうか。今のうちに大量に保管しておくか。
Tomorrow Is a Long Time ― 2024/04/07 19:26
初めての春開催となった F1 日本GP も無事終了。角田くんが入賞して、めでたしめでたし。本当によかった。来日したご一行様も秋とはひと味違う ―― しかも幸運にも桜の満開と重なった、日本での開催を楽しんでくれたのではないだろうか。
GPの週末が始まる前は、やたらと「あなたが読みそうな記事」に、セバスチャン・ベッテルのF1 復帰か、はたまたポルシェなのかと、そういう記事が上がってきて、いちいち「いやいや、それは無いから」と、自分を落ち着かせていた。
困るのは、世の中には「エイプリルフールのネタ」としか思えないほど、突拍子も無いことが起きることだ。もっとも顕著な例は、「ボブ・ディランのノーベル文学賞受賞」と、「高橋大輔のアイスダンス転向」。話題になっては「冗談」として扱われてきたのに、実現してしまうのだから世の中わからない。
私にとっての、いまのところ実現しないであろうというネタは、「セバスチャンの現役復帰」、「坂本花織の4回転ループ」、「トラヴェリング・ウィルベリーズ再結成」の三つだ。
最後の一つは、難しいが意外と不可能でも無いような気がする。そもそもウィルベリーズはオリジナルから一人欠けた状態でも二枚目のアルバムを制作しているのだ。
ダニーがジョージの代理を務めるのはまずハードルが低いと思うし、トムさんの代役はマイクがつとめて全然不自然ではない状況になっている。そうなったらあとはジェフ・リンを引っ張り出すのはこれまたハードルが低く、最終的にはディラン様次第ということになる。
そりゃあ無理だ ―― というのは当然だが、去年はディラン様とハートブレイカーズの共演という、とんでもないことが実現したことを忘れてはいけない。ウィルベリーズ再結成と言いつつ、私としてはハートブレイカーズ込みである。
80年代のディラン様とハートブレイカーズ。"Tomorrow Is a Long Time" を演奏している珍しい動画を発見。これはほとんどベンモントとディラン様の二人だけ ―― マイクのナイスアシストあり ―― で成立した、しっとりとして美しいパフォーマンスだ。思わず息を詰めて聴き入り、終わるなり「素晴らしい!」と声を上げずにはいられなかった。
GPの週末が始まる前は、やたらと「あなたが読みそうな記事」に、セバスチャン・ベッテルのF1 復帰か、はたまたポルシェなのかと、そういう記事が上がってきて、いちいち「いやいや、それは無いから」と、自分を落ち着かせていた。
困るのは、世の中には「エイプリルフールのネタ」としか思えないほど、突拍子も無いことが起きることだ。もっとも顕著な例は、「ボブ・ディランのノーベル文学賞受賞」と、「高橋大輔のアイスダンス転向」。話題になっては「冗談」として扱われてきたのに、実現してしまうのだから世の中わからない。
私にとっての、いまのところ実現しないであろうというネタは、「セバスチャンの現役復帰」、「坂本花織の4回転ループ」、「トラヴェリング・ウィルベリーズ再結成」の三つだ。
最後の一つは、難しいが意外と不可能でも無いような気がする。そもそもウィルベリーズはオリジナルから一人欠けた状態でも二枚目のアルバムを制作しているのだ。
ダニーがジョージの代理を務めるのはまずハードルが低いと思うし、トムさんの代役はマイクがつとめて全然不自然ではない状況になっている。そうなったらあとはジェフ・リンを引っ張り出すのはこれまたハードルが低く、最終的にはディラン様次第ということになる。
そりゃあ無理だ ―― というのは当然だが、去年はディラン様とハートブレイカーズの共演という、とんでもないことが実現したことを忘れてはいけない。ウィルベリーズ再結成と言いつつ、私としてはハートブレイカーズ込みである。
80年代のディラン様とハートブレイカーズ。"Tomorrow Is a Long Time" を演奏している珍しい動画を発見。これはほとんどベンモントとディラン様の二人だけ ―― マイクのナイスアシストあり ―― で成立した、しっとりとして美しいパフォーマンスだ。思わず息を詰めて聴き入り、終わるなり「素晴らしい!」と声を上げずにはいられなかった。
Lucille ― 2024/03/22 21:48
リトル・リチャードの映画が見たいのだが、なかなか都合の合う場所の、都合の合う時間に上映されていない。うかうかしていると見逃してしまう。
リトル・リチャードの数ある名曲の中でも、"Lucille" は完全にトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズのバージョンですり込まれている。彼らのファンになったばかりの頃にフィルモアの音源をブートで聴いていたので、そのあまりの格好良さに、ほかのバージョンは、本家リトル・リチャードですら、かすんで聞こえたのだ。
公式発売された [Live at Filmoe 1997] にも収録されているが、ここは1999年のライブ映像で見てみよう。
何が良いって、他の誰よりも、TP&HBのバージョンがスローで、低音がどっしりした演奏であることと、ほぼ全てのヴォーカル・パートを、トムさんとハウイのツイン・ヴォーカルで聴かせてくれること。トムさんのリズムギターが常人で無いほど上手いこと。
そして最初は手しか映らないベンモントの、ピアノのシュアな演奏がしびれる。簡単そうに見えて、ああいう連打は実はものすごくきついのだ。しかもテンポが抑えられて、重い演奏。手首にきそうだ。
ほかにも色々なカバーを聴いてみたが、どれもピンとこない。TP&HBのカバーは、エヴァリー・ブラザーズのカバーとも言えるのだが、気の抜けた感は否めない。でも、エヴァリー・ブラザーズのファンであるトムさんのために、ご兄弟にお出ましいただく。聞いた話によると、トムさんの孫娘はトムさんの大好きなエヴァリー・ブラザーズにちなんで、エヴァリーちゃんだそうだ。
リトル・リチャードの数ある名曲の中でも、"Lucille" は完全にトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズのバージョンですり込まれている。彼らのファンになったばかりの頃にフィルモアの音源をブートで聴いていたので、そのあまりの格好良さに、ほかのバージョンは、本家リトル・リチャードですら、かすんで聞こえたのだ。
公式発売された [Live at Filmoe 1997] にも収録されているが、ここは1999年のライブ映像で見てみよう。
何が良いって、他の誰よりも、TP&HBのバージョンがスローで、低音がどっしりした演奏であることと、ほぼ全てのヴォーカル・パートを、トムさんとハウイのツイン・ヴォーカルで聴かせてくれること。トムさんのリズムギターが常人で無いほど上手いこと。
そして最初は手しか映らないベンモントの、ピアノのシュアな演奏がしびれる。簡単そうに見えて、ああいう連打は実はものすごくきついのだ。しかもテンポが抑えられて、重い演奏。手首にきそうだ。
ほかにも色々なカバーを聴いてみたが、どれもピンとこない。TP&HBのカバーは、エヴァリー・ブラザーズのカバーとも言えるのだが、気の抜けた感は否めない。でも、エヴァリー・ブラザーズのファンであるトムさんのために、ご兄弟にお出ましいただく。聞いた話によると、トムさんの孫娘はトムさんの大好きなエヴァリー・ブラザーズにちなんで、エヴァリーちゃんだそうだ。
Even the Loser / Fermata ― 2024/03/05 19:14
今更感が半端ないのだが、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズに興味のある人は、ぜひとも Heartbreaker's Japan Party さんが毎月発行している、メールマガジン [Depot Street] を登録して読んで欲しい。1999年1月に発刊され、なんと今年26年目を迎え、最新号は Vol. 218 というのだからまさに偉業である。
毎月楽しみにしているが、先月からさらに楽しみが増えた。"The Guitars:Tom Petty's Gear - Guitar Trivia” というコーナーが始まったのだ。その名の通りトムさんのギターを解説してくれる。もっとも、トムさんのギター、即ちマイクのギターだったりするし、トムさんのギターを語る人がマイクのギターを語らずには済まないと思う。
1本目に紹介されているのが、Rickenbacker 625-12 Fireglo ―― "Damn the Torpedoes" のジャケットでトムさんが持っているギターと言えば一番分かりやすい。"So you want to be a rock 'n' roll star" のビデオで、マイクが弾いているのもこれだ。
トムさんの早い晩年はあまりライブステージに登場しなかったが、最近はマイク・キャンベル&ザ・ダーティ・ノブズのライブの "Even the Losers" で使用されているとのこと。ワクワクしながらその動画をあさっていたら、面白い演奏にあたった。
ドラマーがスティーヴ・フェローニなので、最近のノブズなのだが、なんとスティーヴが大間違いをしているのだ。ミドル・エイト明け、"God, it's such a drag when you're living in the past..." のところで、フェルマータ休止なのだが、スティーヴはいつもの通り勢いよくサビに飛び込んでしまったのだ。
スティーヴも会場も大笑い。ややあって、おもむろにマイクがサビを歌い出すのも面白い。
そもそも、ミドル・エイト明けをフェルマータ休止する様式は、トムさんの生前、"Even the Losers" をアコースティック・ヴァージョンで演奏する際、主に用いられていたようだ。
マイクはエレクトリック・ヴァージョンでミドル・エイト明けをフェルマータ休止したため、スティーヴの混乱を呼んだ模様。
素敵なギターを使って、イカしたノブズの曲と、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズの名曲…ダーティ・ノブズのライブにも行きたくなった。マンハッタンのどこか行きやすい所でやってくれないかな…
ちなみに、楽譜上で頻繁に目にするフェルマータだが、その音か休符を適度にのばす、たっぷり奏でるという指示である。ただし、fermata というイタリア語はもともと「停止」という意味。音大生の間では有名な話しだが、バス停も ”fermata"と言う。さらに、頭髪がフェルマータ記号のように残りつつ消滅している現象もまた、 "fermata" と言う。
毎月楽しみにしているが、先月からさらに楽しみが増えた。"The Guitars:Tom Petty's Gear - Guitar Trivia” というコーナーが始まったのだ。その名の通りトムさんのギターを解説してくれる。もっとも、トムさんのギター、即ちマイクのギターだったりするし、トムさんのギターを語る人がマイクのギターを語らずには済まないと思う。
1本目に紹介されているのが、Rickenbacker 625-12 Fireglo ―― "Damn the Torpedoes" のジャケットでトムさんが持っているギターと言えば一番分かりやすい。"So you want to be a rock 'n' roll star" のビデオで、マイクが弾いているのもこれだ。
トムさんの早い晩年はあまりライブステージに登場しなかったが、最近はマイク・キャンベル&ザ・ダーティ・ノブズのライブの "Even the Losers" で使用されているとのこと。ワクワクしながらその動画をあさっていたら、面白い演奏にあたった。
ドラマーがスティーヴ・フェローニなので、最近のノブズなのだが、なんとスティーヴが大間違いをしているのだ。ミドル・エイト明け、"God, it's such a drag when you're living in the past..." のところで、フェルマータ休止なのだが、スティーヴはいつもの通り勢いよくサビに飛び込んでしまったのだ。
スティーヴも会場も大笑い。ややあって、おもむろにマイクがサビを歌い出すのも面白い。
そもそも、ミドル・エイト明けをフェルマータ休止する様式は、トムさんの生前、"Even the Losers" をアコースティック・ヴァージョンで演奏する際、主に用いられていたようだ。
マイクはエレクトリック・ヴァージョンでミドル・エイト明けをフェルマータ休止したため、スティーヴの混乱を呼んだ模様。
素敵なギターを使って、イカしたノブズの曲と、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズの名曲…ダーティ・ノブズのライブにも行きたくなった。マンハッタンのどこか行きやすい所でやってくれないかな…
ちなみに、楽譜上で頻繁に目にするフェルマータだが、その音か休符を適度にのばす、たっぷり奏でるという指示である。ただし、fermata というイタリア語はもともと「停止」という意味。音大生の間では有名な話しだが、バス停も ”fermata"と言う。さらに、頭髪がフェルマータ記号のように残りつつ消滅している現象もまた、 "fermata" と言う。
Steve Ferrone of Tom Petty & the Heartbreakers - Full Interview ― 2024/02/23 20:51
Secret Chord というYouTube チャンネルに、スティーヴ・フェローニの長いインタビューがアップされている。
中々興味深い内容だ。字幕も出せる。たぶん、Heartbeaker's Japan Party さんがメルマガで日本語訳を出してくれる…と思う。
スティーヴはイングランド南部海辺の保養地としても有名なブライトンの出身。12歳の時、町にやってきたバンドのドラマーを見て、その手さばきを見よう見まねし始めたのが、ドラマーとしての出発点だったとのこと。
エリック・クラプトンのバンドで活動していたときの話も興味深かった。エリックには、ロンドンのハーロドック・カフェでフィル・コリンズを介して出会ったとのこと。クラプトンは飲んだくれているか、しらふでいるか、とにかく行ったり来たりだったとか。でもスティーブもかなり飲んだくれていたのでそれなりの時代だったらしい。
トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズがスタンと上手くいかなくなってドラマーを探しているときに、スタジオに呼ばれたスティーヴ。マイクとジョージのバックバンドで一緒になった以外は、トムのこともよく分からず、心ぼそかったところ、スタジオのガラスの向こうで、録音を聴いたトムさんとマイクが顔を見合わせるのを見て、「なに?!なに?!なんなの?!」とドギマギしてたら、トムさんがひとこと。「心配するな。あんたで決まり。」
スタンのことはまだ未解決の時期だったが、スティーヴの希望としてはハートブレイカーズの一員になりたかった。結局、その通りになったというわけ。
最近も時々エリックに会うけど、そのたびに彼は「また一緒にやろうよ」というけど何も起きない。
ハートブレイカーズのスタンや、ストーンズのチャーリーのように、バンドにとってオリジナルのドラマーがいて、その後に座ることについて。オリジナルドラマーをコピーすることは出来ない。彼らの演奏は彼らの演奏。そして後釜の演奏は後釜自身の演奏。それは知った上で割り切るしかないとのこと。示唆に富んでいる。
終始笑顔でにこやかなスティーヴ。また日本にも来て欲しい。
中々興味深い内容だ。字幕も出せる。たぶん、Heartbeaker's Japan Party さんがメルマガで日本語訳を出してくれる…と思う。
スティーヴはイングランド南部海辺の保養地としても有名なブライトンの出身。12歳の時、町にやってきたバンドのドラマーを見て、その手さばきを見よう見まねし始めたのが、ドラマーとしての出発点だったとのこと。
エリック・クラプトンのバンドで活動していたときの話も興味深かった。エリックには、ロンドンのハーロドック・カフェでフィル・コリンズを介して出会ったとのこと。クラプトンは飲んだくれているか、しらふでいるか、とにかく行ったり来たりだったとか。でもスティーブもかなり飲んだくれていたのでそれなりの時代だったらしい。
トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズがスタンと上手くいかなくなってドラマーを探しているときに、スタジオに呼ばれたスティーヴ。マイクとジョージのバックバンドで一緒になった以外は、トムのこともよく分からず、心ぼそかったところ、スタジオのガラスの向こうで、録音を聴いたトムさんとマイクが顔を見合わせるのを見て、「なに?!なに?!なんなの?!」とドギマギしてたら、トムさんがひとこと。「心配するな。あんたで決まり。」
スタンのことはまだ未解決の時期だったが、スティーヴの希望としてはハートブレイカーズの一員になりたかった。結局、その通りになったというわけ。
最近も時々エリックに会うけど、そのたびに彼は「また一緒にやろうよ」というけど何も起きない。
ハートブレイカーズのスタンや、ストーンズのチャーリーのように、バンドにとってオリジナルのドラマーがいて、その後に座ることについて。オリジナルドラマーをコピーすることは出来ない。彼らの演奏は彼らの演奏。そして後釜の演奏は後釜自身の演奏。それは知った上で割り切るしかないとのこと。示唆に富んでいる。
終始笑顔でにこやかなスティーヴ。また日本にも来て欲しい。
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