Famous Beethoven's 9th symphony2008/12/31 20:00

 ビートルズの映画の中では、"Help !" が一番好きだ。
 音楽的に素晴らしいのはもちろんだが、スラップ・スティック映画(ドタバタコメディ)としての出来も良い。この作品が、あのモンティ・パイソン出現以前というのだから、大英帝国はやはり凄い。それから、忘れてはならない重要な要素。この映画でのジョージは抜きんでて格好良い。

 謎の(…というか、けっこう可憐で健気な)宗教団体カイリ教徒から逃げ回る、かの有名なビートルズ。標的はかの有名なリンゴなのだが、迷惑しつつ、他の3人も付き合っている。  さて、4人が入ったパブにもまたトラップが仕掛けられており、リンゴは地下室に閉じ込められてしまった。しかも、そこにはロンドン動物園から逃げ出したかの有名な人食い虎が…!
 昔、千葉県警が虎狩りをしたことがあるが、今度はスコットランド・ヤードと帝国の誇りFab4が虎との対決。
 意外なことにこのトラ、かの有名なベートーヴェンの交響曲第9番,「歓喜の歌」を歌えばおとなしくなるのだ!



 あまり頼りにならなかったスコットランド・ヤードの警視、ここでは真っ先にドイツ語で第九を歌っております。
 いつの間にかその合唱は大観衆へと引き継がれ…と、言うのはいかにもブリティッシュ・コメディの王道。
 このシーンの最後に登場する大観衆。スタジアムには「トッテナム・ホットスパー」とあるので、どうやらトッテナム・ホットスパーFC(*)のホーム・グラウンド,ホワイト・レーン・スタジアムのようだ。

 それにしても。ジョンのハーモニカと一緒に第九とは、ずいぶんと贅沢な話。ジョージにビールをぶっかけられ、しかも脚を抑えてもらっている警視も羨ましい。
 私が知っているロンドン動物園は、たいてい動物が脱走しているか、盗まれているかのどちらかだ。

*注:ホットスパー Hotspurと聞いて、ヘンリー・パーシーと連想するあなたは、シェイクスピア・ファン。このクラブチームの前身チームの本拠地が、かつてヘンリー・パーシーの所領だったことに由来するらしい。