Mike Campbell Reunites With Stan Lynch2022/05/03 20:29

 マイク・キャンベル&ザ・ダーティ・ノブズのツアーが始まったのだが、6月まではなんと、あのスタン・リンチがドラマーとして参加しているのだ。
 これはもう、びっくり仰天。

Mike Campbell Reunites With Heartbreakers Drummer Stan Lynch For First Tour in 30 Years

 そもそもは、ノブズのドラマー、マット・ラングの予定がバッティングしたためだ。イタリアのロックスター,ヴァスコ・ロッシのツアーの契約があって、そちらを優先せざるを得なかったらしい。ロッシは、このブログでも 2011/09/20 に話題にしている

 さっそく、ロッシの最近のライブの様子をチェック!本当だ、あのノブズのドラマーさん、マットがいる!



 そこでマイクは、当初スティーヴ・フェローニをノブズのドラマーに迎えようとしたらしい。これは自然な流れだろう。ところが、今度はフェローニをジョン・メイヤーのツアーに取られてしまった。
 それじゃあということで、白羽の矢が立ったのが、なんとスタンというわけだ。よほどジム・ケルトナーの方が想像できたし、なんだったらリンゴでもあり得るのだが(あり得るのか?)ここで、スタンというところが凄い。
 そもそも、スタンがハートブレイカーズを抜けたのは、トムさんとの対立が主な理由だったと思う。バンド・リーダー,フロントマンとの不調和のために、メンバーが抜けるのは珍しくない。一方、マイクは常にトムさんと一心同体という印象がある。トムさんとあれだけ長く一緒にいて、諍いらしき物があったという話はまったく聞かない。そもそも、スティーヴ・フェローニだって、マイクの紹介でハートブレイカーズに入ったのだ。
 ところが、マイクという人には不思議な人間力がある。人はその時々によっていろいろな状況にあり、感情的にも、難しい関係になるものだが、なぜかマイクはそういう難しい時期があった人とも、長くしかも良い関係を保つ特技があるようなのだ。
 思えば、ハウイが不幸にしてハートブレカーズを抜けたとき、ロンが戻ってきたのもマイクとのつながりが保たれていたからだ。スタンも、同じようにマイクにとっては普通の良好な人間関係の先に位置していたようだ。

 もっと言えば、私はハートブレイカーズ結成の経緯も、実はマイクの「計略」ではなかったかと疑っている。
 オリジナル・マッドクラッチからトムさんが抜けるとき、「お前は俺と一緒に来るよな」の一言でマイクはトムさんと行動を共にすることになったが、かわいそうにベンモントはすっかり置き去りにされてしまった。そこでベンモントはスタンやロンと組むことにした。彼らに「ちょっとアドバイスか手助け」をするために、トムさんとマイクが一緒にスタジオ入りしたら、これはいいと言うことになって、ハートブレイカーズ結成となった ――
 私は、マイクが意図的に画策し、ベンモントとロン、スタンのセッションにトムさんと自分が同席するように仕向けて、バンド結成をもくろんだと見ている。
 真相はともかく ――

 このブログで何度も言及しているが、私はスタンのドラミングが大好きなのだ。独特の跳躍感、ドライブ感があって、実にロックしていて格好良い。その上、バックコーラスも完璧に上手なのだ。スティーヴ・フェローニの洗練された上手さも好きだが、ちょっとしたロック的つたなさがかえって活力になっているスタンも最高だ。
 そのスタンが、ハートブレイカーズとして最後のツアーから30年を経て、ノブズでマイクと共演!その実態やいかに?!



 これはもう、絶句ものである。これぞスタンの、ハートブレイカーズがみずみずしく輝いていた時代のドラムだ。
 しかもバックコーラスも完璧で、マイクなんかより歌詞をちゃんと覚えている!
 もはや、ただの一ロック・ライブ風景を通り越して、人間の可能性を表しているとすら思える。何歳になっても、大事な人を失っても、人は青春時代の輝きを取り戻すことが出来るのだ。

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