Everlasting Love2020/07/03 19:55

 ある映画 ―― 特にどうという映画ではないが ―― を見ていたら、"Everlasting Love" が使われた。
 有名な曲だし、聞いたことはもちろんある。

 もとはソウル,R&Bベースの曲だが、もっともヒットさせたのは、1968年 UK のロックバンド,ラブ・アフェアーのバージョンだそうだ。
 ロックンロールらしくはないが、格好良い。ちょっと、マンフレッド・マン風だろうか。



 その後、様々なカバー・バージョンが発表されたが、ロックの分野では U2 のカバーが面白い。
 さらに低音部の支えがしっかりしていたら、もっと良かったと思う。



 このほか、グロリア・エステファンのカバーもあるが、もはや過剰演出で、ラブ・アフェアーの良さの原型をとどめていない。
 結局は一番ヒットさせたラブ・アフェアーが一番良かったようだ。

In Liverpool2020/07/08 21:01

 7月7日は、リンゴ・スター,80回目の誕生日だった。おめでとう、リンゴ!

 ザ・ビートルズのドラマーとしてのリンゴはもちろん最高だが、ソロ・ミュージシャン,シンガー・ソングライターとしてのリンゴも素敵だ。
 特にオールスター・バンド結成以降、楽しい仲間が、「よってたかって」リンゴをもり立て、心温まる音楽をたくさん生み出している。

 デイヴ・スチュワートはそういうリンゴの素晴らしき仲間の代表だし、ハートブレイカーズのベンモント・テンチもリンゴ・ファミリーとしてすっかりおなじみだ。
 ここでは、[Ringo 2012] から、"In Liverpool" ―― 共作者はデイヴ・スチュワート、ピアノはベンモントが弾いている。



 ぼくと少年たち、仲間たちはファンタジーを生きていた ――
 実際のリンゴの少年時代は、病気がちでなかなか思い切り遊び回れるような物ではなかった。だから、この歌詞には、リンゴにとっての夢のようなものも、織り込まれているかも知れない。

Tom Petty Top 1002020/07/12 20:50

 Tom Petty Radio の企画で、大規模なトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ(トム・ペティのソロ楽曲を含む)のインターネット投票が行われ、トップ100が発表された。
 Tom Petty Radio で発表されたランキングを、日本のTP&HBファンサイトの Here Comes a Heartbreaker! が、サイト上にアップしてくださった。凄く面白いので、一度チェックしてほしい。

 トップ10は以下のようになった。

1. American Girl
2. Wildflowers
3. Free Fallin’
4. I Won’t Back Down
5. Learning To Fly
6. Mary Jane’s Last Dance
7. Breakdown
8. You Wreck Me
9. The Waiting
10. Runnin’ Down A Dream

 私の個人的な1位は、 "American Girl" なのだが、実は投票結果も1位になるとは、思っていなかった。
 ある程度の世代の人の間で、"Refugee" の人気が高く、こちらが1位になるのではないかと、推測したのだ。
 ところが結果を見ると、意外にも "Regugee" は11位。これはつまり、TP&HBのメンバーとほぼ同じ世代の、「同世代人」票よりも、さらに広い世代の人々にTP&HBのファンの票が分布しており、その中でも "American Girl" が象徴的なほどに人気が高いということを表している。

 一番意外だったのは、 "Wildflowers" の2位だ。このアコースティックで、おとなしい、優しい雰囲気の曲が2位というのは驚き。
 思えばこの曲は、トム・ペティ生涯最後になったツアーでも、選曲されている。
 ラフでやんちゃな、エレキ鳴り響く、元気なロックンロールとともに、人の心のデリケートな部分に、そっと寄り添うようなこういう音楽も、TP&HBの重要な要素として、人々に認識されていたことを証明した。



 私も投票に参加した。"American Girl"(1位),"Free Fallin'"(3位),"Learning To Fly"(5位),"The Walls (Circus)"(29位),"Echo"(51位)――
 "Echo" は下位に沈むと思っていたので、51位という中堅になったのも面白かった。

You've Got a Friend2020/07/16 20:11

 私が好きなスポーツは、野球,F1,フィギュアスケート。スケートだけが、シーズン・オフである。

 基本的に、フィギュアスケートという競技そのものが好きなので ―― 特にシングルと、アイスダンスが好き ―― 特定の選手に入れ込んでいると言うことはない。
 それでも、お気に入りのスケーターを挙げると、高橋大輔と鈴木明子だ。ふたりともシングルとしては引退しおり、高橋はアイスダンスに挑戦という、エイプリル・フールのネタを実現している。

 二人に共通するのは、やはり表現力だろうか。とにかく踊りが上手いし、表情が豊かで深い。
 高橋の場合は、その上ジャンプの踏切り、空中姿勢、着地が美しく、世界一と言われたステップ、伸びやかなスケーティングで、オリンピックでメダルを獲得するに至った。

 二人のファンである私にとって更に嬉しいことに、彼らは非常に親しい友人であり、同士であり、戦友だった。
 こういう、男女の友情には、ぐっとくる。恋愛関係ではなく、飽くまでも強い友情というところが、凄く良い。



 高橋が、鈴木に「いつまでスケートやる?」と尋ねた所など、泣きそうになる。
 最後は盤上で一人になる孤独な競技において、心の支えとなる親友にちらっと見せる、弱気のような、強がりのような、微妙な心の動き。キャロル・キングの "You've Got a Friend" は本当にしっくりくる名曲だ。

F1 GP 20202020/07/20 14:04

 問題は、F1である。
 開幕戦から軒並みキャンセルされ、7月のオーストリア2連戦から始まった。ハンガリー、シルバーストーン(2戦)、スペイン、スパ、イタリア(2戦)、今のところ最後はロシア。合計10レースのみである。
 カナダ、日本、シンガポールなどはキャンセルが決まっており、ヨーロッパ大陸以外でグランプリが開催されるかどうかは、不透明だ。
 いずれにせよ、今年は短期決戦ということになる。

 3戦終わったところで、もはやチャンピオン争いは、どうでも良くなった。
 いや、厳密には、もちろんボッタスに頑張って欲しい。しかし、無理っぽい。ハミルトンの強さたるや、メルセデスという車の性能以上のものを感じる。

 一方、フェラーリは最悪である。自分がティフォシじゃなくて、本当に良かったと思う。
 Tifosi ティフォシとは、「チフス」からくるイタリア語で、熱狂的なファンのことだが、主にF1の熱狂的フェラーリ・ファンのことを言う。
 私はセバスチャン・ベッテルのファンであって、ティフォシではないのだ。
 思えば、セブ&キミのコンビで、チャンピオン争いをしていた時期は、フェラーリの良き時代だったのだ。

 フェラーリは2月頃まで、セブとの契約継続の方針だったようだが、その後の情勢変化やらなにやら、ゴタゴタあった末に、セブとは今年で契約終了にしてしまった。セブはちょっとショックだったようだ。
 しかし、今年のフェラーリのだめさ加減を思うと、セブにとっては良い転機かも知れない。

 無論、情勢は甘くない。メルセデスやレッドブルに、セブのシートの余地はなく、中堅、下位のチームにしか、シートのチャンスはないだろう。様々な噂が飛び交う中で、最近出てきたのが、来年アストン・マーチンとなる、現レーシング・ポイントへの移籍の噂である。
 ペレスとの契約を反故にしてでも、セブと契約するか?ちょっと疑問だが、実現したら、セブにとっては良い話だろう。むしろ、ストロールをセブにすげ替えた方が良い ―― 一部川井ちゃんみたいなことを考えもするのだが、まぁ、それはない。ハンガリーのレースを見ても、ストロールだってそれなりに走れる。

 ハースはセブを歓迎するようだが、マシン的に問題がありすぎるし、チームの存続そのものが心配だ。
 一番笑えるシナリオは、アルファ・ロメオのジョヴィナッツィの代わりに、セブが入る(つまりライコネンとまたチームメイトになる)ことだが、まぁ、さすがにこれもないだろう。最大限言って、キミが勇退してセブが入るとか。

 セブのファンとしては、一番避けて欲しいのは引退。寂しい。
 あり得るとしたら、休養。ほかのカテゴリーに出ることも考えられるが、休養もありだろう。出戻りはライコネンや、アロンソ(来年)の例があるし、プロストに至っては休養して復帰して、チャンピオンになって引退した。
 私はもう、世界のどこかで、セバスチャンが幸せに生きていてくれさえすれば良い、という境地のファンなので、静かに彼の動静を見守ろうと思う。もちろん、良いレースをしてくれるに越したことはないけれど。

 あまりにもセブが好きすぎて、色々辛いので、ほかにも応援するドライバーがいると良いと思う。
 日本のメディアや、F1そのものが、フェルスタッペンを次のチャンピオンとしてフォーカスしているのだが、残念ながら私は彼のファンではない。何が良くないんだろう?顔かな。親かな。
 ライコネンは大好きだけど、セブより八つも年上。さすがにキャリアも、そろそろ終わりだろう。それにしても、レースが終わってみると、毎回チームメイトより上で終わっているキミ。さすがキミ。
 あと好きなのは…リカルド。うーん、往年の追い抜きロックンロール(右京さん曰く。川井ちゃんによれば「デスメタル」)は、最近鳴りを潜めている。
 ノリスとか、こういう世代の人を好きになると楽しみなんだけど…好きな飲み物 ミルク。嫌いな食べ物 寿司。なんだそりゃ…。

 何か、ないのぉ?!ジョージ・ハリスンとお友達とか、ビートルズとモンティ・パイソン好きとか!!
 UK つながりで、ラッセルとか?ラッセルは良いけど、問題はチームであって。やっぱり名門ウィリアムズにはその名を残して欲しいと思う。
 そうなると、最初に戻るが、ボッタスかな。頑張れ、ボッタス。少しでもチャンピオンを苦しめろ。ついでにフェルスタッペンを抑えろ。

 スポーツは、音楽と違って勝敗がある。さらにF1は政治,経済,技術のスポーツであって、入れ込むと辛い思いもする。それも含めて、このスポーツのファンなのだ。

All I Really Want to Do2020/07/24 21:17

 マイク・キャンベル先生は、相変わらず自宅で、ギターを持ち出しては、様々な動画をフェイスブックにアップしている。
 先日、リッケンバッカーの12弦を持ち出して歌ったのは、"All I Really Want to Do" ―― ボブ・ディランの曲の、ザ・バーズ・カバー・バージョンである。



 マイクにとって、この曲は真っ先にザ・バーズのバージョンが、思い浮かぶのだろうか。
 私もバーズのファンなので、大抵の彼らによるディラン・カバーは好きなのだが、この "All I Really Want to Do" に関しては、ちょっと違うな…と思った。
 それは確か、ディランやバーズを聞き始めた、学生の頃の事だと思う。

 そもそも、ディランの原曲が好き過ぎた。
 ギターのみで歌い上げる、素朴なプロデューシングだが、ディランの歌声、歌詞、すべてが大好きだった。特に、鼻をクスンと鳴らしたり、笑い出してしまったり、サビの歌い回しで遊んだりするのが、耳元でディランが直接歌いかけているようで、たまらなく好きった。



 その点、ザ・バーズのカバーは、ちょっと脳天気すぎのような気がした。
 もうちょっと哀切感が欲しいな…というのが、正直なところ。
 いま、改めて聞いてみると、それほど悪くもない。これぞ、バーズ。輝かしいギターサウンドに、美しいコーラス。そういえば、この曲はバーズにとって最初のベスト盤にも収録されていた。
 ディランのオリジナルにはどうしても敵わないが、これもまた60年代の黄金のロック・サウンドの一つだろう。

Forever Young2020/07/28 21:13

 1993年のデイヴィッド・レターマンのショーでの、ボブ・ディランによる "Forever Young" を見た。
 この時期のドラマーさんが好きだ。90年代前半のロックな感じで、大好きな [Unplugged] もこの人。

 やっぱりギター弾き語りのディラン様は格好良いなぁ。
 歌った後、客席に向かって指さして見せて、ニコニコしている。最高。



 私はてっきり、この曲はディランの三男である、ジェイコブ・ディランの健やかな成長を願って作られた曲だと、思い込んでいた。
 私のごく親しい友人の一人に、ジェイコブ・ディランの大ファンがいて、「この曲は、『ジェイコブたん』のための曲なのね❤」と、目をハートにしていた。一緒にボブ・ディランのライブに行ったとき、この曲が演奏されて、狂喜したものだが…
 いま、"Forevr Young" を Wikipedia で見ると、この曲は長男のジェシーのためのララバイだったと書いてある。…あれ?ジェイコブじゃなかったのか…?

 まぁ、どの子供のためでも良い。ディランがこの世に生を受けるすべての命のために、捧げた曲だということにしよう。

 ディラン自身が様々なバージョンで演奏している曲であり、カバーも多い。
 ここでは、ザ・ウォーターボーイズのマイク・スコットが、ボタン・アコーディオンと共演しているバージョンをあげる。
 途中から威勢の良いジグになるところが格好良い。