ベーゼンドルファーの日,もしくは思わぬ敵2008/07/13 22:56

 1年半に一度、ピアノの発表会がある。今日がそれだった。

 私はそもそもピアノが下手な上に、極度のステージ・フライト(舞台恐怖症)。本番で満足な演奏ができる機会は、稀だ。今日もプレリュードは酷い失敗。バッハはあんな曲は書いていない。アバンギャルドな小節を7つほど勝手に加えてしまった。
 フーガはまぁ、マシだったか。

 この発表会は、毎回ベーゼンドルファーのピアノが使われる。ウィーンに本拠地を持つ高級ピアノメーカーだ。
世界三大ピアノ(スタインウェイ,ベヒシュタイン,ベーゼンドルファー)とも言われるが、こういう三大ナントカというのは、誰が決めるのだろう。
 ベーゼンドルファーをまじまじと見て、一つ気になったことがある。が、それはベンモント・テンチ(TP&HB)を思い出させる事だったので、別の機会に。



 自分の演奏順が来る前は、ひどく緊張する。脂汗が出て、手が震え、膝もおぼつかない。こういう人前で演奏することへの恐怖は、どうしようもなく、とにかく押さえつけるしかない。
 落ち着け、大丈夫だ、それなりに練習もしたし、別に失敗しても金返せと言われるわけじゃない、大丈夫、大丈夫、落ち着け…かゆい…

 かゆい?!

 か、蚊が!出番を待つ私の周りに蚊がブンブン飛んでる!
 しかも腕とか足とか、グサグサ刺されとる!かゆい!かゆ過ぎる!こっちは本番前で、それどころじゃないだ!その憎き姿が射程圏内に入っても、今は演奏中。ぶったたくわけにも行かない。
 この時ほど、モスキート・ハンター兄弟,ハンクとロイ(*)が居てくれれば思ったことは無い。

(*) モスキート・ハンター兄弟,ハンクとロイ:「空飛ぶモンティ・パイソン」に登場する、ハンター。獲物は蚊や、蛾など。バズーカ砲,機関銃,戦車などを駆使して、虫けらを狩る。「手負いの蚊は危険だ!」