こんがらがって機雷2011/01/30 20:44

 1月30日付で、Cool Dry Placeに、「カントム」のChapter 4. Tangles & Torpedoes をアップした。

 デニー・コーデルと、金の問題で戦う事になるのだが、どうも不思議なのがコーデルとハートブレイカーズの関係。普通、アーチストと会社側が金をめぐって法廷で争うと言う事になると、互いの顔も見たくないし、非難合戦が展開し、のちに回想録などを出すとなると、相手を攻撃せずにはいられないものだが、この両者の友情は変らなかったと言う。
 実際、[Full Moon Fever] の時期もトムはコーデルの意見を尊重しているし、[Wildflowers] ではコーデルにソングライティングをほめられてこの上ない喜びだと言っている。マイクも、ロックの殿堂入りでのスピーチで、感謝を捧げる相手として「家族,デニー・コーデル,ジョージ・ハリスン」と述べている。彼らの間にあった友情というのは、かなり特別なものだったようだ。
 アヤシゲなマネージャーに紹介されて、トニー・ディミトリアディス登場。このあたり、TP&HBは人に恵まれていると言うべきではないだろうか。それにしても、トニーによるトム評が面白い。「誰の事も好きじゃない」…どこまでとんがっていたんだ。
 逆に言えば、バンドメンバー間の信頼関係は強かったようで。これは映画 [Runnin' down a dream] で言っていたことだが、法廷闘争にしても、ハートブレイカーズは一致団結、トムを信頼していた。この手の困難に直面した時、これほど心強いことはなかっただろう。

 面白かったのは、そろそろお金に余裕が出てきたのに、稼いだ当の本人たちは全然事態を把握していなかった話。ツアー中の宿泊は、あいかわらず相部屋のままだったと言う。組み合わせが固定されていた時は、トムとロン,マイクとスタン,ベンモントとツアーマネージャー。…性格的にちょっと難しいところのあったスタンと組み合わされたのが、マイクというのが可笑しい。長身の二人、部屋が狭そう。マイクは辛抱強く、穏やかで優しい性格を見込まれて、スタンを任された…と、推察する。
 しかし、なぜかツアーマネージャーが単独部屋になり(どうしてこいつが先にそうなるんだ)、部屋割りのローテーションを開始。なんだか学生みたいなノリだ。

 スタンの話。[Damn the Torpedoes] の時期は特に大変だった模様。トムの言う事なのですべて鵜呑みにするわけにはいかないが、スタン特有の不安感というのは、的を外してなさそうだ。スタンがバンドに加わった時には既に、トム・マイク・ベンモントはかなり長い間一緒にやってきた固い絆のバンドメイトとして出来上がっていた。憧れの存在だった彼らの中に入って、同じレベルの演奏をしなければならない不安感というのは、他人には分らないものだろう。
 トムの言う、スタンがトムたちのファンだったという事も、間違いなさそうだ。なにせ、バンドをやめてから、後輩バンド(シスター・ヘイゼル)のライブに飛び入りして演奏したのが、なんと "American Girl" だったと言うのだから…(2009年フロリダ・ゲインズビル。故郷でのライブ)。ヘイゼルの連中もこの曲で本当に良いのかと心配したかもしれないが…当人は楽しそう。



 ケンの変なTシャツ「東京五」はさておき…。

 観客の中におっこちるトムさん。バグズの「手から飛び込んでくる」という行動はあきらかにテンパっているが…まぁ、体を張って助けに来てくれた。でもトムさん「だめ、絶対死ぬ!」と思っている。有名な映像はこちら。



 バグズの雄姿は残念ながらとらえられていない。そのかわり、戻ってきたステージの上で、明らかに笑っているマイクが…。だめですよ、マイク。トムさん自身は本気で死ぬかと思った上に、服はビリビリ、出血までしてるんですから。つまらない喧嘩なんてしませんように。

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