Finding Out2024/11/03 22:03

 本来はもっと早くこの記事を書くつもりだったが、ビジネス・デイはチャレンジングでハード。かなり遅くまで働く日が続き(work from home であることが救い。仕事を終えて30分でシャワーを浴びて就寝できる)、今日になったら今日になったで、地球の裏側の F1 予選がとんでもないことになって大騒ぎをしている。しかも、日本プロ野球も横浜が1998年以来の日本一。
 ほんとうに、色々なことが一度に起きる。あと二時間半で F1 の決勝だ。

 今回の [Long After Dark] のデラックス・エディションに関して、私は完全に誤解をしていた。Bluray discが付くと聴いた時点で、動画が収録されていると信じて疑わず、即ち例のトムさんが首にブルーのバンダナを巻いている "French TV" とやらの完全版とかが、収録されると思ってウキウキしていたのだ。
 平日の激務の後、いよいよと思って Bluray disc を再生してみて、ぽかんとしてしまった。ただの静止画コラージュとサウンドだけではないか。
 これは私がどこかでメニューを間違えたに違いないと思って、人に訊いてみると「Bluray Audio って書いてあるでしょ。そもそも動画が収録されているとは報じられていない」と言われて、しばし目が点になり、そして悶絶した。ええ、私が馬鹿でしたよ。

 気を取り直して、公式が YouTube にアップしている、いわゆる "French TV" を鑑賞する。昔から思っているのだが、金髪サラサラに青いバンダナのトムさんが、ゴールデン・レトリーバーに見えて仕方がない。
 しみじみ思うに、私にとってトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズのベストメンバーは、ハウイとスタンのいた時期だった。バンド全体に若さがみなぎっていて、ロックンロールで、コーラスワークが最高に充実している。スティーヴ・フェローニと比較してスタンのドラミングに難ありとする人も居るが、私はそれほどとは思わず、むしろ躍動感があって、溌剌としていて好きだ。スタンのドラミングが合わなくなったのは、すなわちトムさんの変化ゆえであり、歩調を合わせるマイクやベンモントの変化ゆえだったのだと思う。

"Finding Out" はマイクとトムさんの共作らしく疾走感があって、すごく格好良い。



 マイクの手つきが無性に好きだ。私は手に ―― 特に男性の手に魅力を感じる性質で、とりわけマイクのこの手つきがたまらない。ジョージも同じような手をしているが、細くて骨張っていて、指の間がしなやかに伸びて離れている。そういう手が好きで、実は自分がピアノを弾くときも ―― 骨張ってはいないが ―― 類似の手をしている。
 トムさんのマイクを見るまなざしが愛しくていい。「良いギタリストがいるなぁ」という視線。初めて会ったときから、こいつを絶対に離さないを決めたトムさんの意志は、その後何十年と、彼らの人生とロックンロール・ミュージックを、より豊かなものにしたに違いない。

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