Friends of Mine2014/09/22 20:35

 ニューヨークへ行く前から行っている最中の数週間、iPodでは [Hypnotic Eye] と、TP&HBの2013年ライブ、それからスティーヴ・ウィンウッドのセットリスト曲を繰り返し聞いていた。
 ライブも終わり帰国して、さて何を聞こうかと考えたとき、特にどういう気分もなかったので、iPodに入っているアーチストのアルファベットを逆から聞いていくことにした。
 最初に The Zutons。その次に、The Zombies 。ゾンビーズはベスト版しか持っていない。もっともゾンビーズはメジャーデビュー後の活動期間が短いため、まともなアルバムは2枚しか出していないので、ベスト版でもかなりの網羅性があるのだが。

 ゾンビーズ。改めて聞いてみると良い。あの60年代に青春の情熱を傾けてバンド活動にいそしんだUKのキラキラと輝く少年たち。ロッド・アージェントと、クリス・ホワイトのソングライティングもなかなか良い物が揃っている。
 ライナーノーツによると「ジョン・レノンが彼らをプロデュースしたいと思った」そうだが、その出典は良く分からない。確かに、ジョンがそう言い出しても不思議はないだろう。バッドフィンガーほど「弟分」的ではないが、ストーンズなどのような「同士」と比べると、ちょっと「後輩」的。上手いけど、かわいらしさ、あどけなさの残る感じが眩しい。

 以前、車のCMで使われて話題になった "Time of the Season" も良いが、いちばん私の心を掴んだのは、"Friends of Mine"。ゾンビーズ最後のアルバムにも収録された、1967年のシングル曲。



 たくさんの友達の名を挙げ、彼らの恋を思う。要するに友情賛歌。爽やかで微笑ましく、フォークロック的な雰囲気に良く合っている。
 ゾンビーズ・サウンドの特徴である鍵盤 ― この場合はピアノのゴツゴツした感じも格好良く、さらにリッケンバッカーなどの華やかで軽やかな音運びも心地よい。何と言ってもヴォーカルとコーラスの美しさが魅力的だ。
 楽器のソロ部分で、「ハッ!」とアイリッシュ・ミュージックのようにかけ声をかけるところも大好き。ドラムのバタバタした ― やや拙い ― 感じも味わい深い。
 惜しいのはエンディング。あそこは延々繰り返してフェイドアウトした方が良いと思うのだが、ちょっと凝ってしまったか。

 YouTube でこの曲を探していたら、珍妙なものに出くわした。曲はゾンビーズの "Friends of Mine" なのだが、動画はジョージ・ハリスンとパティ・ボイドのカップルを延々と見せるというもの。



 ゾンビーズとジョージの関係で特筆する事柄を知らないので、どういうわけでこの動画が作られたか良く分からないが、とにかく引き込まれてしまう。
 ジョージとパティ,最強の美男美女カップルを見ていると、なんだか笑顔になってしまう、嬉しくなってしまう、友達が恋をして幸せそうなのを見ている方も幸せだという、この曲の気持ちに絶妙にフィットする。

 良い機会なので、ゾンビーズのアルバム2枚を購入。これから聞いてみることにする。