みんなで雅楽を2019/08/08 19:29

 きょうは、サントリーホールの小ホールで、先月亡くなられた芝祐靖先生のお別れの会が開かれた。職場が近いので、後半だけ参加してきた。

 故人の希望とのことで、暗くなりすぎないよう、本当に平服で多くの人が集まった。明るく、華やかに飾られた、明るい芝先生のお写真と、美しい笛。
 芝先生にゆかりの人のお話に、様々な演奏が会を構成した。
 興味深かったのは先生の写真の数々。どれもにこやかで格好良い。
 びっくりしたのは、90年代の八ヶ岳で、武満徹を囲んだ写真。私の同級生が二人、先生が三人写っているので学生の頃から知っていた写真だ。とても懐かしい。

 さて、たくさんの雅楽を愛する人を指導した芝先生のために、最後に参列者も加わって、盤渉調の越殿楽を演奏した。神式の葬儀で演奏される曲だそうだ。
 私は盤渉調の越殿楽を覚えてはいなかったが、とりあえず龍笛を持参し、譜面を持っている人の後ろからのぞき込みなら参加させてもらった。

 いや待てよ、見回すと・・・笙、篳篥、一番多い龍笛・・・これだけの大量の雅楽器が一斉に鳴り響く事なんて、普通想定されていない。一体どんな凄い音になるのか?!
 司会者が、「龍笛の六はセメではなく低くお願いします」と言うと笑いが起きる。セメというのは、1オクターブ高く吹くこと。大量の龍笛が六の音をセメを出そう物なら、楽器を吹いていない人は耳を塞いでひっくり返るのでは?

 私の心配をよそに演奏は始まり、司会者の注意も甲斐無く、甲高く鳴り響く龍笛!
 これがなかなか素晴らしい音だった。小ホールとはいえ、サントリーはサントリーだ。見事に音を受け止め、素晴らしい響きであった。
 芝先生もきっとお喜びだろう。写真の笑顔が、さらに明るく思われた。

 しめっぽくはなく、先生のお人柄が反映された、素敵な会だった。
 やっぱり雅楽はすばらしい。時間さえあれば、また習いたい。みんなで雅楽を楽しもう。