Song to Soul / Layla2015/03/14 21:54

 衛星チャンネルで放映されていた番組,[Song to Soul] で、デレク&ザ・ドミノスの "Layla" が特集されていたので見た。

 私は音楽が好きな割に、あまり音楽関係の本を読まないし、CDのライナーもろくに読んでいない。そのようなわけで楽曲に関する知識というものが乏しい。私が気に入らない "Layla" の後半は、ジム・ゴードンが持ってきたものだということは、今回初めて知ったような気がする。
 しかもボビー・ウッドロックによると、ゴードンが「とってきた」らしい。
 そうとなると、俄然あの後半のコーダが気に入らないのも当然という気がしてくる。前半のスピード感と緊張感のあるマイナーと中心としたコード進行を台無しにするような、甘ったるくて空虚なコーダは、ない方が良いと思っている。
 別の曲とするならそれとして良い曲のようだが、あの "Layla" にくっつける気になったのはどう言うわけだろう。クラプトンの判断がおかしいのか。
 ともあれ、これからは安心してコーダは聞かずに飛ばすことにする。

 "Layla" アンプラグド・バージョンもずいぶん流れたが、私はアレも嫌いなのだ。オリジナルの "Layla" の命は、何と言ってもリズム。前のめりの疾走感、過剰なほどのパーカッションが有無を言わせない緊張感を構成し、その上で鳴り響くギターバトルをけっして浮き上がらせない。
 なのに、あのアンプラグドはリズムもなにもない。ブルース的には中途半端だし、ロック的には骨抜き。

 どうにも辛いコメントが多いが、そうは言っても "Layla" は最高の名作。収録アルバムもかなり好きだ。特に "Bell Bottom Blues" や、"Why Does Love Got to Be So Sad?" など、格好良いギターが鳴り響く、歌もほどよく聞こえる、バランスの良さが素晴らしい。
 しかもサウンドが分厚く、緊密で遠慮の無い調子が良い。肩に力がはいりまくり、どっと疲れるような、心地よい痺れが音楽を貫いている。
 CDでしか持っていないが、ずいぶん前に買った物。最近のリマスターもあるようなので、買い直しても良いなと思っている。

 "Layla" ときて、どの動画を選ぶか。
 どのライブ演奏もスタジオ録音の凄さにはとうてい及ばないし、アンプラグドは嫌いだし。
 その点、これは良い。コーダも無いし。最高。