誰の騎兵?どんな騎兵? ― 2009/08/30 22:35
ザ・バンドの曲の中でも、"The Night They Drove Old Dixie Down" は名曲中の名曲で、私も大好きだ。
これだけの名曲ともなると、カバーも多い。
まずは、ジョニー・キャッシュ。さすがにコメントしがたいほど格好良い。
ブラック・クロウズや、オールマン・ブラザーズ・バンドのバージョンも有名だが、アレンジや歌詞など、ほぼオリジナルを踏襲している。オリジナル通り演奏すれば、そのまんま格好良い名曲。
注目は、ジョーン・バエズ。説得力のある素晴らしい歌唱なのだが、一部歌詞がオリジナルとは違うのだ。
オリジナルの「Til Stoneman's cavalry came ストーンマンの騎兵がやってきて」というところは、むろん実在の北軍少将ジョージ・ストーンマンを示唆している。
しかし、ジョーン・バエズはここを「so much cavalry 大勢の騎兵が」に変えて歌っている。他のところでも、「ある日女房が呼んだ」が「言った」に変わっている。この変更は小さなものだが、なぜ固有名詞のストーンマンを、「大勢の」にしたのだろう?ロバート・E・リーはそのままなんだけど。「破壊者」として名指しするのが気の毒になったのだろうか。
さらに、後年のライブバージョンなどでは、こんなケースもある。
黒紋付き…?
たしかに、「Stonewall's cavalry」に聞こえる。と、すればストーンウォール・ジャクソンの事だろう。
…と、なるとおかしなことになる。ダンヴィル鉄道が破壊される段階では、すでにストーンウオォール・ジャクソンは戦死している。しかも、彼は南軍の将軍だ。リッチモンドの補給線であるダンヴィル鉄道を、南軍の騎兵が破壊するというのは、どうもおかしい。北軍に利用されないように破壊したという意味だろうか?
歌詞に固執してアレコレ言うのは、ロック楽曲においては野暮というものだ。しかしこの曲ばかりは、史実に即したディテールが、強い説得力になっていると思う。
アーチストたちは、そこまで歌詞にこだわっていないかもしれないし、私もそれで構わない…いや、でも、ジョーン・バエズだしな…。彼女に会う事ができたら、ぜひともこの点を訊いてみたい。…ディラン様がどうこうって話は、べつにいいから。
これだけの名曲ともなると、カバーも多い。
まずは、ジョニー・キャッシュ。さすがにコメントしがたいほど格好良い。
ブラック・クロウズや、オールマン・ブラザーズ・バンドのバージョンも有名だが、アレンジや歌詞など、ほぼオリジナルを踏襲している。オリジナル通り演奏すれば、そのまんま格好良い名曲。
注目は、ジョーン・バエズ。説得力のある素晴らしい歌唱なのだが、一部歌詞がオリジナルとは違うのだ。
オリジナルの「Til Stoneman's cavalry came ストーンマンの騎兵がやってきて」というところは、むろん実在の北軍少将ジョージ・ストーンマンを示唆している。
しかし、ジョーン・バエズはここを「so much cavalry 大勢の騎兵が」に変えて歌っている。他のところでも、「ある日女房が呼んだ」が「言った」に変わっている。この変更は小さなものだが、なぜ固有名詞のストーンマンを、「大勢の」にしたのだろう?ロバート・E・リーはそのままなんだけど。「破壊者」として名指しするのが気の毒になったのだろうか。
さらに、後年のライブバージョンなどでは、こんなケースもある。
黒紋付き…?
たしかに、「Stonewall's cavalry」に聞こえる。と、すればストーンウォール・ジャクソンの事だろう。
…と、なるとおかしなことになる。ダンヴィル鉄道が破壊される段階では、すでにストーンウオォール・ジャクソンは戦死している。しかも、彼は南軍の将軍だ。リッチモンドの補給線であるダンヴィル鉄道を、南軍の騎兵が破壊するというのは、どうもおかしい。北軍に利用されないように破壊したという意味だろうか?
歌詞に固執してアレコレ言うのは、ロック楽曲においては野暮というものだ。しかしこの曲ばかりは、史実に即したディテールが、強い説得力になっていると思う。
アーチストたちは、そこまで歌詞にこだわっていないかもしれないし、私もそれで構わない…いや、でも、ジョーン・バエズだしな…。彼女に会う事ができたら、ぜひともこの点を訊いてみたい。…ディラン様がどうこうって話は、べつにいいから。
コメント
_ dema ― 2009/08/31 19:22
_ NI ぶち ― 2009/09/01 21:37
>demaさん
この微妙な違い加減が、気になりますよね…。
ジョーン・バエズの、「陥落したリッチモンドへ汽車で向かった」は、おそらくオリジナルの日付問題を避けたんだと思うんですよね。リッチモンド陥落は4月だし…。
かと言って、「5月10日までには陥落して」も間違いではないし。この日はデイヴィス逮捕の日かも。
うーん、ロビーに会ったら、この点を訊いてみたいです。エリックがどうとか、ディラン様がこうとかはべつにいいから。
この微妙な違い加減が、気になりますよね…。
ジョーン・バエズの、「陥落したリッチモンドへ汽車で向かった」は、おそらくオリジナルの日付問題を避けたんだと思うんですよね。リッチモンド陥落は4月だし…。
かと言って、「5月10日までには陥落して」も間違いではないし。この日はデイヴィス逮捕の日かも。
うーん、ロビーに会ったら、この点を訊いてみたいです。エリックがどうとか、ディラン様がこうとかはべつにいいから。
_ swingin' ― 2009/09/01 21:38
むむー、なる程。
Ni ぶち さんの仰るのも
dema さんの仰るトコロも興味深いです。
この件は、ロビーとリヴォンに訊いてみたいトコロでもあります。
仮に訊けたとしてもロビーは喋らないだろうな。
今のリヴォンならきっと話してくれる。
意味の有る無し含めて。
と、思いました。
追及って、追及する過程が面白いんスよね。
Ni ぶち さんの仰るのも
dema さんの仰るトコロも興味深いです。
この件は、ロビーとリヴォンに訊いてみたいトコロでもあります。
仮に訊けたとしてもロビーは喋らないだろうな。
今のリヴォンならきっと話してくれる。
意味の有る無し含めて。
と、思いました。
追及って、追及する過程が面白いんスよね。
_ NI ぶち ― 2009/09/02 22:42
>swingin'さん
むむー、ジョーン・バエズに関しては、ちょっと答えが分かってきましたよ。ローリングストーン誌のインタビューで、バエズは「歌詞の掲載がなくて、良く分からないから、適当に歌った」みたいな事を言ってたようです。
うふふ、トムさんの言う「俺、発音はっきりしないから」ってのは真理ですなー。
要するに、バエズはけっこう適当に歌っているらしく、「ストーンウォール」もあまり深く考えずに、南北戦争っぽい人名を出したっぽい雰囲気っぽいです。ぽいぽい。
5月10日は…長くなるので、項を改めますね(笑)。それほどの曲だってことですね。
それにしても、リヴォンはあてになるかなぁ…?ぎもん…。
むむー、ジョーン・バエズに関しては、ちょっと答えが分かってきましたよ。ローリングストーン誌のインタビューで、バエズは「歌詞の掲載がなくて、良く分からないから、適当に歌った」みたいな事を言ってたようです。
うふふ、トムさんの言う「俺、発音はっきりしないから」ってのは真理ですなー。
要するに、バエズはけっこう適当に歌っているらしく、「ストーンウォール」もあまり深く考えずに、南北戦争っぽい人名を出したっぽい雰囲気っぽいです。ぽいぽい。
5月10日は…長くなるので、項を改めますね(笑)。それほどの曲だってことですね。
それにしても、リヴォンはあてになるかなぁ…?ぎもん…。
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なんでこんな微妙に変える必要あるんでしょうか。
たしかに黒紋付きではストーンウォールって歌ってますね。
あと、不思議な変更点は
by May the tenth Richmond had fell
が
I took the train to Richmond that fell
になってますね。
あと、なぜか奥さんが呼び出したというところがジョーンバエズもジョニーキャッシュもカットされてます。ふしぎですね。
ジョーンバエズの声って好きだなあ。
あと、この曲わりかしコードが簡単だってわかりました。