Insider2015/01/25 21:36

 ローリング・ストーン誌に、スティーヴィー・ニックスのインタビューが載っており、サイトには "Gypsy" をピアノを弾きながら歌う姿がアップされている。

Stevie Nicks Looks Back: Inside Rolling Stone's New Issue



 私は彼女や、彼女のバンドのファンというわけではなく、トム・ペティ関係者として見ている。そもそも、彼女の存在を知ったのは、トム・ペティを通じてだ。
 この演奏は、最低限のピアノ演奏に、素晴らしい歌声がよく映える。圧倒的な存在感、歌唱というものの凄さ、その才能を思い知らされる。ピアノに関しては、あれくらいしか弾けないのかも知れない。あの爪と指輪じゃ、無理だろうなぁ。

 インタビューには、彼女が以前酷いコカイン依存症だったことが語られている。

 「私たちはみんな、ドラッグ中毒だった。特に私が一番酷かった。若かったし、危なっかしかった。それで大量のコカインをやっていた。」

 このコメントの後に、"And I had that hole in my nose. So it was dangerous." とあるが、この「鼻に穴」というのがよく分からない。「鼻の穴にコカインをつめていた」…かな?ニール・ヤング状態?何にせよ、ドラッグ中毒のため、非常に危険な状況だったということ。
 記事は、さらにこう続く。

 「ぼくはできる限り、彼女を助け、良くなるように助言していた」と、トム・ペティは語る。「彼女のことがとても心配だった。あの頃はもし電話が鳴って『スティーヴィーが死んだ』と言われても、驚かなかっただろう。」

 突然、トムさんのコメントが挟まるのはどういうわけか。別の機会にそういう話をしていたのか、それとも今回取ったコメントなのか。
 ともあれ、それほど当時のニックスの状況がシリアスだったということ。トムさんも、ハートブレイカーズも、友人が、偉大なミュージシャンが命の危険にさらされていることに、心を痛めていただろうし、他人事ではなかっただろう。

 ともあれ、ニックスは今日まで生きながらえ、新譜を作り、ライブをやっている。友人たちを酷く悲しませることもなく。

 ニックスとハートブレイカーズというと、まずは "Stop Draggin' My Heat Around" なのだろうが、私個人としては、"Insider" が好きだ。
 最初、この曲をニックスの曲としてあげる予定だったものだが、トムさんが惜しくなってしまい、あげるのを止めたという。アルバムに1曲は入っていて欲しい、スローバラードだが、甘すぎず、軟弱すぎず。美しくて力強いところが良い。



 ソロも無いのでマイクがあまり目立たないが、チラっと映ったときにニコニコしているのが印象的。このギターは何だろう。ちょっと見慣れない。
 私はこの曲をライブでやっているのを、実際に見たことがない。ニックスがいないとやらないだろうか。トムさん一人のリードで、スコットのコーラスで構わないし、オリジナルには無いマイクのギターソロなぞ入れて、演奏してみてほしいものだ。