Even the Loser / Fermata2024/03/05 19:14

 今更感が半端ないのだが、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズに興味のある人は、ぜひとも Heartbreaker's Japan Party さんが毎月発行している、メールマガジン [Depot Street] を登録して読んで欲しい。1999年1月に発刊され、なんと今年26年目を迎え、最新号は Vol. 218 というのだからまさに偉業である。
 毎月楽しみにしているが、先月からさらに楽しみが増えた。"The Guitars:Tom Petty's Gear - Guitar Trivia” というコーナーが始まったのだ。その名の通りトムさんのギターを解説してくれる。もっとも、トムさんのギター、即ちマイクのギターだったりするし、トムさんのギターを語る人がマイクのギターを語らずには済まないと思う。

 1本目に紹介されているのが、Rickenbacker 625-12 Fireglo ―― "Damn the Torpedoes" のジャケットでトムさんが持っているギターと言えば一番分かりやすい。"So you want to be a rock 'n' roll star" のビデオで、マイクが弾いているのもこれだ。

 トムさんの早い晩年はあまりライブステージに登場しなかったが、最近はマイク・キャンベル&ザ・ダーティ・ノブズのライブの "Even the Losers" で使用されているとのこと。ワクワクしながらその動画をあさっていたら、面白い演奏にあたった。



 ドラマーがスティーヴ・フェローニなので、最近のノブズなのだが、なんとスティーヴが大間違いをしているのだ。ミドル・エイト明け、"God, it's such a drag when you're living in the past..." のところで、フェルマータ休止なのだが、スティーヴはいつもの通り勢いよくサビに飛び込んでしまったのだ。
 スティーヴも会場も大笑い。ややあって、おもむろにマイクがサビを歌い出すのも面白い。

 そもそも、ミドル・エイト明けをフェルマータ休止する様式は、トムさんの生前、"Even the Losers" をアコースティック・ヴァージョンで演奏する際、主に用いられていたようだ。



 マイクはエレクトリック・ヴァージョンでミドル・エイト明けをフェルマータ休止したため、スティーヴの混乱を呼んだ模様。
 素敵なギターを使って、イカしたノブズの曲と、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズの名曲…ダーティ・ノブズのライブにも行きたくなった。マンハッタンのどこか行きやすい所でやってくれないかな…

 ちなみに、楽譜上で頻繁に目にするフェルマータだが、その音か休符を適度にのばす、たっぷり奏でるという指示である。ただし、fermata というイタリア語はもともと「停止」という意味。音大生の間では有名な話しだが、バス停も ”fermata"と言う。さらに、頭髪がフェルマータ記号のように残りつつ消滅している現象もまた、 "fermata" と言う。

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