Ricky Gervais : African Appeal2011/03/29 22:10

 本来なら南北戦争の記事を書きたいのだが、どうも考えがまとまらない。
 いよいよ、F1が開幕した。バーレーンが中止になったため、オーストラリアが開幕戦になった。いろいろと感想もあるのだが、一番印象的だったのは、震災に見舞われた日本への哀悼と励ましのメッセージだった。何かやるだろうなとは思っていたが、あそこまでやってくれるとは予想しておらず、ひどく感動してしまった。

 今年、ノエル・フィールディングがダンスを披露したBBCの [Comic Relief] だが、2年前のこの作品も大傑作だった。
 コメディ番組「オフィス」で有名なリッキー・ジャーヴィスが、アフリカはケニアの村を訪ねる。この村の人々は貧しく、知りあったダニエルというリッキーと同年代の男性も、1日1ドル程度で生活している。
 ダニエルはリッキーを住まいに招待した。ダニエルは、リッキーに大事にしていたU2のカセットテープ(ヨシュア・トゥリー)をプレゼントする。ダニエルの弟が入院していた時、英国人の医師がこのアルバムを流しており、亡くなった弟の思い出としてダニエルはカセットを持っていたと言うのだ。思わず、涙ぐむリッキーだったが…



 最初にやってくる、メガリ(メガネでガリガリに痩せている男性)は、スティーヴィン・マーチャント。「オフィス」でもリッキーと共演している、英国コメディアンだ。物凄い長身で、人形みたいに見えることもある。スティーヴンが登場するや、リッキーも彼も宣伝混じりの会話ばかりがおっぱじまる。
 次にジャンクフードをむさぼり食いながらやってきたのは、ジェイミー・オリヴァー。有名シェフで、テレビ番組を持っていたり、学校給食改善運動などでも知られている。英国の子供たちがひどいジャンクフードを食していることを憂えているのだが、このスケッチでは、これこのとおり。ダニエルに勧める「ツイズラー」という食べ物は、まさにジェイミーが糾弾している「ひどいジャンク・フード」そのものだ。
 次に登場したのが、「ミスター・チャリティ」ボブ・ゲルドフ(本物)。さすがに激怒するボブ・ゲルドフ。「こんなインチキなやりかたなんて、けしからん!」…最初は怒っていたボブだが、なんだかんだとリッキーに言いくるめられてしまい、仲間入りすることに。そしてわざとらしく泣いている。
 とどめは、ダニエルの正体…!実はあのボノ(本物)だったのだ!道理で「ヨシュア・トゥリー」なわけだ。大丈夫なのか、この人たち。ジョージが生きていたら、大喜びで参加しそうだ。オチは、通行人女性役が、実はエッジでした…で、めでたしめでたし(?)。

 凄まじいことを真面目に、本物がやるから参ってしまう。もっとも、これほどのものは状況的に余裕があるからこそできるのだろう。目的がチャリティであっても、その手段はプロフェッショナルな技術を駆使するべきであって、コメディアンはその能力を本気で発揮する。英国コメディの凄さ、そしてコメディとロックとの深い関係を、再認識することになった。