Rush / George & Fasters2014/01/22 21:32

 映画「ラッシュ」を試写会で見た。
 1970年代後半のF1ワールド・チャンピオンシップ、ニキ・ラウダとジェイムズ・ハントの物語。すごく見たいと思っていたので、試写会に誘ってもらえて良かった。

 

 私の知らない70年代のF1が存分に楽しめる。マシンはまだ葉巻型からウィング型への過渡期で、90年代以降のマシンを見慣れた私には、ややダサい。しかし、大爆音で迫力満点にフォーミュラカーが疾走するシーンには、否が応でもテンションが上がる。
 当時のレーサーとして、ラウダとハントの他は、クレイ・レガツォーニが登場したが、ほかにもシャクティやアンドレッティも居た。今からするとびっくりするほど悠長なタイヤ交換や、安全面では信じられないほど危険一杯なサーキット、タイヤを氷で冷やしたり、フライング気味なスタートなど、F1好きにはたまらない映画だ。
 ラウダとハントは映画で描かれるほど仲が悪くはなく、むしろ馬が合う友人同士だったとも言われている。レースに人間ドラマを色濃く重ねすぎると、少し冗長な印象になってしまうところは惜しい。
 お気に入りなのは、ラウダが二人のティフォシ(熱狂的フェラーリ・ファン)の車に偶然同乗することになり、ティフォシたちのテンションが上がりまくるところ。

 音楽的には全体に特筆すべきことはなかったが、このシーンはとびきり格好良かった。
 ラウダとハントが、F3で初めて対決するシーンだ。"Gimme Some Lovin'"



 "Gimme Some Lovin'" 独特の、あのベースラインと、熱いオルガンの音、ウィンウッドの声が生み出す疾走感、まさにレースシーンにぴったり。映画の序盤だったが、一番良いシーンだった。

 F1と言えばかならず登場するのがジョージの話題。
 ニキ・ラウダとはもちろん親しく、一緒に映っている写真もよく見かけるし、"Faster" のピクチャー・レコードにもラウダは ― 1976年の事故後の姿で ― 登場する。
 一方、ハントとはどうかと言うと、もちろん交流があったようで、一緒に楽しく映っている写真がいくつもヒットした。やはりサーキットにジョージ・ハリスンあり…だった。