Maggie May ― 2016/12/23 21:53
ウクレレで何を弾こうかと先生と相談したとき、一度はやってみたかった曲を提案した。それがロッド・スチュワートの "Maggie May"。
要は、あのマンドリンのパートがやってみたかったというだけ。
この曲は私にとって、ロックの名曲中の名曲。ウクレレに編曲してみて分かったのだが、メロディは大した音域もないし、ダイナミックさもない。コードも単純で、これと言った特徴はない。歌詞はロッドの実体験に基づく、少年時代の恋だ。
"Maggie May" を名曲にしているのは、何と言ってもロッドの上手さと、編曲の良さだ。
私はアルバム・バージョンで聞き慣れているので、イントロのアコースティック・ギター無しに "Maggie May" は想像できない。ウクレレの先生と意見が一致したのだが、このアコギは決してロニー・ウッドではないだろう。確認してみたらその通りで、ロッドと共同で曲のライターに名を連ねている、マーティン・クイッテントンだそうだ。
ドラムをはじめとするパーカッションのドタバタとした雰囲気が、甘く流れないロックな格好良さを保っている。
そして、本来ギタリストである、ウクレレの先生を爆笑させた、ロニーのギターソロ。このぐにゃぐにゃ加減、上手いのだか、下手なのだか、良く分からない。しかし耳の良いロニーらしく、この曲にはこれしかないという、素晴らしいソロだ。
バンド、ヴォーカル、どちらも素晴らしく揃い、その上にコーダのマンドリン。このマンドリン・ソロがなかったら、この曲はロックの「けっこう良い曲」の一つにとどまっただろう。マンドリン・ソロこそが、"Maggie May" をロック最高峰の大名曲にしたのだ。
肝心の演奏者について、スリーブにはこうある。
"The mandolin was played by the mandolin player in Lindisfarne. The name slips my mind."
マンドリンはリンデスファーンのマンドリン奏者が弾いている。名前は忘れた。
凄いクレジット。「リンデスファーンのマンドリン奏者」とまで分かっているなら、書けば良さそうなものだが。
マンドリンを弾いているのは、レイ・ジャクソン。"Maggie May" を収録しているアルバム、[Every picture tells a story] の中では、"Mandolin Wind" でも弾いているようだ。
実はこのレイ・ジャクソン、2003年に "Maggie May" のライターとしてのクレジットに自分を加えるべきだとして、ロッドを相手取り、訴えたそうだ。曰く、あのマンドリンフレーズは自分のアイディアなのだからとのこと。
ジャクソンによれば、完成していなかった "Maggie May" に関して、ロッドからなにかアイディアはないかとスタジオで相談され、その結果があのソロなのだという。
これはちょっと無理のある訴えだったようだ。その後この訴えがどうなったか良く分からないが、いまでもライターとしてのクレジットは、ロッドとクイッテントンのみである。セッション・マンが、いちいち自分の演奏を根拠に作曲者に名を連ねるべきだと言い出したら、ポップスは作曲者欄が異常に長くなってしまうだろう。
個人的には、"Maggie May" を名曲たらしめたマンドリン・ソロの奏者は、あのヘンテコで謎めいたクレジットで良いのではないかと思う。「名前は忘れた」などと書かれたからこそ、私はリンデスファーンが何者かを調べたのだし、彼らのアルバムを買うことにもなったのだから。
ロッドの代表作だけあって、"Maggie May" のライブ・バージョンは、当然たくさんある。私にとって印象的なのは、[Unplugged] の時だ。ロッドもまだ良い声をしているし、何と言ってもロニーとの何とも言えない和やかな空気が良い。曲の最後に、ロッドがロニーにキスする、いつものお約束も果たされている。
要は、あのマンドリンのパートがやってみたかったというだけ。
この曲は私にとって、ロックの名曲中の名曲。ウクレレに編曲してみて分かったのだが、メロディは大した音域もないし、ダイナミックさもない。コードも単純で、これと言った特徴はない。歌詞はロッドの実体験に基づく、少年時代の恋だ。
"Maggie May" を名曲にしているのは、何と言ってもロッドの上手さと、編曲の良さだ。
私はアルバム・バージョンで聞き慣れているので、イントロのアコースティック・ギター無しに "Maggie May" は想像できない。ウクレレの先生と意見が一致したのだが、このアコギは決してロニー・ウッドではないだろう。確認してみたらその通りで、ロッドと共同で曲のライターに名を連ねている、マーティン・クイッテントンだそうだ。
ドラムをはじめとするパーカッションのドタバタとした雰囲気が、甘く流れないロックな格好良さを保っている。
そして、本来ギタリストである、ウクレレの先生を爆笑させた、ロニーのギターソロ。このぐにゃぐにゃ加減、上手いのだか、下手なのだか、良く分からない。しかし耳の良いロニーらしく、この曲にはこれしかないという、素晴らしいソロだ。
バンド、ヴォーカル、どちらも素晴らしく揃い、その上にコーダのマンドリン。このマンドリン・ソロがなかったら、この曲はロックの「けっこう良い曲」の一つにとどまっただろう。マンドリン・ソロこそが、"Maggie May" をロック最高峰の大名曲にしたのだ。
肝心の演奏者について、スリーブにはこうある。
"The mandolin was played by the mandolin player in Lindisfarne. The name slips my mind."
マンドリンはリンデスファーンのマンドリン奏者が弾いている。名前は忘れた。
凄いクレジット。「リンデスファーンのマンドリン奏者」とまで分かっているなら、書けば良さそうなものだが。
マンドリンを弾いているのは、レイ・ジャクソン。"Maggie May" を収録しているアルバム、[Every picture tells a story] の中では、"Mandolin Wind" でも弾いているようだ。
実はこのレイ・ジャクソン、2003年に "Maggie May" のライターとしてのクレジットに自分を加えるべきだとして、ロッドを相手取り、訴えたそうだ。曰く、あのマンドリンフレーズは自分のアイディアなのだからとのこと。
ジャクソンによれば、完成していなかった "Maggie May" に関して、ロッドからなにかアイディアはないかとスタジオで相談され、その結果があのソロなのだという。
これはちょっと無理のある訴えだったようだ。その後この訴えがどうなったか良く分からないが、いまでもライターとしてのクレジットは、ロッドとクイッテントンのみである。セッション・マンが、いちいち自分の演奏を根拠に作曲者に名を連ねるべきだと言い出したら、ポップスは作曲者欄が異常に長くなってしまうだろう。
個人的には、"Maggie May" を名曲たらしめたマンドリン・ソロの奏者は、あのヘンテコで謎めいたクレジットで良いのではないかと思う。「名前は忘れた」などと書かれたからこそ、私はリンデスファーンが何者かを調べたのだし、彼らのアルバムを買うことにもなったのだから。
ロッドの代表作だけあって、"Maggie May" のライブ・バージョンは、当然たくさんある。私にとって印象的なのは、[Unplugged] の時だ。ロッドもまだ良い声をしているし、何と言ってもロニーとの何とも言えない和やかな空気が良い。曲の最後に、ロッドがロニーにキスする、いつものお約束も果たされている。
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