2022 Winter Olympics Figure skating2022/02/18 21:16

 私が好きなスポーツは、野球,F1, フィギュアスケート。
 そう、オリンピックが始まって以来、フィギュアスケートをチェックするのに忙しく、テレビにかじりついている。
 団体が日本悲願の銅メダル獲得で始まり、もう連日泣いたり、叫んだり、心の余裕がない。このブログには珍しく、前の記事から日にちが空いているのには、そういう事情があったのだ…

 女子は表彰台をロシア勢が独占することが大前提だった。誰がどこに立つのかはともかく、独占は間違いなかった。
 それが、試合が始まる前に混乱が起きた。不穏な空気のままロシアの三人は出場することになり ―― やっぱり表彰台は三人で決まりだろう。だから大好きな坂本花織が、満足のいく演技をして4位に入ってくれれば、私としては満足だった。
 ところが、ショートが終わってみると、なんと坂本が3位。滑らかでスピードが速く、颯爽とした基礎的スケーティング、びっくりするほど高く跳び出し、「それじゃ降りられないよ!」と心配になるほど滞空時間と移動距離が長いジャンプ。そして着氷したその瞬間にまた凄まじい速さの滑りが切れ目無く流れる ―― あのダイナミックさ、雄大さ、ある意味雄々しくさえある。男子でもあんなジャンプを跳べる人は居ない。ただ四回転や3A のような大技がないだけで、ジャッジの評価はそれなりに高かったのだ。
 そんな訳で、スコアは坂本自身が「わぁあああ!」と叫ぶほどの高得点。彼女はプレッシャーに押しつぶされそうで泣いていたが、テレビの前の私も号泣していた。織田信成なみの大号泣。スケートでこれほど泣けたのは、2013年全日本選手権の鈴木明子以来だった。

NHK | 坂本花織は自己ベスト更新 3位 | フィギュアスケート女子シングルショートプログラム | 北京オリンピック

 そして完璧なフリーの先に待っていたのは、銅メダルというご褒美だった。こういう銅メダルというのは、神様がくれるのだと思う。ソチのコストナー,テン。ピョンチャンのオズモンド ―― そして今回の坂本だ。
 これは私見だが、坂本のフリーは、曲も良かった。女性であること、女性解放というテーマの映画からの選曲で、社会的な主張が入っている。あまり強く主張すると説教臭くなるが、坂本の爽やかな笑顔と、軽やかなステップ、ジャンプが聞く人の心を素直にしてくれた。ノーベル文学賞と同じで、何事か社会的なことを世の中に伝えるという要素も、重要かも知れない。

 男子の方は、悲願のネイサン・チェン金メダル,それもダントツの出来映えだった。心底ほっとした。四年前、金メダルは本来彼の物だった。それがなぜかこぼれ落ち、その心の痛みはいかばかりかと思っていた。
 去年の暮れ、それこそ私が応援するルイス・ハミルトンの手から、なぜかチャンピオンシップがするりとこぼれ落ちて、私はひどく心を痛めた。そういう色々なことから、ネイサンの金メダルは本当に私にとっても悲願だった。
 羽生には四回転アクセルに期待をしていたが、まぁ、楽しみが先に伸びた訳だし、彼が現役を続ける理由が出来て良かったのでないだろうか。
 鍵山は、前回の宇野と同じで、怖い物なしで思い切り滑ったら銀メダルという、勢いだった。
 悩ましいのは、今後彼はどういう指導を受けて更に上を狙うのかと言うことだ。今は父親に師事している。そのままでいいのか、それとも新天地を求めるべきか…悩むだろうか。悩んで出した結論の末に出た結果ならなんでも良いが、何も考えずに現状に満足していては、これ以上伸びないかも知れない。
 そういう意味では、この四年間で色々考え、悩み、幼い頃から馴染んだ居心地の良いところから旅立ち、迷い、転び、どん底を味わった宇野が、ランビエールと出会い、銅メダルを獲得したのは本当に良かった。私は個人的にも宇野昌磨というスケーターが好きなので、とても嬉しかった。おめでとう。

 音楽ブログなので、音楽の話を。
 以前の記事で、エアロスミスの "I Don't Want to Miss a Thing" を使っている人がいて、なんだかこっぱずかしいみたいなことを書いたが ―― イタリアのグラスルという選手である。
 これが中々良いスケーターで、四回転ルッツ(現時点で実現可能な最高難度のジャンプ)を得意としている。オリンピックでも立派にまとめていたし、けっこうエアロにも感動してしまった。断っておくが、この曲がちょっと恥ずかしいだけで、私はエアロのファンである。
 今回のオリンピックの適当な動画がないので、ここはヨーロッパ選手権の映像で、なんと二位になった。立派である。



 それから、カナダのキーガン・メッシング。今回は北京入りが遅れて大変だったらしい。もともと個性的なスケーターで、好きなのだ。「四回転もちゃんとショートから入れるジェイソン・ブラウン」みたいなものかな?(今シーズン、私が贔屓にしているナム君はCOVID-19の影響をもろに受けてだめだったらしい。残念)
 そのメッシングがフリーで使った、フィリップ・フィリップスの "Home" と言う曲が凄く良かった。こういうのに弱いのだ!いかにもトム・ペティのファンだった人が、自分でも音楽をやって、アコースティック・ギターを多用して、ハートランド・ロックみたいな事をする…こういうはホイホイ買ってしまう。実際買った。これから聞くのが楽しみだ。
 こちらの動画は、カナダ選手権から。



 私はアイスダンスも好きだ。前回のピョンチャンでは、シブタニ兄妹を応援していて、見事銅メダルだった。今回は特に好きなカップルというのはいないが…なにせフリーの生放送がなかったので、まだ録画をチェックできていない。
 日本代表はフリーに進めなかった。この2年で、日本でのアイスダンスへの注目度は格段に上がった。それが競技レベルの向上に繋がったと信じたかったのだが…同じフリーに進めないのであれば、村元・高橋組の方が、世界の人々が、『高橋大輔がアイスダンスで帰ってきた!』と注目しただろう。そういう楽しみは大きかった。
 しかし村元・高橋組の、全日本,四大陸でのミスは大きすぎた。あれをオリンピックでやらかしたらと思うと、小松原組に申し訳なさ過ぎる。
 ともあれ、今シーズンを期に、日本のアイスダンスもレベルが上がってくれると嬉しい。

 今シーズンはあと一試合、世界選手権がある。オリンピックメダリストが何人出るかは分からないし、盛り上がらないかも知れないが ―― どうせ私は、結局おおいに盛り上がるのだろう。

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