ピアノの異音 ― 2017/12/13 22:21
ピアノを弾くと、ときどき異音がする。これは、「ピアノあるある」だろう。
私が日常、弾いているピアノは、カワイの、K. KAWAIモデル。KG 5D。1980年代前半のもので、象牙鍵盤。セミ・コンサートと呼ばれ、すこし大きい。
私のような程度の人間が弾くには、過ぎたる良いピアノだ。もちろん、新品で我が家に来たのではない。噂によると、芸大と桐朋、両方受験して落ちた人が弾いていたとか何とか。ピアノは中古市場が発達している。良い木を使っていて、メンテナンスもしていれば、昭和40年代から60年代ごろの日本製量産ピアノにも、良い物が多い。
さて、ピアノの異音の話。
これはどんな高級なピアノでもついて回る話らしい。「ビィーン」とか、「ビンビン」とか、そういう金属がふれ合って鳴るような異音が、ときどきする。
ある音域の鍵盤を叩いたときだけ鳴ったり、鳴る日と鳴らない日があったりする。何年も鳴らなかったのが、突然鳴り出したりもする。
原因は様々。ピアノの上に乗っている物が作用したり、気温、湿気にも左右される。ピアノの内部はかなり金属の細かい部品があり、微妙な隙間に倍音が響いて鳴ることもある。
これぞ「ピアノあるある」だが、異音のことを調律師さんに相談したくても、調律師さんが来た時に限って、鳴らないものだ。
大抵の異音は、放っておけばそのうち止むので、あまり気にしないでいた。
しかし、ここ最近の異音は酷い。いわゆる「真ん中のド」の辺りを弾くと、大きな音でビィーンと響く。一番鳴らす音域でもあるので、我慢ならない。
調律師さんが言うには、ピアノの上蓋のちょうつがいが鳴ることもあるので、少し開閉すると止むこともあるとのこと。音が大きいので、私は上蓋を全て閉めて、その上に譜面台を置いている。そこで、楽譜も、譜面台も全て下ろし、大汗をかいて上蓋を開けたり、閉めたりしてみた。
それでも、忌々しい「ビィーン」という異音が止まない。
どうやら、鍵盤のすぐそばで鳴っているような気がする。そう、K. KAWAI のロゴの辺りだ…

あまりの異音に発狂しそうになった私は、鍵盤の蓋を外してみた。
真似しないで欲しいのだが、グランド・ピアノの鍵盤の蓋は、開けた状態で垂直に引き上げると、外れるのだ。
外してみたところが、こんな感じ。

この状態で弾いてみると、あら不思議。異音が鳴らない。
つまり、異音はピアノ本体ではなく、鍵盤の蓋か、蓋と本体の継ぎ目で鳴っていたということになる。場所は中央付近なので、継ぎ目ということはない。
そこで、鍵盤の蓋をひっくりかえしてみると…

怪しい金属板発見!
小さなネジでとりつけられている。怪しい。小さなドライバーで、このネジを締め直してみた。

すると、異音が止んだではないか。犯人は、この鍵盤の蓋の底にとりつけられた、小さな金属板のネジの緩みだったのだ。
一体、このプレートが何のためについているのか、皆目分からない。左右で別々の板を継いでいるとは、とても思えないのだが…。
ともあれ、決死のピアノ分解によって、異音は止んだ。
繰り返すが、真似しないで下さい。ピアノのメンテナンスは、専門家に任せるか、自分で調律科に入って勉強するかにしましょう。
私が日常、弾いているピアノは、カワイの、K. KAWAIモデル。KG 5D。1980年代前半のもので、象牙鍵盤。セミ・コンサートと呼ばれ、すこし大きい。
私のような程度の人間が弾くには、過ぎたる良いピアノだ。もちろん、新品で我が家に来たのではない。噂によると、芸大と桐朋、両方受験して落ちた人が弾いていたとか何とか。ピアノは中古市場が発達している。良い木を使っていて、メンテナンスもしていれば、昭和40年代から60年代ごろの日本製量産ピアノにも、良い物が多い。
さて、ピアノの異音の話。
これはどんな高級なピアノでもついて回る話らしい。「ビィーン」とか、「ビンビン」とか、そういう金属がふれ合って鳴るような異音が、ときどきする。
ある音域の鍵盤を叩いたときだけ鳴ったり、鳴る日と鳴らない日があったりする。何年も鳴らなかったのが、突然鳴り出したりもする。
原因は様々。ピアノの上に乗っている物が作用したり、気温、湿気にも左右される。ピアノの内部はかなり金属の細かい部品があり、微妙な隙間に倍音が響いて鳴ることもある。
これぞ「ピアノあるある」だが、異音のことを調律師さんに相談したくても、調律師さんが来た時に限って、鳴らないものだ。
大抵の異音は、放っておけばそのうち止むので、あまり気にしないでいた。
しかし、ここ最近の異音は酷い。いわゆる「真ん中のド」の辺りを弾くと、大きな音でビィーンと響く。一番鳴らす音域でもあるので、我慢ならない。
調律師さんが言うには、ピアノの上蓋のちょうつがいが鳴ることもあるので、少し開閉すると止むこともあるとのこと。音が大きいので、私は上蓋を全て閉めて、その上に譜面台を置いている。そこで、楽譜も、譜面台も全て下ろし、大汗をかいて上蓋を開けたり、閉めたりしてみた。
それでも、忌々しい「ビィーン」という異音が止まない。
どうやら、鍵盤のすぐそばで鳴っているような気がする。そう、K. KAWAI のロゴの辺りだ…

あまりの異音に発狂しそうになった私は、鍵盤の蓋を外してみた。
真似しないで欲しいのだが、グランド・ピアノの鍵盤の蓋は、開けた状態で垂直に引き上げると、外れるのだ。
外してみたところが、こんな感じ。

この状態で弾いてみると、あら不思議。異音が鳴らない。
つまり、異音はピアノ本体ではなく、鍵盤の蓋か、蓋と本体の継ぎ目で鳴っていたということになる。場所は中央付近なので、継ぎ目ということはない。
そこで、鍵盤の蓋をひっくりかえしてみると…

怪しい金属板発見!
小さなネジでとりつけられている。怪しい。小さなドライバーで、このネジを締め直してみた。

すると、異音が止んだではないか。犯人は、この鍵盤の蓋の底にとりつけられた、小さな金属板のネジの緩みだったのだ。
一体、このプレートが何のためについているのか、皆目分からない。左右で別々の板を継いでいるとは、とても思えないのだが…。
ともあれ、決死のピアノ分解によって、異音は止んだ。
繰り返すが、真似しないで下さい。ピアノのメンテナンスは、専門家に任せるか、自分で調律科に入って勉強するかにしましょう。
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