壮絶な人違い2008/11/01 21:20

 私が初めてレコードを買ったのは、12歳の時。ビートルズの[ 20 Greatest Hits ] 2800円だった。

 ビートルズが欲しいと思ったものの、何を買えばよいのかよくわからない。しかし、アルバムのタイトルを見て、大丈夫だろうと思って、購入したのだ。 "Love me do"から、"Let it be " まで、すべてレノン・マッカートニーのヒット曲ばかりを20曲網羅している。
 今思うと、ジョージの曲が一つも入っていないし、[Rubber soul ], [Revolver] からの選曲もない、凄いラインナップだ。しかも、"Hey Jude" は「ショート・ヴァジョン」という(5分7秒)不思議な長さになっている。"Yesterday" は有名な割に、ピンとこない曲だという感想を持った(いまも変わらない)。
 ともあれ、私はこのアルバムでビートルズの虜になった。

 このアルバムには、歌詞カードの表にビートルズ・メンバーの写真がコラージュになってついていた。


 しかし小学生だった私は、ビートルズのメンバーを見分けることができなかった。そこで、ディラン様と同じ歳の母に、「ビートルズで一番ハンサムな人は誰?」と尋ねた。すると、母は答えた。

「ポール。」

 そうか、ポールが一番ハンサムなのか。と、言うことは…


ポールに違いない。


 ポールとは思っていなかった。

 翌日から、私は小学校の友達に、ビートルズ布教をするべくカセットテープを渡し、更にコラージュの美男子を指さして、 「ほら、これがポール。格好良いでしょ?」と、言って回った。

 壮絶な人違いをしていたことに気づいたのは、かなり後になってからだった。

 それから、何十年後か。母と「クイズ・ミリオネア」を見ていると、みのもんたがこんな問題を出した。

「ビートルズが来日したとき、一番最初にタラップから降りたのは誰?」
 すると、母がテレビの前で即答した。
「ポール。」

…どうやら、母はビートルズと言うと、「ポール」ということになっていたらしい。ちなみに、正解も「ポール」だった。
 (私には皆目見当がつかなかった。ビートルズのアメリカ初上陸で最初に降りたのは誰だったか知っているけど…)

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