A Long December2010/12/24 23:48

 北緯31度、12月末のベツレヘムの厩は、出産には寒すぎやしないかと、極端な寒がりの私は思わないでもない。天文学者によれば、イエスが生まれたのは9月でないかとか、羊飼いが12月に羊を放牧しているはずがないとか ―   とにかく12月25日はクリスマスで、厳密には前夜祭である24日の日没以降から、クリスマスとするらしい。一年で一番大きな行事を、一年の最後に「祝いたい」という心理は良く分かる。実際、それで2000年近く、多くの人が盛り上がり続けているし、そのおかげで優れた音楽も沢山つくられた。

 ただし、ロックという音楽ジャンルにおいては、あまりクリスマスの名曲というのは多くないと思う。音楽がもともと持っている性格として、あまり向いていないせいではないだろうか。
 そんな中で、この時期の音楽をふたつ。

 ひとつは、以前にも紹介した、ザ・ポーグズの "Fairy tale of New York"。欧米でロック・ポップスの人気クリスマス・ソング投票をすると、必ず上位に入るそうだ。それも納得の名曲。私も強いて1曲だけロック・ポップス部門でクリスマス・ソングを選べと言われれば、この曲を選ぶような気がする(そこで私がTP&HBを選んでも、フェアに判断したとは思われまい)。
 この曲は、ライブ映像は見ずに聴くのがお勧め。



 特にクリスマスと限定していないが、12月の音楽としてどうしても外せないのが、カウンティング・クロウズの "A Long December"。これまた、私にとっては、カウンテイング・クロウズで一番好きな曲。スタジオ録音も素晴らしいが、 [Across a Wire / Live in New York] 収録の、ライブもさらに感動的。コーダの盛り上がりなど、さらに最高。
 切なく、悲しく、でも絶望しない、いかにもロック的な美意識がよく出ている曲だ。胸がいっぱいになって、最後に泣くようにシャウトして、それでも美しくて強いというのは、ロックの特権だろう。



 アダムが…と、言うか全員が…細い…。

 この時期になると、面白いスポーツもやっておらず、テレビはつまらないスペシャル番組ばかりでうんざりしがちだ。しかし、その間隙を突いて、たまに面白い番組があったりするので、困る。げんに今、NHKでやっているNHK音楽祭,ヤルヴィ指揮の「運命」が面白すぎる。たしか、近くディランの [No Direction Home] も放映するはずだ。
 今度の日曜日は、私が唯一腰を入れてみる日本のお笑い番組M1と、フィギュアスケート日本選手権と、「坂の上の雲」が重なってしまった。どうしよう。しかも、N響アワーは、ショパン・コンクール・ウィナー,ユリアンナ・アヴディーエワだ!何も一日ですべてをやることもあるまいに。

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