Laughter2013/05/31 22:33

 ディラン様ラジオこと、[Theme Time Radio Hour] は、エピソード9。アメリカでのエピソード40にあたる、テーマは "Laughter" 「笑い」だった。

 曲に笑い声の入っている選曲もあるが、ディランは「笑い」のもつ意味に重点を置いた選曲もしている。

 ディラン自身が雑学豊富と思われるし、リサーチ方も充実しているのだろう、この番組にはいろいろな情報が盛り込まれていて、その話も面白い。
 コメディ好きの私としては、テレビにおける「ラフ・テイク」の話が面白かった。最初は1950年とのこと。パイソンよりもだいぶ前ということになる。
 この「ラフ・テイク」は録音された笑い声を重ねることだが、一方で今でも実際に観客の前でコメディを演じてみせ、実際の笑い声を録音することもある。[The IT Crowd](邦題「ハイっ、こちらIT課!」)などは、その例だろう。アウト・テイクで、ノエル・フィールディングが観客に話しかけていた。
 ディランやバラカンさんも言っていたように、最近はラフ・テイクを入れない作品も多い。これはなかなか勇気の要る冒険で、わが「ザ・マイティ・ブーシュ」にはラフ・テイクがない。もっとも、ブーシュもパイロット版にはラフ・テイクが入っていて、これはこれで面白かった。

 さて、ディランの選曲の中で、印象深かったのは、ソニー・ボノの "Laugh At Me"。1965年の作品で、ディランっぽい歌い方と、重厚でサイケなインストゥルメンタル構成が素晴らしい曲だった。
 ソニー・ボノ死去のニュースは、私も聞いたような、かすかな記憶がある。



 バラカンさんが選んだ、ディラン様自身の曲は、"It Takes a Lot to Laugh, It Takes a Train To Cry" だった、なるほど。
 私が予想した、"Bob Dylan's 115th Dream" は、最初にディランとプロデューサーが大笑いするのが聞こえるから。
Bob Dylan's 115th Dream

 歌手が笑い出してしまう曲と言えば、何と言っても、これ。ビートルズの "And Your Bird Can Sing" アルバム[Revolver] に収録されている公式バージョンも超名曲だが(たしか、バラカンさんが大好きな曲だ)、[Anthology vol.2] に収録されているこのバージョンも大好き。
 ジョンとポールが笑いだしてしまいながら、どうにか最後まで歌うのだが、それがたまらなく格好良い。重ねてあるコーラスと、インストゥルメンタル・テイクもばっちり決まっている。
 私は[Anthology]のアルバム をあまり高く評価していないのだが、この "And Your Bird Can Sing" は素晴らしい。



 さて、来週のテーマは [Musical Instruments]…おや、アメリカでのエピソード37。
 一体どういう順番なのだろうか…。戻るなら、エピソード7に戻って欲しいのだが。
 ディラン様自身の曲は…もちろん、"Mr. Tambourine Man" で決まりだ!ライブバージョンだったりするとさらにうれしい。