さまよう恋/August2010/10/05 23:02

 「カントム」に関しては目下、[Playback] の翻訳を終わり、推敲中。近日アップ予定。少なくとも3回は推敲しているつもりなのだが、どうしても私の文章には誤字脱字が尽きない。特に脱字については、手書きでも同様で、どうやら遺伝性の病気らしい。
 [Playback] は作品のボリュームが大きいだけあって、「カントム」の中でも比較的長い章になっている。これから翻訳する章で、これより長いものは無さそうだ。

 名作ボックスである [Playback] のこと、いろいろと語りたい名曲が多いのだが、"Ways To Be Wicked" も、そういったお気に入り曲の一つだ。
 この曲を聞くと、強烈に「マイクの曲だ」と感じる。無論、数多い「ペティ&キャンベル」作曲作品に間違いないのだが、その中でも特に、「マイク!」と印象付けられているのは、なぜだろう。
 どこか胸がいっぱいになるような、感動的なのに、ハードなロック調。しかも、あのトムの声の良さが存分に生かされる曲という印象がある。私の勝手な推測だが、どうもマイクは「トム・ぺティの声フェチ」じゃないかと思うのだが…。「全てを歌のために」というのがマイクの演奏スタイルであることは自分で公言しているし、インタビュー映像などで、コンソールの前に座り、トムの声だけピックアップして聴いている時のマイクの「ふふふ…」という至福の表情を見ていると、そう思わされる。
 ともあれ、"Ways To Be Wicked" は大好きなのだが、残念ながらハートブレイカーズが上手く録音しおおせる前に、ジミー・アイヴィーンが勝手によそへ持って行ってしまった。即ち、ローン・ジャスティス(Lone Justice)というバンドが公式に録音,リリースし、ヒットさせたのだ。邦題「さまよう恋」。



 「ローン・ジャスティスというバンド」と書いたが、要するに私はこのバンドを知らない。でも、80年代は大人気だったらしいし、日本でもヒットしたとのこと(YouTubeのコメントにそう書かれていた)。なんだか、いかにもジミー・アイヴィーンが手掛けそうな雰囲気のバンド。
 ボーカルのマリア・マッキーは、その後ソロとしても活躍している。

 マリア・マッキーの異母兄は、ブライアン・マクレーンと言って、あのアーサー・リーのサイケデリック・バンド,ラブの中心メンバーだったそうだ。ラブに関しては、アーサー・リーのバンドという知識しかないが、ともあれ、世界は狭いものである。
 ラブと言えば、1967年のサード・アルバム,[Forever Changes] が名作とのことだが、私はなぜか4枚目の[Fore Sail] しか持っていない。曲としては、冒頭の "August" がお気に入り。あの説得力のあるイントロ。効果的なメジャー・コードの使い方。やっぱり60年代は凄いなと、漠然とはしていても、きっと真実であろう実感を抱かせる曲だと思う。