Nelson Mandela2013/12/06 21:58

 帰国してから、大きなニュースと言えば、ストーンズの来日決定。
 来る、来るとは聞いていたが、いよいよ正式な発表となり、チケットの応募も始まった。チケットの高さに目玉が飛び出しているが、経済を活性化させると思って、払うことにする。当選すればだが。
 それにしても行きたい!

 そして今朝のニュースと言えば、ネルソン・マンデラ氏の死去。前から体調が悪いと伝えられていたが、とうとうその時が来たのだという感じ。
 ともあれ、マンデラ氏の生涯について、私がいまさら説明するような事は何一つないだろう。

 ロンドン滞在中、ロイヤル・アルバート・ホールの見学ツアーに参加した。観客の入っていない、ガランとした、スタッフさんたちだけが行き来するホールを見るのは、とても楽しい。
 そして、女王陛下が使うロイヤル・ボックスも外側から見せてもらった。
   このロイヤル・ボックスに女王陛下が来るとき。それがどんなノリの良い音楽だろうと、周りの観客が踊り浮かれていようと、女王陛下と同じボックス内の人々だけは、微動だにせず、決して踊らないのだという。

 「ところが、例外が一人だけ居たのです!」

 ガイドのお姉さんはそう言って、廊下に飾ってある写真の1枚を示した。



 1996年7月11日、当時の南アフリカ共和国大統領ネルソン・マンデラその人だった。
 なんでも、マンデラはステージ上で音楽が始まるなり、ウキウキと踊り始めたのだと言う。その隣りで女王陛下はいつものむっつり顔で不動でいたそうだ。
 後で誰かがマンデラに「あれはまずかった」と言ったらしく、彼は落ち込んでしまったらしいが、これは良いエピソードだろう。
 実はこの話、去年のTP&HB前にも同じくツアーのガイドのお姉さんが話してくれた。ロイヤル・アルバート・ホールにとって、とっておきの良い話に違いない。

 マンデラがまだ獄中にいたころ、彼の70歳の誕生日を祝って ― そして彼の解放と人種隔離政策の撤廃を求めて、ロンドンのウェンブリー・アリーナでトリビュート・コンサートが行われた。
 参加者の名前を見ると、音楽的には私の好きなアーチストがあまり居ないのだが、ビリー・コノリーや、スティーヴン・フライ、ヒュー・ローリーなどのコメディアンの存在が気になる。
 そしてモンティ・パイソンのグレアム・チャップマンの名前もある。グレアムは翌年に亡くなるので、このとき、どんなことをしたのか非常に興味がある。

 コンサートのフィナーレは、ジェシー・ノーマンが務めた。
 ジャンルとしてはクラシックに属するノーマンにとって、このコンサートへの出演は勇気がいったと言っている。とにかく、彼女は圧倒的な "Amazing Grace" を歌ったのだ。
 私はこの映像を、音大時代に学校で見た。ワーグナーを歌うノーマンより、この "Amazing Grace" のノーマンに圧倒された想い出がある。