She / Sie2024/03/02 20:08

 仕事中は、モバイルスピーカーからランダムに音楽を流しているのだが、急に音圧の高い曲が流れて、ビクっとなってしまった。
 ジェフ・リンがカバーした "She" である。



 これでもかとばかりに重ねられたヴォーカルが分厚く、ギターサウンドも当然重ねて録られて、更にストリングスも重ねて、その過多な厚みに圧倒される。
 映画の影響で、エルヴィス・コステロによるカバーも有名だ。あれはあれで、情感豊かに歌いすぎて、表現過多でもある。

 オリジナルは、フランス人のシンガー・ソングライター,シャルル・アズナヴールの "She" であり、英語で歌っている。アズナヴールは多言語話者で、フランス語以外で歌うこともごく普通である。
 さすが伝説のシンガー。声量が圧倒的で、オーバーダビングは不要である。



 そういえば、この曲は他の言語では歌われていないのかと調べると、あった。まずフランス語は、これだけタイトルの趣が異なり、"Tous les visages de l'amour" という。"All faces of love" といったような意味だそうだ。
 ほかにも、イタリア語の "Lei", スペイン語の "Es", ドイツ語の "Sie" が存在する。断然ドイツ語が気になる!



 あのドイツ語をどう歌うのか、興味津々だったが、やはりそこはさすがのシャルル・アズナヴール。それなりに美しく歌い上げてくれるの。ただし、語尾の "st" がやけに印象に残る。