Hackney Diamonds2023/10/24 19:49

 いよいよザ・ローリング・ストーンズの新譜 [Hackney Diamonds] が届いたので、一日中聴き入っていた。work from home 最高。
 まず驚いたのは、パッケージ。プラスチックケース入りの新譜って、最近ちょっとピンとこない。だいたい紙ジャケットに移行したとばかり思っていた。

 最初に発表された "Angry" はさすがに出色の出来である。いかにもストーンズといったリフにちょっとブルージーな口当たり、ポップなコーラス。ストーンズは相変わらずストーンズだと確認できる。

 良いなと思ったのは、"Whole Wide World" ―― ちょっと80年代風にキャッチーで甘いコーラスと、Aメロのコントラストが効果的だ。



 ポールが参加していることで話題になった "Bite My Head Off" は、ポールならではの特徴よりも、ポールが器用であることがよく分かる曲に思える。"Come on, Paul!" というのはサービスかな。



バラードとして出色なのは、やはりキースの "Tell Me Straight"。キースって、ストーンズを特徴付ける勢いがあってシャープなギターリフを作り出す割に、自分で歌うストーンズの曲は比較的スローでじっくり歌い込む感じがあって好きなのだ。
 ギターソロも、過不足なくさりげない感じがとても良い。ただ、ちょっと練り込み不足なのか、もうひとヴァース,もうひとコーラス合ってもよかった。やや中途半端なのが残念。



 レディ・ガガの参加が話題になった、"Sweet Sounds of Heaven" は…うーん、イマイチ。もともと、私はレディ・ガガの良さが分からないので、べつになくてもいいし、おバカ男子のロックンロールに金切り声をあげる女子はいらないなぁと思う。しかも曲が長い。わざといったん終わるように見せて、アンコール?うーん、要らないなぁ。だったら "Tell Me Straight" をもっと作り込めば良いのに。

 さて、チャーリーの居ないストーンズはストーンズなのかという問題。
 スティーヴ・ジョーダンに不満はないし、何の問題もない。ストーンズはこのまま突き進んで欲しいと思うが、やはりチャーリーが叩いている "Mess It Up" を聴くと、やはりチャーリー独特の前のめりのノリが恋しく思うのだ。



 バンド結成から長い年月が経ち、メンバーが替わり、亡くなり、そして三人になったストーンズ。最後にマディ・ウォーターズの "Rolling Stone Blues" でその佇まいがうかがい知れる。この三人だけの演奏、ライブでやってくれないかと、切望している。