Cats2015/01/13 22:04

 ディラン様ラジオこと、[Theme Time Radio Hour]。前回のテーマは "Cats"。ねこさん。ちなみに、私には動物を飼ったり特に愛でたりする趣味はない。

 ねこさんとジョージ。



 おおお…かわいぃぃぃぃぃ…!!ジョージが…!!!

 今回、ストーンズの "Stray Cat Blues" も流れたのだが、ええと…これです。



 食べるの?それ、食べるの?

 一番面白かったのは、"cat" という言葉を使ったグラマーな女性の話題。ピーター・バラカンさんも解説している。いろいろな女優の名前があがる中、最後にダイアナ・ドースの話になる。
 ディランによると、誰でも、家に彼女の写真があるはずだと言う。
「ウソだと思う?」
 ビートルズの [Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band] のジャケットにその姿がある…と言われるとすぐにピンと来るのが、右端にいる黄色のドレスのグラマーな女性。
 そこで、ディランがひとこと。「おっと、俺がいる。」 ― わぁお。

 もう一つ興味を引かれたのは、ごくごく短い下り。渋いナレーターの声が…
「昔、ディック・ウィッティントンという貧しい少年がおりました。忠実な飼い猫,リップル・ディーディーの他には、何も持ち合わせていませんでした。」と語る。
 どうやら、子供向きのラジオかレコードの冒頭らしい。これについて何も解説はなかったが、どうやらこれは、ポール・ウィングという人によるレコードを一部流したようだ。



 リチャード(ディック)・ウィッティントンというのは、1354年生まれ、1423年に没した実在の人物で、生涯に三度、ロンドン市長を務めた、裕福な商人である。時の国王との結びつき ― 戦争費用の融通など ― を持っており、シティの発展に尽くしている。
 だが、彼が有名なのはその市長としての活躍ではなく、イングランド人なら誰でも知っている童話の主人公だからだ。
 短く説明すると、文無しで大店に丁稚奉公していたウィッティントン少年が、貿易に出かける船に自分のネコを乗せたところ、行き着いた「ネコがいなくてネズミの害に苦しむ国」で、このネコが高額で買い取られ、ウィッティントン少年は大儲けをし、さらにはその大店のお嬢様と結婚して跡取りになりましたとさ…という、英国版わらしべ長者のようなお話。
 ネコで幸運を掴んだ少年として ― しかも大人になってからはシティを代表するロンドン市長に三度も就任するという成功者となるお話のため、ウィッティントンはいつもネコと関連づけられている。
 英国で有名なお話と言ったが、ディランが番組で物語りの冒頭を流した以上、アメリカ人にも知られた話なのだろうか。