You're Going to Lose That Girl2015/06/14 16:05

 6月7日に、UKの俳優クリストファー・リーが亡くなったという。
 ドラキュラ映画や、最近では某ファンタジー映画への出演でも有名だが、私はファンタジーに興味がない。リーというと、まず思い浮かぶのは、1973年の映画「三銃士」のロシュフォールだ。
 アレクサンドル・デュマの「三銃士」は何度か映像化されているが、おそらくこのリチャード・レスター監督の作品(後半は別タイトルの作品「四銃士」となっている)を越えるものは未だに出ていないだろう。リーの演じるロシュフォールは原作とはかなり違うキャラクターだが、悪役としてその後の三銃士作品にも大きな影響を及ぼした。

 「三銃士」「四銃士」の監督リチャード・レスターは、言わずと知れた、ビートルズ映画 [A Hard Day's Night] ,[Help!] の監督である。そもそも、この「三銃士」シリーズは、ビートルズへのプロモーション作品として企画されたらしい。実際にはその必要もなくレスターはビートルズ映画を撮ることになり、「三銃士」の制作は70年代に持ち込まれた。
 考えてみれば、元気いっぱいの男子四人が大活躍する冒険活劇だから、ビートルズにアピールするには良い素材だっただろう。実際、ビートルズで三銃士をやったら面白そう。アトスはジョン,ポルトスはリンゴ,アラミスがポールとなれば、当然ダルタニアンはジョージだろう。それとも、リンゴがダルタニアンかな?

 [A Hard Day's Night] と[Help!] とで言うと、[Help!] の方が断然好きだ。ビートルズの音楽のみならず、UKのコメディ作品としても最高。私が最初に、「ビートルズの中で一番格好良いのはジョージだ」と気付いたのも、この作品だ。
 有名な演奏シーンもたくさんがあるが、一番好きなのは "You're Going to Lose That Girl" のシーン。いつものスタジオでの録音シーンということで、他の演奏シーンとくらべて特に趣向がこらされていないが、映像がとても美しい。
 この動画は、スペイン語字幕つき。



 曲も大好き。初期から中期にかけてのビートルズの良いところが凝縮されている。シャウトはないが、ジョンの声の格好良さが堪能できるし、ポールとジョージのコーラスも美しい。
 曲の構造は単純なようで、転調が多く、色彩の微妙な変化がサウンドに反映されていて凝った作りだ。

 映画としては、演奏が終わるとプロデューサーが、「Boys! 雑音が入っているぞ」とコントロール・ルームから呼びかける。ジョン,ポール,ジョージが「俺じゃない」「俺の顔を見るな」と言っているうちに、リンゴとドラムセットの周りが電ノコで切り取られ、ドッカーン!と落ちてしまう。ジョンが一言、「お前だな、この野郎」…他に言うことがあるだろう。

 これを見ると、また [Help!] が見たくなる。そして、"I Need You" でジョージの格好良さにもんどり打つのだろう。

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