Walls (Circus & No. 3)2020/06/09 20:17

 トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズの名曲 "Walls" は、公式レコーディングで、ふたつのバージョンある。
 "Circus" と "No.3" だが、どちらが好きかという問題。どちらも捨てがたい。

 私は聴いた当時は "No.3" の方が好きだったような気もするが、今は断然 "Circus" の方が贔屓である。あの冒頭のカウントからして最高。
 分厚く、煌びやかで、カラフル。不遠慮に鍵盤が鳴りまくり、そしてリンジー・バッキンガムの立体的なコーラスワークが完璧に機能している。プロデューシングの仕上がりとしては、TP&HBの全作品の中でも最高位ではないだろうか。

 ミュージック・ビデオは、この曲の雰囲気をよく表現した作品になっている。たった一つ惜しいのは、冒頭のカウントが入っていないところ。



 "Circus" の公式スタジオレコーディングを、ライブで再現するのは、さすがに難しい。必然的に、ライブでは "No.3" に近い演奏になる。
 リリース当初、テレビで何度か披露している。レコーディングでも叩いたカート・ビスケラのバージョンもあるのだが、ちょっとそちらは「ぶん殴りすぎ」のきらいがある。
 私はやはりスティーヴ・フェローニのバージョンが好きだ。

 

 スタジオ録音の "No.3" はギターブレイクではなくて、ハーモニカが鳴るのだが、この演奏ではマイクのギターが聴ける…はずだった。残念ながら、ちょっとバランスがおかしかったのか、あまり堪能できなかった。
 ハウイと一緒のヴォーカルが淡々としているように見せて、"But you've got..." のところで情熱があふれ出て、ちょっと泣きそうになる。

 "Walls" は、ロックンロールの感受性豊かで、どこか危なげな心の部分に根付いている。派手でも、ポップでもないけど、独りで、そっと、胸の内に大事に感じていたい、そういう名曲だ。

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