Waltzes / F.F. Chopin2013/04/16 22:05

 ピアノは、一年以上バッハの平均律ばかり弾いていた。
 そろそろ新しい(この場合「時代が新しい」という意味)曲でもやろうという事になり、久しぶりにショパンを弾くことになった。しかも、ワルツ。

 ショパンのワルツと言うと、おそらくほぼ全てのピアニストにとって、初めて弾くショパンが、ワルツだったに違いない。私もそうだった。
 ショパンの内でも、技術的には易しい方で、上手い子供なら小学生でも弾けるらしい。しかし、ショパンだけは中学生になるまで弾かせないという先生も多いらしい。私の先生もそうだった。
 13歳の時、はじめてショパンを弾いたあの感動は忘れられない。それまでに弾いていたどんな音楽とも違う、独特の雰囲気にドキドキしたものだ。メランコリックで、アンニュイ。子供にはない大人の憂鬱、悲しみ ― 確かに、中学生にでもならないと表現し切れないだろう。
 技術的にも、半音を駆使したメロディに、飛躍の多い和音。しかも微妙なバリエーションが加わる。とにかく、世界が違う。

 久しぶりにワルツを弾くと言うことで、中学生のころに使っていた楽譜を引っ張り出した。親に買ってもらった、音楽之友社(通称「おんとも」)版。収録されているのは、14番まで。
 数えてみると、8曲弾いていた。有名な「子犬のワルツ」も含まれる。まずは、アルトゥール・ルビンシュタインの演奏で、「子犬のワルツ」。英語では、"Minit Waltz" と呼ばれているそうだ。短いからだろう。



 「子犬」は可愛らしくて良いのだが、やや脳天気で、ショパンの真骨頂という感じはしない。私も得意ではなかった。どちらかというと、モール(マイナー,短調)の暗い、メランコリックな曲の方が得意だった。
 今回は、中学生の時に弾かなかった、14番を弾くことにした。編集によっては、別の番号をあてがわれる場合もある。「遺作 (Posthumous)」というと、普通はこの E-moll(Eマイナー,ホ短調)のことではないだろうか。
 遺作といっても、死に際に作曲したということではなく、ショパンが生前に発表しなかったという意味で、この曲の作曲年は1830年。ショパン20歳の作曲で、かなり若い頃の作品の部類だろう。
 20歳でこのアンニュイな音楽!天才というのはやはり凄い。



 華やかでダイナミックな曲調でありながら、暗さもある名曲だ。プロのピアニストもよく演奏会で取り上げる。久しぶりに聞いてみると、中学生のころ、憧れた曲だったかも知れない。
 当然というか、何というか、中学生のころよりピアノは下手になっている。どの程度弾けるか、甚だ不安だ。

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