楽しい音痴2010/08/05 22:01

 何度も言うようだが、私は音痴だ。あまりの音痴加減に、音大進学が危ぶまれたほど。器楽 ― しかも複数の器楽に熱心なのは、この音痴のせいだと思っている。
 でもそんな音痴も、人の気持ちを楽にしたり、なごませたりする力もあるのだ。そのような訳で、楽しい音痴特集。

 トップ・バッターは、伝説の音痴、フローレンス・フォスター・ジェンキンス。歌っているのは、コロラチューラ・ソプラノの難曲,モーツァルトの「魔笛」より、夜の女王のアリア。
 比較のための、伝説の歌姫ルチア・ポップのお手本はこちら



 このもの凄い歌唱でも、本人は大真面目。お金持ちだったので(相続した遺産が莫大だった)、金にモノを言わせて、自分がやりたいことをやりまくった結果が、これである。しまいには、あのカーネギー・ホールでリサイタルを開いたのだから、お金の力おそるべし。

 お次は、日本から。ビューティペアの、「かけめぐる青春」。時代とは言え、タイトルからすでにかなり凄い。



 これは音痴とかそういう問題ではなく、歌を歌う職業ではない人が、公共の電波に乗って歌わされているというところがすごい。緊張のせいなのか、表情が地面に落ちている。私はプロレスに興味がないが、プロレスファンにとって、これはどうなのだろう?
 あの妙なダンス。ステップがジョージの "Blow Away"ビデオのダンスと同じであるという事は、一部で有名な話。

 オードリーの若林くんも有名な音痴だ。春日はそこそこ上手に唄うので、対照的である。そもそも、演技力があるのは春日であって、若林は基本的に大根だ。
 若林の歌唱を動画サイトで鑑賞しようとすると、バラエティ番組の要らぬ演出が入るので、醍醐味が削がれているため、ここでは割愛する。

 最後に、つまらないことでクヨクヨしている時に聞くと、人生が明るくひらける一曲。ヤクルトや阪神で助っ人として活躍した、トーマス・オマリーによる「六甲颪」。



 なんと言っても、歌っている本人が幸せそうで、自信たっぷりなのが良い。たたみかけるように、英語バージョンになっても音痴は継続されるところがミソ。
 ちょっと落ち込んだ時などには、よく効く。お試しあれ。