目指せ!ユークでロック・フォーク・アイリッシュ2012/05/01 21:12

 今年こそはやるぞ!…と思いつつ、実行に移せていないということは、誰にでもあることだ。
 代表的なところでは、英会話、ダイエット、ジョギング、部屋の片付け…などなど。私の場合、ここ数年ずっと、「ウクレレ」と思い続けてきた。

 そもそも、なぜウクレレなのか。

 私は音痴だが、楽器に対する感覚は悪くない。ピアノはキャリアが長い分だけ最低限は弾けるし、管楽器もこれまでモダンフルート,バロックリコーダー,ホルン,龍笛,ティンホイッスルと、それなりにこなしてきた。打楽器でさえ、能楽の小鼓(幸清流)を、満足の行く程度までは稽古していたのだ。
 しかし、弦楽器となると ― (厳密に言うと、ピアノも(打)弦楽器。ここで言う「弦楽器」は、ネックを持つ構造の弦楽器を指す) ― これまで、一度もやったことがなかった。ヴァイオリン属(擦弦楽器)はまともな音を出す自信が皆無なので、端から視野に入れていない。

 では、撥弦楽器は?そう、ギターだ!ロックンロール・ファンとしては、ギターはどうしてもやってみたい!
 しかし、ギターに関しては演奏不能という簡単に答えが出た。私は極端に体格が悪いのだ。特に手が小さい。ピアニストとしても致命傷というくらい、手が小さい。最大限でもオクターヴしか届かない。そのために、アイリッシュフルートを断念したという経緯もある。ギターとなると、ネックが太くてどうしても指が届かない。
 第一、ギターのボディを体の中心に構えると、ヘッドが体からはるか向こうに位置してしまい、演奏するどころの騒ぎではなくなる。このことは、雅楽の琵琶でも経験した。

 ギター演奏不能。と、なれば当然挙がるのが、「小さなギター」という選択肢である。そう、ウクレレだ!
 なんといっても、我が最愛のジョージ・ハリスンが、ウクレレ・プレイヤーではないか!ウクレレ大好き、ジョージ・ハリスン。まるで行商人のようにウクレレを大量に抱えて各地に出没し、友人という友人にプレゼントしまくる。トム・ペティさんなんぞ、一週間で4つもウクレレをプレゼントされた!
 私はハワイアンには全くが興味がない。目指すは、ウクレレでロック!フォークロック!ゆくゆくはアイリッシュを…!夢は膨らむ。呼び名も、ウクレレよりも「ユーク」の方がそれらしいよね。

 そんな折、私は楽器屋さんで運命的な楽器を目にする。

 マーチンのウクレレ。マーチン・ユーク!

 マーチンですよ、マーチン!ディラン様も、トムさんも、ジョージも、マイクも、みーんなマーチン・ユーザー!私もこれを買って、マーチン・ユーザーになるのだ!
 マーチンだけじゃないぞ、そのうちにギブスンとか、ゼマイティスのハート型とか…!  と、言うわけで今となっては値段を覚えていないが、速攻でマーチン・ユーク・オーナーになった。

 

 しかし、それから実際に演奏を始めるまでが長かった。残念なことに、せっかくのマーチンも弾かれることなく、おきっぱなし。
 これはいかん。私は高い英会話をやめたのを機に、一念発起した。そして、つい先週末から、ウクレレの個人レッスンに通うことになったのだ。だいたい、月に1回ペースで、1時間の個人レッスン。
 グループ・レッスンにしなかったのは、私の音楽嗜好がかなり変わっていて、人と合わないから。ハワイアンに興味が無いし、日本の歌謡曲や童謡も演奏したいとは思わない。私が目指すロック・フォーク・アイリッシュ路線は、個人レッスンでしか叶うまい。

 このとんでもない音楽嗜好の生徒の出現に、先生は大変驚かれた。…それはともかく。私はチューニングの仕方を覚え、弦楽器用のチューナーを買った。なぜか、チューナーは3台も持っている。
 音楽理論上は、頭が完全にピアノの五線譜構造になっている私は、コードに弱い。C、F、G、Am、 Am7、C7 までは分かった。分かったけど、素早く指は動かない。大汗をかきながら、「あー!」とか、「うー!」とか唸っている。それでも、完全な初心者の初回にしては上出来だとの評価で、気分を良くしている。
 宿題は、Moon River。・・・これ、すごくコードが難しくありませんか・・・?!さてはて。
 譜面も、コード表もタブ譜も見ずに、芝生でくつろぎながら適当にウクレレを弾いて楽しむジョージの真似が出来る日は来るのか?こないだろうけど、近づくのか?

 どうでも良いことだが、せっかく習うのだし、テンションを上げるために、例のマーチンのウクレレに、名前をつけた。

 マーティン・フリーマン Martin Freeman

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