ピアノの椅子2011/07/19 22:04

 日曜日は、一年半に一度のピアノの発表会だった。私は重度の Stage-Frightのため、毎回ろくでもない演奏をしている。
 それでも今回は、モーツァルトのピアノソナタから、c-moll の第一楽章のみ…という私に向いている要素の曲を選んだため、あまり無理の無い範囲で、マシな演奏をしたかなぁと思っている。
 発表会には色々とやっかいな事があるが、いつも自宅で練習しているのとは環境も楽器も違うところも、難しい。ピアノが違うというのは、当然大きい。さらに、椅子もいつもとは違う。これも緊張していると気になる。素人のピアノなのだから別に椅子に左右されるこなど無いのだが、本番の恐ろしさのもとでは、こういうことに気を取られがちだ。

 ピアノの椅子にも色々種類がある。私が子供の頃には、まだベルベット張りの丸い椅子が時々見られた。グルグル回して高さを調節する。房飾り(フリンジ)がついていて、外見的にはエチゼンクラゲそっくりだった。
 しかし、さすがにまともにピアノを弾こうと思ったら、エチゼンクラゲには無理がある。たしか、私が最初についた先生に命じられて、親はエチゼンクラゲを買い換えたような覚えがある。

 ピアニストがよくリサイタルなどで使っているのは、こういうタイプ。



 フカフカしていてゴージャズな作りなのだが、私は苦手だ。座面がフカフカしていると、体重移動がしにくく、腰に負担がくるので疲れる。特に私は腕が並よりも短いので、特に体重移動は重要なのだ。
 さらにこの椅子のやっかいなところは、座面の高さ調節が面倒なこと。左右のダイヤルを回すと少しずつ上下するのだが、どっちに回せば上がるのか、下がるのかが判然としないため、すばやい調整には向いていないのだ。発表会の時など、その調整でモタモタするのは避けたい。

 その点、このよく見るタイプの椅子は、上下調節が早くて良い。



 おそらく、ヤマハが多くこのタイプを出しているのだと思う。座面も堅いし、上下調節がしやすいので、人気がある。ただし、背もたれはピアノを弾く分には無用だと思う。さらに、左右の幅が狭いのもやや難点。

 私が愛用しているのは、このタイプ。愛器(椅子もそういう言い方をするのか?)は、ピアノと同じカワイ。



 座面が堅く、左右に幅があるし、上下調節も楽。おそらくこれが一番使いやすい。背もたれは使わないし。

 ピアノには連弾というものがあって、椅子を二つ並べなければいけない場合、私が愛用しているタイプは、やや幅が広すぎるかも知れない。かと言って、椅子を二つ並べるのも鬱陶しい…と、したらこれ。



 さらに横長タイプなので、細ければ米国成人男子が二人で座っても大丈夫!象が踏んでも壊れない!(うそ)
 ちなみに、この細かった(一方に関しては過去形?)米国男子のお仲間ピアニストの椅子は、小さなステンレスっぽい丸椅子である。(エチゼンクラゲではない)あの人は、くるくる回りながら弾くので、クラシックピアノ用の椅子は向かないのだろう。