Do you believe in magic?2025/07/11 21:14

 公私ともに忙しく、やることだらけで、すっかり記事を上げられないでいたら、なんとクリスチャン・ホーナーがレッド・ブル・レーシングのプリンシパルから解任されてしまった。
 実のところ、彼を巡っては去年からすでにその席にあっても良いのかどうか、疑問があった。シーズン途中での更迭はよろしくない。今シーズンが始まる前に、人事異動を済ませるべきだった。ついでに若手レーサー育成もセブにお願いしてはどうか…というか、私はセブを見られる機会さえ増えてくれればそれで良いのだ。

 昨晩、友人たちと一緒に東京でも有数の飲食店街のレストランで会食していた所、プロのマジシャンだというお兄さんがやってきて、テーブル・マジックを披露させてほしいと言った。ポカンとしていたら、かなり上手なテーブル・マジックが展開して、投げ銭をするに至った。
 実は私、基本的に手品というものがあまり好きではない。上手に演出していればよいのだが、普通のマジックを淡々とこなして観客がビックリしたり喜んだりというのが、娯楽の構造としてイマイチ。不思議なことが披露されて、最終的にその秘密が理路整然と説明されないのが消化不良で、気持ちが悪いのだ。マジックなのだから当たり前だが、「ミステリーが好き、ファンタジーが嫌い」という私としては致し方ないだろう。

 そもそも magic という言葉は、「魔術」とか「呪術」といった、超自然的な現象をその意味に含んでおり、いわゆる手品は trick のほうが適切な言葉だと思う。ここにも、手品が「不思議でしょ?」という心の反応に対する押し付けを含んでいることが現れており、私はそういう感じが好きではないのだ。
 「magic を信じますか?」と言われれば Noだし、trick に対してはYesと言った所だろうか。その割には投げ銭を弾んだような気もするが…。



 60年代の超名曲の一つであるこの曲は、オリジナルが良すぎる割には、良いカバーには恵まれていないと思う。やや「甘い」曲なので、カバーされると、どうしても甘く流れてしまう傾向にある。
 その点、こちらの ラヴィン・スプーンフル・トリビュートのカバーはとても良い。テンポを早く保っているのが良いのだろう。

名画とホワイト・アスパラガスを巡る冒険2025/05/25 20:30

 昨日、無事にオランダから帰国。飛行機とか、ホテルとか、物価とか、いろいろ言いたいことはあるが、べつに初めての海外旅行でもないので端折る。
 目的はひたすら名画である。レンブラント、フェルメール、ゴッホ、ブルーナ。
 実は今回のオランダ行きはキャンセル寸前だった。仕事の関係で十中八九キャンセルだろうと思っていたところ、連休明けに急遽行くことになり、あわてて準備をした次第。まぁ Google もあるからどうにかなるだろうと思っていたが、甘かった。準備不足がたたり、アムステルダムで迷子になりまくって走り回る羽目となった。知らない土地に行くときは、よく調べておきましょう!

 アムステルダム国立美術館の目玉はもちろん、レンブラントの「夜警」である。重要なのは、朝一番の入場で予約することだ。入場するやいなや、他の絵には目もくれず、「夜警」を目指す。「夜警」は現在、長期修復中なのだ。ガラス張りの部屋の壁に展示され、額はない。そして修復のための足場が組まれているのだが、それでも朝イチに行くとまだ修復作業が始まっていないので、最低限の囲いだけでほぼ「夜警」の全体が鑑賞できるのだ。それも朝イチ15分ほどで、修復師さんが絵の前で作業を開始する。
 お次は、「夜警」手前の「栄誉の回廊」。私がレンブラントの中で一番好きな「布地商組合の見本調査官たち」が鎮座している。想像よりも大きい。この集団肖像は、ビートルズの “with the beatles” のあのスタイルにも影響を与えていると、勝手に思っている。
 あとはレンブラントにおいては「ユダヤの夫婦」や「修道士としてのティトゥス」、「自画像」など。そしてフェルメールの「ミルクメイド」をはじめとする3作品。
 所蔵規模こそニューヨークのメットなどには叶わないが、やはり「夜警」と「調査官たち」の威力はすごい。満足、満足。

 翌日はフェルメールの超名作「真珠の耳飾りの少女」と「デルフトの眺望」のある、デン・ハーグへ。あんな美しい絵のある町があれほど汚いとは思わなかった。町並みこそいかにもオランダのそれだが、散らかりまくったゴミがすさまじく、あそこまで汚い町を見たことがない。
 デン・ハーグの美術館(マウリッツハイス)も一番乗りして、まず「真珠」へ直行!アメリカ人のイケオジと競争になったが(あくまでも歩いて)、私は勝った。
 ついでにフェルメールの暮らしたデルフトまで行って、ぶらぶらしたり、不味いリンゴのケーキを食べたりして、アムステルダムへ戻る。

 三日目は名前も覚えられないほど長い名前の町の、名前の長い国立公園の中にある(このあたりに準備不足が出ている)、クレーラー・ミュラー美術館へ。アムステルダムから電車で1時間程度、そこからバスを2本乗り継ぎ、待ち時間などもあってなかなかハードルも高いのだが、オランダ絵画を見に行ってクレーラ―・ミュラ―に行かないというのは、片手落ちだろう。何と言っても、ゴッホのコレクションが素晴らしく、その充実ぶりはアムステルダムの「ゴッホ美術館」を凌駕しているのだから。
 私の目当ては「夜のカフェテラス」この一枚が見られれば目的を達したというほどの絵だ。実はこの「夜のカフェテラス」、秋以降に来日するらしい。天邪鬼な私は、絶対に日本では見たくない(混むから)と思い、何度か KMとメールのやり取りをして、確実に朝イチで「夜のカフェテラス」を独占できる手筈を整えたのであった。結果は大満足。
 KM が充実していただけに、アムステルダムに戻ってから行った「ゴッホ美術館」はいまいち。ゴッホは制作期間こそ短いが極めて多作なので、玉石混交といっても良いのではないだろうか。「ゴッホ美術館」で見るべきは「ひまわり」「黄色いベットのある部屋」、「アイリス」…あとは中級程度の出来の自画像と、浮世絵の模写(しかも日本人にしかウケない)…それくらいかな。建物が最近新しく、立派になったわりにはちょっと拍子抜ける。

 さて、オランダで見るべき絵画はだいたい見たので、もう一日はユトレヒトへ行った。有名な大学町である。大きなショッピングセンターに、きれいな町並み。デン・ハーグが衝撃的なほど汚かったので、その分を取り戻したような気さえする。
 ここは「うさこちゃん」の生みの親、ディック・ブルーナの暮らした町なので、ブルーナ押しが徹底されていると思いきや、お土産屋さん以外はそれほどでもないという印象を受けた。
 このオランダ旅行の目的の一つに、ホワイト・アスパラガスがあった。私はなぜかホワイト・アスパラガス ― ドイツ語ではシュパーゲルへのあこがれが異様に強い。ところが、オランダとドイツでは旬がずれており、ユトレヒトのどのレストランにも白アスパラガスが無いのだ。
 その時、私は思い出した。一昨日、デルフトで不味いリンゴケーキを食べたレストランに、「ホワイト・アスパラガスあります」というチラシがあったではないか…?
 私は電車に飛び乗ると、70分かけてデルフトへ向かい、再びあのお店に駆け込むと、ホワイト・アスパラガス、ベイクドポテトとベイクドサーモン添えオランネーズソースがけを注文したのだった。
 感想は…なんどいうか…どえらく塩辛かった。もともと出汁文化の日本人で、しかも薄味が好みの私には塩辛すぎた。とにかく、目的は達成した。

 名画を見る旅は完了し、毎日2時間ずつほど仕事をし、あとは帰国するとなった朝、まだ時間があったので、ホテルの近所のカフェで食べたダッチ・パンケーキ(パンネクック)が、結局今回の旅で一番美味しかった。

 都市部への海外旅行にはだいぶ慣れている方だとは思うし、英語でなにもかも用が足りるので良いのだが、本当に美味しいものを計画的に食べたり、迷子になって運河と橋の町を走らないようにするには、やはり入念な計画が必要だと、痛感したオランダ旅行だった。
 ちなみに、出発の飛行機移動と重なって見られなかった、F1エミリア・ロマーニャGPの決勝は、再放送でやっていたのでオランダ語で観戦。ホテルの部屋で「アルボン、頑張れ!!!」と大騒ぎしていた。

The Beatles in Netherlands2025/05/17 19:05

 速さは確かだが勝利に繋がらず苦戦するランド・ノリスが、たびたびセバスチャン・ベッテルからアドバイスを受けていると告白。その記事に踊るのは “メンター” の文字。セブはミックのメンタ―だともっぱら言われて「友達だ」と笑っていたが、ランドにとっては本当にメンターだろうなぁ。頑張れランド、助けてセブ…!
 何なんだ、この私しか驚喜しないような話題は…

 オランダといえば?
 F1好きとしてはマックス・フェルスタッペンなのだろうが、いかんせん彼のファンではない。彼以外なら誰がチャンピオンになっても大歓迎。
 チューリップのも風車にも興味はないが、絵画にはとても興味がある。そう、レンブラント、フェルメール、ゴッホ、ついでにブルーナ。
 明日からアムステルダム5泊の旅に出る。目的はただただ、名画である。あとはボリスの夜景とナインチェのミルクメイド。クノールのシュパ―ゲル・スープ。以上!

 クラシック音楽的には、オランダ黄金時代とクラシック音楽の古典派が時代的に合致していないせいか、とくに有名なものはない。ただ、中世〜ルネサンス期にはネーデルランド楽派といって、オランダやベルギーを中心に音楽が栄えたこともある。ともあれ、有名なクラシック音楽ではない。

 ポピュラー・ミュージックでオランダというと、大スターが公演しに行きました!という話程度だろうか。
 ビートルズはリンゴが病欠のときにアムステルダムを訪れており、運河を船で移動し、運河に面した高級ホテルの窓から手を振る様子が印象的だ。



 うーん、やっぱりビートルズはリンゴがいなきゃビートルズじゃないなぁ。リンゴが行けないなら、自分も行かないとジョージが散々ごねたのもわかるというものだ。

The Beatles F1 Racing Is Comming!2025/04/01 00:00

 このたびビートルズ・F1 レーシングが、F1 グランプリに参戦することが発表された。2027年からフル参戦予定。シャシー、エンジンともに自ら手がけるワークスチームだ。
 チーム・オーナーはビートルズのメンバーとその遺族、および管理会社のアップル。スポンサーにはギブスン、フェンダー、リッケンバッカー、グレッチ、ヘフナー、ラディック、その他多数の楽器メーカーなどが名を連ねている。



 チーム代表はゲルハルト・ベルガー、顧問にデイモン・ヒル。広報にダニー・ハリスン。チーフエンジニア兼、ファースト・ドライバーとして、ゼバスティアン・フェテルの現役復帰が決定している。
 当初ファクトリーはリヴァプールに新設することが検討されたが、初期設備費用投資額の評価から判断し、初年はマンチェスターに置かれる。デザイナー、エンジニア、メカニックの多くは、ジョージ・ハリスンが太いパイプを持っていたウイリアムズ、マクラーレン、ジョーダン、スチュワートなどの OBおよび研修生などが名を連ねている。

 ビートルズ・F1レーシングはその豊富な資金力から、現在 F1 サーカスの中心で働いている有能なストラテジストを引き抜くのではないかと噂されている。少なくとも、適切なタイミングで適切なタイヤ交換作戦を立てることが必須だ。
 ドライバーの人選に関しては経験豊富なフェテルが決まっている一方、もう一人は若手を起用すると言われている。ただし、トラック・リミットを逸脱するドライバーだけは絶対に採用しないと、パドックではもっぱらの噂だ。
 ベルガーは「トラック・リミット内で走る限り、クラッシュしないから」とその理由を述べている。

 また、地球温暖化とそれに伴う異常気象への関心の高いフェテルは、雨のレースがさらに増えると予想している。その上で、「雨の」タイトルの付く人材には積極的に声が掛かっているとみられる。このため、サトル・ナカジマのビートルズ・F1レーシング入りは秒読み段階だと言われている。

 昨年から、F1 勢力図は大きく変わりつつある。この新しいワークスチームの参戦は、さらなる混戦激化を生むのか、パドックの人々の思惑は、早くも2027年へと向いている。
(2025年4月1日 ドイツ「 ディー・リューゲ・モーターシュポルト」誌)

Eddie Jordan2025/03/23 21:54

 ついこの間シーズンが終わったと思ったのも束の間、早くもF1 の2025年シーズンが始まった。アマチュアとプロの野球(日米)、そしてフィギュアスケートと、スポーツ観戦的に最も忙しくなる時期だ。
 開幕早々、 Back to Back で、しかもスプリント・フォーマット、雨も相まって早くもドラマが頻発している。どうしてルイスのお父さんはハジャーを慰めるに至ったのかなぁ?通りすがり?なにか関係があるのだろうか。
 レッドブルのセカンド・ドライバーについては、早くも意見が噴出しているようだが、角田くんにはレッドブルみたいな難しいチームでプレッシャーに潰されるよりは、伸び伸びと走ってほしいと思う。でも万が一、本当に乗せててみたらもしかして…?という、複雑な心境だ。私個人としてはレーシング・ブルズで優勝して、セバスチャンが会長を務める「トロロッソ優勝者の会」に加入してほしいなぁ。もう一人のメンバーは親友のガスリーだし。
 ともあれ、去年からマックスしか勝てないマシンを作ってしまっているチームには、必ず何等かの問題がある。フォーミュラカーなのだから、ドライバーによってあそこまで大きな差が出るのはおかしいだろう。ローソンだって去年11戦走っているのだから、彼だけを責めらないだろう。
 ルーキーの多い年だが、気になるのは多くの人と同じく、アントネッリ。まだキャラクターは掴めていないが(なにせラジオが聞けない)、とても長い目で見て、将来的にイタリア人ドライバーがフェラーリでチャンピオンに…?なんて楽しい想像が膨らんでいる。

 そんな中、訃報が届いた。エディ・ジョーダンが亡くなったという。私にとっては、ジョーダン・グランプリの人で、好きなドライバーも何人か走っていた。1998年、雨のスパ・フランコルシャンでのワン・トゥー・フィニッシュは忘れられない。あれがデイモン・ヒルにとって最後の優勝レースとなった。

 川井ちゃんも言っていたが、エディは明るくて楽しい人だった。私がF1 を見始めた頃に、英国流(もっとも彼はダブリン出身のアイルランド人。アイルランドも紅茶の消費量が多い)の紅茶の入れ方講座をやっていて、大好きになった。イタリア人のアンドレア・デ・チェザリス(故人。通称走る障害物)を従えて、「沸騰したお湯が重要です!あくまでも完全に沸騰したお湯です!イタリア人はそこを理解していません!」



 これまた川井ちゃん情報で、ドラマーでもあり、Pit Stop Boys なるバンドを組んで演奏を披露することもあったそうだ。ちなみにその名前で今検索すると、マックスの追っかけおじさんたちがヒットする。
 何を演奏するのか…?そりゃぁ、ストーンズで決まりでしょ!どうやらマクラーレンのヴィジター・ルームらしい。ルイスやバトンが乗っていた頃のマシンが置いてあるのかな?天国から今年のレースの安全と良い勝負を見守っていてほしい。

Gunnar Nilsson Memorial Trophy (Donington Park 3 June 1979)2025/01/23 21:49

 ガース・ハドソンが亡くなった。彼に関する記事は、また改めて。週末のラジオの反応も聴いてみたい。

 去年、イモラでセバスチャン・ベッテルが、アイルトン・セナ・トリビュートとしてマクラーレンMP 4/8 ショウ・ランをしたときに被っていた、スペシャル・デザイン・ヘルメットのミニチュアがセブの公式ショップで発売されるなり、速攻でポチってしまった。なかなかのお値段だが、推しは強い。



 左側がブラジル国旗をベースにしたセナのデザイン、左側は白にドイツ国旗カラーをあしらったセブのデザインだが、赤の横線オーストリア国旗デザインと、ローランド・ラッツェンバーガーの名が描かれている。1993年におなじイモラで亡くなった、二人をトリビュートしているというわけだ。



 箱を見れば分かるのだが、このミニチュア・ヘルメットを制作したのは、ヘルメット・メーカーの Bell だ。
 でも、セバスチャンといえば、カートの頃から一貫して Arai の愛用者として有名。実際、セブが被っていたヘルメットは、もちろん Arai 製なのだ。でもミニチュアは Bell かぁ … 微妙だなと思っていたら、なんと後ろにちゃんと Arai のロゴが入っていた!ミニチュア・ヘルメット制作ってそいういう物なんだ…



 ヘルメットを眺めていて思い出した。ジョージが F1 ファンだった脈絡でよく登場するのが、ジョージがレーシング・スーツにヘルメット姿で、レーシング・カーを運転している写真。そもそも、あれは何なのだろう?



 1979年6月に、ドニントン・パークで行われた、グンナー・ニルソン・メモリアル・トロフィーの時の模様だそうだ。前年に現役 F1ドライバーながら癌で亡くなったニルソンを追悼し、癌基金を作るための二日間のイベントで、有名なレーサーたち ―― もちろん、ジョージの親友ジャッキー・スチュワートを含む。ほかにも、ニキ・ラウダ、ジェイムズ・ハント、マリオ・アンドレッティ、ネルソン・ピケなどなど ―― が参加したレースも行われた。そのなかのドライバーの一人として、ジョージも参加したというわけ。
 運転しているのは1961年ロータス、スターリング・モスのマシンとのこと。F1マシンが大きなウイングを備える前のマシンなので(そもそもフロント・ウイングらしき物が登場するのは1979年頃から)、いわゆる「葉巻型」というやつだ。
 ジョージのヘルメットは、Bell ―― Arai が F1 で用いられるようになる前なので、致し方なし。

 ジョージと言えばその素晴らしい髪のボリュームがシンボリックだが、さすがにヘルメットをかぶるとペッタンコになっている。凄く珍しいと思う。

Tag Heuer Is Back!2025/01/11 20:56

 F1 のオフィシャル・タイム・キーパー,つまりタイム計測に、2025年からタグホイヤーが復帰することになった。



 タグホイヤーというと、高級腕時計のカテゴリーで語られることはあまりないが、そのブランド・アイコンがスティーヴ・マックィーンとアイルトン・セナというだけあって、モータースポーツ・ファンの間では人気のあるメーカーだろう。
 実際、私も F1を見始めた頃のタイム計測がタグホイヤーだったので、セナの素敵な広告ポスターに憧れていた。今も愛用していて、腕時計は基本的にこの一本しか持っていないというタグホイヤー WK13 は、青い文字盤に特に惹かれて、社会人2年目に購入したのだと思う。

 このタグホイヤー復帰告知の映像には登場しなかったが、セバスチャン・ベッテルも、もちろんタグホイヤーを使っている時期がある…と思って検索したら、凄く若いころのウルトラ可愛いティーン・エイジャーがヒットして、悶絶している。



 ミュージシャンにタグホイヤー・ユーザーがいるだろうかと検索したのだが、そもそもミュージシャンと腕時計は相性が悪い。演奏の邪魔だし、楽器に傷がつく。演奏時は腕時計を外すのが普通だ。
 トップ・カテゴリーのスターは、タグホイヤーよりもさらに高価格帯の時計を使っているらしいことは、なんとなく分かった。
 そんな中、タグホイヤー使用者発見。それはミック・ジャガー。ロックスターの腕時計に関する記事で、ミックはタグホイヤーとセイコーを使っていると報じていた。「そう、あのミック・ジャガーがセイコーを使っている」というイヤミつき。
 なによー?!セイコーは良いメーカーだぞ!!自分は使っていないが、なんとなく腹が立つ。
 ともあれ、ミックが若い頃にタグホイヤーを身につけている写真がけっこうある。ミックと言えばファッション・アイコンでもあるが、腕時計についてはコンサバというか、実用性重視 ―― あれでかなりクレバーなキャラクターであることの、一つの発露かも知れない。

Last Dance2024/12/09 19:56

 2024年のF1 GPが全戦終了。コンストラクターズ・チャンピオンにはマクラーレンが輝いた。ランド・ノリスの Pole to Win は圧巻で、来年のさらなる活躍を予感させるものだった。いまから来シーズンが楽しみだ。ただ、ランドは性格が良すぎるのが心配。あのセバスチャンだってアレコレやらかしている。gentle 過ぎると、F1 ワールド・チャンピオンにはなれない。それとも、あの良い性格のまま、ぶっちぎりで勝ち逃げてくれるか。それはそれで、私の心が穏やかで良いのだが。
 フェラーリの復活も今年を面白くしてくれた。二人のドライバーがどちらも脂ののった時期にきていたし、フェラーリ名物の不手際も最小限で、良かったと思う。
 レッド・ブルは前半に絶対的な強さを誇り、後半は強いのか弱いのかよく分からず、ドライバーによるのか、何かうまくマネージメントされていないのか、不思議な展開だった。こういうF1 の政治、経済、テクノロジーが現代の最高次元で駆使されつつも、びっくりするような失敗や悪循環があるようなところが好きだ。

 ルイス・ハミルトンは長年共に戦い、6度のワールド・チャンピオンとなった、メルセデスでの最後のレースとなった。特別なお別れセレモニーも許可されており、やはり格が違う。うっかり、引退でもするのかと勘違いしそうだが、来年はフェラーリ。サインツを押し出しての移籍だ。色々な意味でドキドキする。
 
 同じ週末に、フィギュアスケート・グランプリ・ファイナルが行われた。男子のフリーの録画を失敗するという凡ミス…!佐藤のフリー、見たいぞ!
 女子は、我が坂本花織が珍しく大舞台でミスり、男女ともアメリカが勝つという近年では珍しい展開になった。ジャンプはもちろんだが、調子の良い時に比べて、完成度がイマイチ。まぁ、坂本にも調子の悪いときはある。彼女が完璧な演技を揃えたとき、グレンがどんな点をたたき出すのか、二人の勝負が楽しみだ。グレンには 3Aというかなり確実性の強い必殺技があるが、演技構成的には坂本に劣る。世界選手権では良い勝負になるのではないだろうか。

 今回のGP ファイナルで目立ったのは、なんと言っても女子2位の千葉百音だろう。あのコーチのところの選手としては、例外的にけっこう好き。特に今年の SP は凄く良い ―― というか、今年のGPシリーズの選曲のなかで、一番良いのが、千葉のSP ドナ・サマーの "Last Dance" だ。
 調べてみると、1979年のヒット曲とのこと。いかにもこの時代の最先端ポップスで、特に後半にアップテンポになるところが格好良い。千葉はかなり頑張っているが、もっと!もっと弾けて良い!こういうのは、高橋大輔、鈴木明子、友野一希という、私のなかの「三大ダンサー」を見習って、ぶっ飛ぶくらい弾けなきゃ!
 日本選手権が楽しみだ。

右京さんとジョージさん2024/11/25 19:35

 F1 ラスベガスGP で、今年の年間チャンピオンが決定した。本来なら、もっと早くに決まっていても良さそうだったが、シーズン中盤から俄かに王者が調子を崩し、マクラーレン,とりわけノリスの猛追が今シーズンを面白くした。のこす2戦、さらに面白いレースを期待している。 ―― たしかに、今のチャンピオンは偉大な業績を残しているが、私個人的には今回が4度目のワールド・チャンピオンだとは思っていない。彼の1度目のチャンピオンタイトルは、手違いで彼の物になったといのは、私の解釈。
 角田君も良いパフォーマンスが続いていて嬉しい。彼は、これまでの日本人トライバーにはないキャラクターで、かなりびっくりさせられるが、その分結果も出してくれる。大好きなお友達の近所にも引っ越したことだし(笑 きみらは、現代版セブ&キミか…?)、これからもどんなチームにしろ、がんばってほしい。

 片山右京さんが、インスタグラムにジョージとの思い出を語ったというので、話題になっている。
 ジョージは言わずと知れた F1 の大ファンで、ドライバーやチーム関係者にも友人が多い。今回の右京さんのコメントはというのが…

ジョージさんはF1が大好きで、ジャッキー・スチュワートさん​の頃からサーキットに足を運んでて僕も彼の世界中にあるだろう別荘に何度も誘ってもらった。ただ現役の頃は余裕無くてなかなか遊びに行けなかったんだよね。
ジョージさんは日本の文化が大好きだったから、僕のことも凄く応援してくれてたのに、いま考えたら申し訳なかったなーって、彼の愛にあふれた笑顔を見て思った


 実は私、右京さんにファンレターを出したことがある。私がこれまでの人生で出した、たった2通のファンレターのうちのひとつが、右京さん宛てだ。しかも結構最近。数年前のことだ。
 ふと思い立って、ジョージのピクチャー・シングル [Faster] を2枚手に入れ、1枚を自分のものとし、もう1枚をファンレターと一緒に右京さんに贈ったのだ。右京さんはご丁寧に返事を下さり、このときも「ジョージさんの優しい笑顔を思い出します」て書いていた。
 そう、右京さんて、ジョージのことを「ジョージさん」って呼ぶんだよね…

 やっぱり右京さん、ジョージの別荘に招待されていたか!さすが「人たらし」のジョージ。カミカゼ・ウキョウを逃すわけがないよね。
 面白かったのが、右京さんとジョージの記念撮影の写真。これは右京さんのインスタグラムで確認してほしい。

Ukyo Katayama ukyokatayama8163

 右京さん、首ふとっ!!!!当時、ほかのドライバーに比べて華奢だと思ってたけど、さすがに首は太い!!というか、角田くんそっくり!!!やっぱり F1 ドライバーたるもの、この強靱な首の太さは生命線だよな…。ラスベガスでのコラピントのクラッシュなんて、"I'm OK." とか言ってたけど、全然 OK じゃないよ!
 F1 は本当にスポーツか疑問を持たれる点も多いけど、最後はフィジカルなのであって、強靱な肉体がないと20人のF1レーサーにはなれないし、やっぱりお金だけではないのだと思う。"Paydriver" という言葉もあるけれど、彼らだって首は強靱なはずだ。

Finding Out2024/11/03 22:03

 本来はもっと早くこの記事を書くつもりだったが、ビジネス・デイはチャレンジングでハード。かなり遅くまで働く日が続き(work from home であることが救い。仕事を終えて30分でシャワーを浴びて就寝できる)、今日になったら今日になったで、地球の裏側の F1 予選がとんでもないことになって大騒ぎをしている。しかも、日本プロ野球も横浜が1998年以来の日本一。
 ほんとうに、色々なことが一度に起きる。あと二時間半で F1 の決勝だ。

 今回の [Long After Dark] のデラックス・エディションに関して、私は完全に誤解をしていた。Bluray discが付くと聴いた時点で、動画が収録されていると信じて疑わず、即ち例のトムさんが首にブルーのバンダナを巻いている "French TV" とやらの完全版とかが、収録されると思ってウキウキしていたのだ。
 平日の激務の後、いよいよと思って Bluray disc を再生してみて、ぽかんとしてしまった。ただの静止画コラージュとサウンドだけではないか。
 これは私がどこかでメニューを間違えたに違いないと思って、人に訊いてみると「Bluray Audio って書いてあるでしょ。そもそも動画が収録されているとは報じられていない」と言われて、しばし目が点になり、そして悶絶した。ええ、私が馬鹿でしたよ。

 気を取り直して、公式が YouTube にアップしている、いわゆる "French TV" を鑑賞する。昔から思っているのだが、金髪サラサラに青いバンダナのトムさんが、ゴールデン・レトリーバーに見えて仕方がない。
 しみじみ思うに、私にとってトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズのベストメンバーは、ハウイとスタンのいた時期だった。バンド全体に若さがみなぎっていて、ロックンロールで、コーラスワークが最高に充実している。スティーヴ・フェローニと比較してスタンのドラミングに難ありとする人も居るが、私はそれほどとは思わず、むしろ躍動感があって、溌剌としていて好きだ。スタンのドラミングが合わなくなったのは、すなわちトムさんの変化ゆえであり、歩調を合わせるマイクやベンモントの変化ゆえだったのだと思う。

"Finding Out" はマイクとトムさんの共作らしく疾走感があって、すごく格好良い。



 マイクの手つきが無性に好きだ。私は手に ―― 特に男性の手に魅力を感じる性質で、とりわけマイクのこの手つきがたまらない。ジョージも同じような手をしているが、細くて骨張っていて、指の間がしなやかに伸びて離れている。そういう手が好きで、実は自分がピアノを弾くときも ―― 骨張ってはいないが ―― 類似の手をしている。
 トムさんのマイクを見るまなざしが愛しくていい。「良いギタリストがいるなぁ」という視線。初めて会ったときから、こいつを絶対に離さないを決めたトムさんの意志は、その後何十年と、彼らの人生とロックンロール・ミュージックを、より豊かなものにしたに違いない。