The Concert for Bangladesh2015/08/01 21:32

 44年前の今日、1971年8月1日。ニューヨークはマディソン・スクェア・ガーデンで、The Concert for Bangladesh バングラデシュ救済コンサートが行われた。当日は日曜日で、午後2時30分からと、8時からの2公演が行われた。
 今となっては一般的な、チャリティ・コンサートの先駆けであり、ジョージ・ハリスンがその友情の力を見せつけた象徴的な出来事もでもあった。

 豪華な出演者による素晴らしい演奏の連続だが、その準備期間は非常に短かった。8月1日の本番に備えて、リハーサルが始まったのは7月26日から。エリック・クラプトンがドラッグの影響で体調も悪く、ギリギリまで来なかったり、ディランが尻込みしたり、コンサート前日のリハーサルまで、ジョージはやきもきしたことだろう。
 コンサートのプロダクション・マネージャーのジョナサン・タプリンと、ライティングのチップ・モンクは、ジョージとザ・バンドの交流で知り合い、参加することになったそうだ。

 このCFBで好きなシーンはたくさんある。いくつか抜粋してみる。

 まずは、"Here Comes the Sun"。ピート・ハムとのアコースティック演奏。この曲はオリジナルのレコード収録版がどうにもならないくらい最高だが、ライブ演奏としては、CFBでのパフォーマンスが一番好きだ。
 イントロを聴いた観客が歓声を上げ、ジョージがニコっとするところが良い。早めのテンポで過剰演出はせず、一気に最後まで駆け込むのが格好良い。そして終わると同時に上がる轟音のような歓声がこれまた素晴らしい。



 実は私は一番泣きそうになるのは、ジョージでも、ディラン様でもなく、ビリー・プレストンの "That's the Way God Planned It"
 これは映像で見るのが一番…だが、動画には無い。ぜひともDVDを購入して、凄さを実感して欲しい。踊り出して前へ飛び出すプレストンを見ながら笑うジョージと、その幸せな気持ちを共有せずにはいられない。



 レオン・ラッセルの "Jumpin' Jack Flash" も格好良くて大好きなのだが、動画がない。その代わり、面白いものが上がっていた。



 実はこれ、DVDのエクストラ・映像のメニュー画面。"Jumpin' Jack Flash" のリハーサル風景だ。
 やっと来たクラプトンから、ジョージ、ドン・プレストン、何か相談しているジェシ・エド・デイヴィス、カール・レイドル、ビリー・プレストン、そして本番のステージではなかなか映らなかったコーラス隊の姿が明るく見える。面白いことに、肝心のレオン・ラッセルはここでは映っていない。
 これはこれで、短いがとても格好良い。本番はリンゴと、ジム・ケルトナーのダブル・ドラムが見た目もサウンドもイカしていて、これまた最高。

 やはりこのコンサートに出ている一人でも好きな人がいれば、絶対に買うべきDVDだろう。一度、大きなスクリーンと大音響で観賞してみたい。