人違いのCD2008/10/14 23:02

 F1日本グランプリが、無事終了した。去年は無事とは言えなかった。今年は、「見えなかった!」などというクレームはないことを祈っている。

 フジテレビのF1番組は、昔から音楽に凝っている。今年は要所要所にビートルズ関係の曲を持ってくるのが、毎回楽しみだ。日本GPでは、中嶋ジュニアのセクションで、Here comes the sun を使った。いつかやるだろうとは思っていた。

 決勝中継(実際は殆ど録画だが)の最初に、必ず「予選ダイジェスト」があるのだが、今年の「予選ダイジェスト」のBGMが面白い。バグパイプ系の音が、かなり早いパッセージを奏でている。それが大陸系のパイプなのか、ハイランド・バグパイプなのか、それともアイルランドのイーリアン・パイプなのかは分からないが、とにかく私はCDが欲しくなった。
 ネットで軽く検索をして、どうやらマキシム(maksim)と言う人の、[ 情熱のコンチェルト ] なる曲であるとの情報をキャッチ。マキシムは基本的に、クラシックのピアニストとのこと。ふむ、最近の流行りを反映して、パイプと共演でもしているに違いない。さっそく渋谷HMVのクラシック・コーナーに行って、このアルバムを買った。



 私は、よほど疲れていたか、悩みがあったか、トムさんやマイク先生のことでも考え過ぎていたのか、とにかく。
 どうかしていた。
 まともな判断能力があれば、このジャケットを見れば「やばい」ことぐらい、分かったはずだ。

 聞いてみてびっくり。有名なクラシック音楽とあらば、それが交響曲だろうがレイクイエムだろうが、ピアノでドカンドカン弾きまくり、バックでオーケストラが甲斐甲斐しく盛りたてる、変則コンチェルト形式。しかも、打ち込みのドラムやらパーカスやら、サウンドエフェクトやらが華々しく乱れ飛ぶ!
 特に凄かったのはショパンのエチュード「革命」(原曲はピアノのソロ)。のっけっからドラム(ドラ?なんでも良いや)がドっカぁーン!と打ち上がり、ガラガラドンドン、ピアノが転げ落ちる。続いてユーロビートがズンチャカズンチャカとショパンを担ぎ上げて大爆走(その人、病弱だから…!)。あっけにとられる私をはるか後方に置き去りにして、周回遅れにしてしまった。もちろん、その間もオケが盛大に鳴り響いている。しかも、マキシムのピアノ演奏は非常に上手なのだから、泣くに泣けない。

 私はマキシムに申し訳ない気持ちで一杯になった。本当にごめん、人違いだった!

 例えるなら、北海道の原野でナチュラルなエコ・ライフを送り、ハーブ・ティーを愛飲する友人を、各種コーラとペプシとセブンアップを飲み比べて盛り上がるパーティに連れて行ってしまったような気分(この場合、マキシムはエコな友人である)。
 相手をよく理解もせずに買って、人違いだったなんて、失礼な話だ。私は申し訳なさのあまり、このCDをお店の棚にそぉっと返してきたい気分になった。もちろん、お金なんて良いんです。取っといてください。

 肝心の [ 情熱のコンチェルト ] だが。これはクラシックではなく、最近のオリジナルのようだ。F1の「予選ダイジェスト」に使われていたのは、去年の話。確かに、聞きおぼえがある。
 今年の「予選ダイジェスト」は、Heviaの、[ Etrico ma non troppo ] という曲だ。彼はスペイン人。楽器はアストゥリア地方のバグパイプで、ガイタと呼ばれるものだそうだ。
 アルバムはUKのアマゾンに注文し、アルゼンチンから届いた。トラッドを取り入れたポップスという色が強く、「大好き!」というわけには行かないが、ガイタという楽器を知るきっかけとしては、悪くない。

コメント

_ 秋津羽 ― 2008/10/15 01:15

おお、Hevia。私、CD持ってます。1stと、たしか2ndも。"Etnico Ma Non Troppo"は3rdアルバムですね。1stの"Tierra De Nadie"が発売された頃、たまたまCD屋で聴いて気に入って買いました。邦題は「誰のものでもない世界」ですが、英語では"No Man's Land"だから本当は「不毛の地」の意味なんですよね……(故郷のアストゥリアスのこと)
この人、エレクトリック・バグパイプ(MIDIバグパイプ)とやらを作って演奏・録音していますが、普通の(というか伝統的な)バグパイプでも録音しているんですね。

_ NI ぶち ― 2008/10/15 23:15

>秋津羽さん
コメントありがとうございます!エレクトリックなバグパイプって…?!どんなんでしょうね?管楽器でエレクトリックって、まともな物を見たことがない(あっても、ほとんどオモチャなシロモノ…)。
ああ、バッグに空気を入れる仕組みを電動にしてくれたとか?パイプオルガンみたいに!それなら、私にもできるかな…(あらぬ野望が…)

_ Miss O'dell ― 2008/10/15 23:28

こんなんですのね……。
http://www.hotpipes.com/ross.html

色気ないなぁ……。

_ 秋津羽 ― 2008/10/16 01:04

Heviaの使ってるMIDI Pipeは、Miss O'dellさんご紹介のものとはかなり見た目が違います。ちゃんと楽器っぽいですw
もともとVersion MIDIという会社が作ったものらしいのですが、会社のサイトは空になってます。潰れたのか?
http://www.versionmidi.com/

Hevia, Parrado y Aragon はHeviaの楽器会社らしいんですが、shopのカタログにMIDI Pipeがないような?
http://www.arhpa.com/ingles/flash/index.htm

この写真↓でHeviaが使っているのは、たぶんMIDI Pipe(electronic bagpipe)
http://flickr.com/photos/haagsuitburo/2521667333/

同じタイプのMIDI Pipeの写真です ↓
http://chiffboard.mati.ca/viewtopic.php?t=18480#206903

http://www.rcdtokyo.com/ucb/contents/i000596.php

_ Miss O'dell ― 2008/10/16 18:39

おおっ、ちゃんと内臓のフォルムしてますね♪
やっぱり、こうでなくっちゃ。<モツ系は嫌いですが

_ NI ぶち ― 2008/10/16 23:45

まず、Miss O'dellプレゼンツ、エレクトリック・バグパイプ第一弾。オーノーッ!!嫌だー!こんなん絶対嫌だー!!!これじゃ、頭のパーツがとれた先行者(*)じゃないか!没!絶対ボツ!こんなん楽器じゃねぇ~ッ!

第二弾。秋津羽さんプレゼンツ、HeviaくんのMIDI Pipe。ははぁ、見た目は確かに臓物っぽい!…と、言うか私が持っているHeviaくんのアルバムジャケットにも、このMIDI Pipeが移ってました。なんだぁ、生じゃないのか…
これ、どういう原理なんだろう?日本で売ってないかな?試奏させてくれないかな?(たぶん、私の体格だと無理だな)。

今日、友人とバグパイプの話になりまして。空気を送り込むシステムを電動にすると、良いじゃないかという話から、さらに、呼吸をつかったり(ハイランド)、肘を使ったりするのは(イーリアン)やはり難しいから、足を使ったらどうかという話になりました。ほら、ビニール・プールをふくらましたりするやつで、スコスコと…

ちょうどいま、大阪で「ジャパン・パイプ・フェスト」なるものが開催されているそうです。
http://www2.gol.com/users/ramsay/pipefest.html
ただ、グレイト・ハイランド・パイプ限定みたいですけどね。

(*)先行者:知らない人は、↓を見てね。
http://www6.plala.or.jp/private-hp/samuraidamasii/tamasiitop/robotyuugoku/robotyuugoku.htm
先行者の名誉のために言っておきますけど、この記事はけっこう昔のものですよ(フォローになっていない)。

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