Carol, Jack the Ripper2013/12/21 21:52

 まだ、公式発表ではないが、どうやらボブ・ディランが来日するらしい。

ボブ・ディラン来日公演決定の模様

 わぁお!やったぁ!半年もしないうちにディランを見まくり!…だが、Zeppという場所が…良くない…。不便だし。スタンディングだし。音も良くないし。ロイヤル・アルバート・ホールでゆったり、最高の音で味わうとなおさら。
 しかし、来てくれるのだから贅沢を言ってはいけない!第一、チケットが取れるかどうか、怪しい。前回、本当に取るのが大変だった。

 ディラン様ラジオこと、[Theme Time Radio Hour] は、2週にわけてクリスマスと新年の特集回。ディラン様もカバーした "It's must be Santa" のオリジナル(?)などがあって面白い。お気に入りの曲なのだろう。

 ディラン様ラジオのお楽しみ、いろいろな雑学をディランが語るコーナーで、こんな話があった。

 クリスマスの伝統的な歌のことを、「クリスマス・キャロル」という由来 ― 伝説によると、ある年のクリスマス間近という頃、ロンドンでキャロル・ポールズという少女が行方不明になった。彼女を探す人々は、家々のドアを叩いては、キャロルが居ないか、キャロルを知っていないかと尋ねて回った。
 しかし、ちょうどその頃、「切り裂きジャック」事件がロンドン市民を恐怖に陥れていた。ドアを叩く訪問者を、みんな怖がって開けてくれない。そこでドアの前でクリスマスの歌を歌い、危険ではないと知らせて、ドアをあけてもらったと言う。
 結局キャロルは行方不明のままだったが、その後、彼女の名前にちなんで、家々の前で歌われるクリスマスの歌を、「キャロル」と呼ぶようになった ―


 ピーター・バラカンさんはどうして「キャロル」というのか不思議だったので、「勉強になります!」とコメントしていた。私も一瞬「なるほど、そうなのか…」と思ったのだが、次の瞬間には、「…嘘だな。」と思った。

 Jack the Ripper 事件は、1888年である。シャーロック・ホームズと同時代。それ以降、「キャロル」と呼ばれたということになるが、すぐに思いつくのは、ディケンズの小説「クリスマス・キャロル」。この小説の舞台は、決して1888年以降ではない!…と、とっさに思ったのだ。
 後で調べてみると、ディケンズの「クリスマス・キャロル」は1843年。40年以上も前なのだ。ググってみると、やはり私と同じ根拠でこの伝説を否定する記事が多い。
 ディランがディケンズの小説を思い浮かべず、さらに時代を勘違いするとも思えない。「伝説によると」と前置きしていたので、ディランも真実だとは思っていないのだろう。ただ、面白い話なので、採用したと想像する(この番組にはリサーチ・チームもある)。

 ちなみに、「キャロル」という言葉の語源については、Wikipedia にはフランス語の "Caroller" や、ラテン語の "Choraula" という説が載っていた。

 ピーター・バラカンさんは、ディラン自身の曲として、"Winter Wonderland" を流したが、私の希望は、やはり "It's must be Santa"。ディラン様自らロン毛ヅラで熱演(?)。やっぱりサラサラ直毛に憧れているのかなぁ…