BOSE QuietComfort 20i2015/03/29 21:09

 ヘッドフォンを買い換えた。
 買い替えは珍しいことではないが、今回は購入するモデルを大きく変更することになった。

 そもそも、15年ほどソニーのノイズキャンセリングヘッドホンを愛用していた。インイヤー型で、7000円ほど。低周波音(電車や飛行機のゴーっという音)などをよく消し、コンパクトで使いやすく、値段も手ごろだった。ただ耐久性が悪いのだけが不満だったが、それもモデルチェンジするたびに改善していったと思う。
 何台目かのソニーが壊れたのが去年の暮れ。いつものように家電量販店で買おうとしたら、生産を停止したと言う。もうずいぶん長い間モデルチェンジもしておらず、ソニーはこの価格帯のノイズキャンセリングからは撤退してしまったとのことだ。一応、高価格帯のものはあるらしい。

 困ったと思いつつも、べつにソニーにこだわりがあるわけではないので、同じ価格帯のノイズキャンセリングということで、ビクターのHP-NCX78を購入した。その店には、同じ価格帯のメーカーとしては、ほかにオーディオテクニカがあるだけだった。

 商品名を出してしまって気の毒だが、このビクターが大失敗だった。
 コンパクトさや、低周波音のノイズキャンセリングはソニーと同じくらいで、問題ない。音そのものは、ソニーよりも良いくらいだ。
 人の話し声などの高さの音に対する、キャンセリング機能が弱いのは、どのメーカーも同じだそうだ。しかし、このビクターの場合、硬いもの同士がぶつかる音が、鋭い破裂音に増幅されて耳に入る。ボールペンをカチカチいわせたり、ビニールをガサガサいわせたりする音、人のクシャミ、咳などが、かなり不快に聞こえてくる。さらに、バスが停車したときなどによく聞く、エアコンプレッサーの空気を抜く「プシューッ」という音に至っては、「ザーッ」という大きな騒音に変換されて耳に入るのだから、たまったものではない。
 こうなると、ほかの点もいろいろ気に入らない。両耳のコードを上にあげて耳に掛けるタイプで、どうにも煩わしい。さらに、俯くと音の出が悪くなり、3割ほど小さくなる。
 私の使い方が悪いのか、それともただの不良品なのか。とにかく、瞬く間に我慢できなくなってしまった。

 こうなったら、もっと違うもの ― 思い切って、もっと高い価格帯のものに替えることにした。
 そこで真っ先に思い浮かんだのが、BOSEのQuietComfort。

 BOSEのノイズキャンセリングは、もっぱらオーバーヘッド型で、コンパクトなインイヤー型にしか興味がない私とは縁がなかった。
 BOSEがインイヤー型のQuietComfort 20を出したのは2013年。私はその年のロンドン滞在中に、テレビCMで初めて見た。おお!あのBOSEがインイヤー・タイプのノイズキャンセリングを出している!



 すぐさま、帰りの空港免税店に見に行った。
 しかし高い!高すぎる!ヘッドフォンにはせいぜい一万円以下しか想定していなかった私には、高すぎた。税別で30000円。ずっと使っていたソニーやその後のビクターの4倍以上である。
 その時はあきらめたが、ソニーもビクターも駄目となっては、そうも言っていられない。
 まずはBOSEのショールームに乗り込み、お兄さんをとっ捕まえてアレヤコレヤと試聴しまくる。イヤーチップをかえたり、外の雑音を増やしたり、自分のiPodにつなげたり、ノイズキャンセリングでお兄さんが何を言っているかまったく聞こえず、コミュニケーション不能になるまで、さんざん試し倒した。そして、予算を組んでこのたびBOSEを購入するに至った。ショールームのお兄さんには悪いが、家電量販店にて購入。

 私はiPod Classicを使っているので、Apple 製品対応モデルである、QuietComfort 20i を購入した。



 まず全体にケーブルが太く、頑丈な感じ。耳のくぼみに引っ掛けるイヤーチップは小柄な私でもMサイズでOKだった。
 ケーブルのもう一方の端に、ノイズキャンセリングのコントロールモジュールがある。この装置が、低価格帯のノイズキャンセリングと比べて、かなり大きい。低価格帯のものはコントロールモジュールがケーブルの中間付近にあって、ぶらさげるか服に引っ掛けるかだったが、BOSEの場合はこの大きなモジュールをプレイヤーと一緒に携帯することになる。私の場合、iPodをいつもバッグに入れており、一緒にこのモジュールをしまうので、問題なし。
 そのかわり、イヤホンの下に小さなコントローラーがついていて、再生,停止,ボリューム調整などができる。これまで、お店でのやりとりなどで耳からはずしたり、停止したりするのが億劫だったが、それが大幅に軽減される。かなり小さいので、服にひっかける必要もなく、この点も快適。
 しかも、この小さなコントローラーを服などに固定するためのクリップがあるのだが、これも回転の利く、フレキシブルなクリップでとても使いやすい。価格の高い製品というのは、こういうところにもお金を掛けて良いものを作ってくるようだ。
 これまでの低価格帯製品は、BOSEほど大きくはないが、ぶら下げたままには出来ない大きさのコントロールモジュールが邪魔で、クリップの性能も芳しくなく、落ちたりして面倒な思いをしていたのだ。

 肝心のノイズキャンセリング機能は、さすがにでっかいモジュールを持っているだけのことはあり、優れもの。低周波音はまず聞こえないし、人の声、アナウンスなどもかなり軽減される。音楽を聞いている間は、音楽以外の音はほとんど聞こえない。ビクターで味わったような、逆に騒音が大きくなるようなことはもちろんないし、当然、俯いたら音が小さくなるようなこともない。
 まずは、BOSEのWave Music Systemを購入したときと同じく、トム・ペティの [Full Moon Fever]を聞いた。
 音楽の音質に関しては、あまり私にこだわりが無いので詳しく述べることはできないが、とにかくよく聞こえており、大満足。繊細な音色の再現や、奥行きのあるサウンドが味わえると思う。

 最近、F1の中継はパソコンで見るのだが、パソコンのスピーカーではエンジン音にかき消されて、解説の音声が聞こえないのが不満だった。
 ためしにBOSEでF1中継を見たら、びっくりするほど聞きやすい。エンジン音が鳴り響いていても、解説陣の言葉がきちんと聞こえてくる。ボリュームを大きくする必要もなく、性能の良さを満喫できた。フェラーリの久しぶりの快勝もあって、感動もひとしおだ。

 耐久性に関しては、まだ使い始めたばかりなので何ともいえない。しかしケーブルは太く、全体にがっちりした作りだから、華奢だとは思えない。
 ソニーやビクターではイヤーパッドが度々外れたり、紛失したりして困ったものだが、BOSEの場合はツメで引っかけるタイプなので、そう簡単には外れそうにない。

 BOSEの短所は、内蔵されている充電式リチウムイオン電池の再生時間が短いこと。2時間の充電で連続16時間ということになっている。
 これまでの低価格帯ノイズキャンセリングは、単4電池で機能し、かなり長時間連続使用が可能だった。16時間は通勤なら十分だが、海外旅行となると短いだろう。
 電池切れになっても、ノイズキャンセリング機能無しのヘッドフォンとして使えるが、やはり困る。これからの改良を望むとしたら、この点だろうか。

 こうして、私にとっては二つ目のBOSE製品との音楽生活が始まった。特にヘッドフォンは殆どの音楽鑑賞時間をサポートする重要な製品。じゅうぶんに機能を発揮してほしい。

コメント

_ TKJ ― 2015/04/05 07:03

お久しぶりです。私は先日25を購入しました。オンイアなのででっかいですが、気に入ってます。昨日も飛行機に乗ったところ、ジェット音はほとんど聞こえませんでした。20はキャンセリング効果がもっと高いそうですね。

_ NI ぶち ― 2015/04/05 19:03

>TKJさん
おお!BOSEオーナー仲間ですね♪
25は最近新しくなったんですね。「着けていることを忘れるほどの心地よさ」!
ノイズキャンセリングと言えばまず、このBOSEのオンイヤータイプですよね。25は35時間連続使用可能なのが羨ましいです。
ノイズキャンセリングのスイッチを入れると、乗り物の音が止まったと思うほど急に変わるからびっくりします。未だに何度もOn Off して確かめたりして(笑)。
快適なBOSEのノイズキャンセリング・ライフを楽しみましょう♪

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