Proud Mary2023/06/02 19:56

 "Proud Mary" という曲に関しては、クリーデンス・クリアウォーター・リバイバルのオリジナルでしか聴いたことがなかったが、ティナ・ターナーがカバーしていたのをきっかけに、ほかにもいくつかのカバーが発表されていることを知った。

 まずは、オリジナルが発表されて間もなく、1969年,ザ・チェックメイト・リミテッドによるカバー。プロデューサーはフィル・スペクターだそうだ。



 さすがはフィル・スペクター。このやり過ぎ感、半端ない。オリジナルにある簡素な美しさ、格好良さが塗りつぶされていて、これはこれで音楽プロデューサーのやりがいなのだろう。

 エルヴィスも晩年にカバーしている。



 テンポが軽快なのは良いし、エルヴィスの唄が異様に上手なところは凄い。それにしても半音ずつあげていくオシャレな編曲は、この曲オリジナルのイメージとは遠い感じがして、ちょっとイラっとくる。

 最後はやはり、オリジナル CCR の1969年ロイヤル・アルバート・ホールにおけるライブを見て心を浄化してもらおう。
   ちょっと呑気なテンポ感、そしてロックという音楽において非常に重要な要素なのだが、リズムギターの刻みが最高である。こういうリフの刻みができるギタリストの有無はバンドの本質的な実力に直結する。
 どんなカバーを見ても、やはりこのオリジナルが最高だなと思うと、ロックンロールという音楽ジャンルが、必ずしも騒々しい物ではなく、引き算の、ある意味枯淡というスピリットも持ち合わせていることが分かる。