The Teddy Bear's Picnic2013/08/22 21:12

 人に教えてもらって、ニッキー・ホプキンスの伝記というものがあることを知った。最近はペイパーバックにもなっているというので、アメリカのAmazonから取り寄せた。これが一番安い。

 ところで、Hopkins という名前はどう発音するのだろうか。日本語で表記する時、人によって「ホプキン」だったり、「ホプキン」だったりするのだが。
 シャーロック・ホームズに登場するスコットランド・ヤードの若い刑事は、スタンリー・ホプキン になっていることが多いと思う。
 辞書を引いてみると、発音記号の最後は、[z] なので、おそらく「ズ」の方が近いのではないだろうか。そのようなわけで、ここでは「ホプキンズ」とする。…どうやら一般的な表記ではないようだが…

 まだ冒頭を読み始めたばかりではあるが、読みやすい文章であることは間違いない。著者は、自らもミュージシャンである、ジュリアン・ドーソン。彼がドイツなどで有名なこともあって、このニッキーの伝記も、最初にドイツ語で発売され、英語はその後になったらしい。
ニッキー・ホプキンズと言えば、ロック界でもっとも有名で有能なピアニストだろう。60年代伝説のロック黄金期からその凄腕は知れ渡っており、ローリング・ストーンズとのコラボレーションは特に有名だ。
 私にとっては、やはりジョージとの交流関係が印象深い。伝記の最後にある索引で、自分が好きなアーチストの登場箇所をつまみ食いのように読むというのは、誰でもやることだが、ジョージの場合はそれなりにボリュームがありそうなので、つまみ食い読みはしないことにした。
 意外だったのは、トム・ペティという名前が数回出てくること。彼らに交流があったことは知らなかったので意外だった。交流というか…なんと言うか…そのことは、いずれ話題にするだろう。面白いのは、同じく凄腕ピアニストである、ベンモント・テンチが何度か登場することだ。

 さっき読み始めたばかり。まだニッキーは地元の音楽コンクールで優勝などしているところ。4人兄弟の末っ子で、幼少期から病弱で、カートゥーンが得意で、ジョーク満載の手紙を書き、そしてクラシック・ピアノの分野において才能を発揮している。

 ニッキーの活躍とロックスターとの邂逅はこれからなのだが、一番最初に印象深かったのは、クラウス・フォアマンによる前書きだった。
 クラウスは、まずこうニッキーの印象を描いている。

 小柄で、やせっぽちの、青白く、感じやすそうな彼は、まるで『不思議の国のアリス』から抜け出てきたような様子で、部屋に入ってくる。ピアノの前に座ると、その指で鍵盤をさぐり、いたずらっ子のような笑みを浮かべ、やがて "The Teddy Bear's Picnic" を弾き始める。

 クラウスは短い前書きの中で、ニッキーが一緒に仕事をした人を何人か上げているが、中でもジョン・レノンと、ジョージ・ハリスンは、ファミリー・ネーム抜きで、ファースト・ネームのみで想い出の向こうを語るように述べている。
 クラウスは本当に凄い。まず絵が抜群に上手く、音楽も出来て、話しも、文章もしっかりしていて、その上ちょっと格好良い。

 私はクラウスの言う "The Teddy Bear's Picnic" という曲を知らなかった。
 もとは、20世紀初頭にアメリカで作られた "Teddy Bears' Picnic" という曲で、ビング・クロスビーなども歌っている。ここではまず、最初の録音と言われている、ヘンリー・ホールのバージョンをどうぞ。



 間奏がいやに長い。
 面白いところでは、ジェリー・ガルシアが、デイヴィッド・グロスマンのマンドリンと一緒に演奏しているもの。そういえば、私のウクレレの先生が、マンドリンのお勧めとして、ガルシアとグロスマンをあげていた。



 クラウスによると、ニッキーはこの曲を何かの合間などに、よく弾いていた。クラウスは、ジョンやジョージと一緒に過ごしたニッキーのこと、ハリー(・ニルソン)との最高にイカれた瞬間を思い出す。あの忘れがたい、"The Teddy Bear's Picnic" とともに。

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