歯の問題 ― 2009/06/09 23:33
デュアン・オールマンの伝記、[SKYDOG -The Duane Allman Story-] を読み進んでいるが、英語なので日本語読書の数倍、時間がかかる。すなわち、1冊で長持ちするのだから経済的だ。
ナッシュビルに生まれ、父親の死後はフロリダ州デイトナビーチで育った、デュアンとグレッッグ・オールマン兄弟。1964年にビートルズがやってくると、ご多分にもれず「その道」を目指し、高校や地元の仲間を集めてバンドを組んだ。やがて彼らのバンド,ジ・オールマン・ジョイズは本格的にプロを目指すにあたり、ドラマーをメイナード・ポートウッドから、ビル・コンネルに交代させることになる ―
1966年までには、グレッグがカレッジには進まないであろうことが、明白になろうとしていた。1965年の秋、デュアンは弟に、来年はオールマン・ジョイズに打ち込むよう、説得していたのだ。渋々ではあるが、グレッグは歯医者になるという目標を、ひとまず棚上げすることに同意した。
グレッグが歯科に進まないにしても、デュアンたちはもはや看過することの許されない、歯の問題に直面することになった。デュアンは、より音楽的に優れているからという理由では無しに、(ビル・)コンネルを呼び寄せた。実のところ、マシな歯をしたドラマ―が必要だったのだ。
「メイナード(・ポートウッド)は、まったく歯がなくなっていた。」コンネルは言う。「腐ったか何かで、一本も残っていなかった。デュアンとグレッグは、メイナードに500か600ドルやって、歯を直しに行かせた。でも、メイナードはそれを他の何かに使ってしまう。そんなわけで、『よぉし分かった。俺達は歯の無い奴とビートルズをやるなんて、無理だからな』ってことになった。それで、連中はメイナードを追い出し、俺を呼び寄せたんだ。俺が雇われたのは、そういう訳。歯が良かったから。プレイもOKだったんだろうけど。」(SKYDOG the Duane Allman Story by Randy Poe / 3. The Allman Joys)
人をバンドに引き込んで、進学をあきらめさせるフロリダの金髪男は二人目だ…。
500か、600ドルを用意してやるオールマン兄弟と、それが水泡に帰する悲しさに思わず笑ってしまったが、良く考えてみれば、あの兄弟だって容姿の面において、ビートルズの域に達しているとは言い難いじゃないか。つくづく、ビートルズは罪作りだと思う。ただでさえ凄まじい音楽性なのに、メンバー全員があれだけの容姿をしているのだから ― 結局、その点においてビートルズに比肩し得たバンドは出現しなかったのではないだろうか。
歯に問題のあるミュージシャンで、真っ先に思いつくのはザ・ポーグズのリーダー、シェイン・マクガウアン。80年代はまだ数本の歯が残っていたが、21世紀にはすっかり失われてしまった。
それがつい最近、休暇がてらに総インプラントを敢行したそうだ。この期に及んで、ずらりと口の中に歯を保持するというのは、どんな気分なのだろうか?
ザ・ポーグスと言えば、世紀の名曲 "Fairytale of New York"。ライブの映像もあるが、あまりにもシェインの歯(の無さ)が強烈で、集中できないので、音だけのアイテムを張り付ける。クリスマス・ソングなので季節外れだが、とにかく素晴らしい。
ボーカルがフューチャーされている、クリスティン・マッコールは2000年に事故で亡くなっている。
ナッシュビルに生まれ、父親の死後はフロリダ州デイトナビーチで育った、デュアンとグレッッグ・オールマン兄弟。1964年にビートルズがやってくると、ご多分にもれず「その道」を目指し、高校や地元の仲間を集めてバンドを組んだ。やがて彼らのバンド,ジ・オールマン・ジョイズは本格的にプロを目指すにあたり、ドラマーをメイナード・ポートウッドから、ビル・コンネルに交代させることになる ―
1966年までには、グレッグがカレッジには進まないであろうことが、明白になろうとしていた。1965年の秋、デュアンは弟に、来年はオールマン・ジョイズに打ち込むよう、説得していたのだ。渋々ではあるが、グレッグは歯医者になるという目標を、ひとまず棚上げすることに同意した。
グレッグが歯科に進まないにしても、デュアンたちはもはや看過することの許されない、歯の問題に直面することになった。デュアンは、より音楽的に優れているからという理由では無しに、(ビル・)コンネルを呼び寄せた。実のところ、マシな歯をしたドラマ―が必要だったのだ。
「メイナード(・ポートウッド)は、まったく歯がなくなっていた。」コンネルは言う。「腐ったか何かで、一本も残っていなかった。デュアンとグレッグは、メイナードに500か600ドルやって、歯を直しに行かせた。でも、メイナードはそれを他の何かに使ってしまう。そんなわけで、『よぉし分かった。俺達は歯の無い奴とビートルズをやるなんて、無理だからな』ってことになった。それで、連中はメイナードを追い出し、俺を呼び寄せたんだ。俺が雇われたのは、そういう訳。歯が良かったから。プレイもOKだったんだろうけど。」(SKYDOG the Duane Allman Story by Randy Poe / 3. The Allman Joys)
人をバンドに引き込んで、進学をあきらめさせるフロリダの金髪男は二人目だ…。
500か、600ドルを用意してやるオールマン兄弟と、それが水泡に帰する悲しさに思わず笑ってしまったが、良く考えてみれば、あの兄弟だって容姿の面において、ビートルズの域に達しているとは言い難いじゃないか。つくづく、ビートルズは罪作りだと思う。ただでさえ凄まじい音楽性なのに、メンバー全員があれだけの容姿をしているのだから ― 結局、その点においてビートルズに比肩し得たバンドは出現しなかったのではないだろうか。
歯に問題のあるミュージシャンで、真っ先に思いつくのはザ・ポーグズのリーダー、シェイン・マクガウアン。80年代はまだ数本の歯が残っていたが、21世紀にはすっかり失われてしまった。
それがつい最近、休暇がてらに総インプラントを敢行したそうだ。この期に及んで、ずらりと口の中に歯を保持するというのは、どんな気分なのだろうか?
ザ・ポーグスと言えば、世紀の名曲 "Fairytale of New York"。ライブの映像もあるが、あまりにもシェインの歯(の無さ)が強烈で、集中できないので、音だけのアイテムを張り付ける。クリスマス・ソングなので季節外れだが、とにかく素晴らしい。
ボーカルがフューチャーされている、クリスティン・マッコールは2000年に事故で亡くなっている。
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。