MCG: LP Jr. & SG ― 2012/07/27 23:52
とある市長が、文楽に対する助成金と、文楽を見ての感想についてアレコレ発言して、物議をかもしているようだが…あの…(その内容はネットで検索してみてください)
単に「この市は財政難です。お金がありません。立て直しのために、節約・倹約しなければなりません。だから、文化のために使うお金の余裕がありません。優先順位が高い方から割り当てると、残念ながら文楽に出すお金はないのです。」…という、普通の説明では駄目なのだろうか?
助成するか否かは、市長さんの趣味とは関係ないだろうし、「文楽は助成して守る価値がない」とは、さすがに考えていないと思うのだが。
市長さんは、お金の問題をきちんと、ロジカルに説明すれば良い。お金が出せない理由を、妙なところに引っぱっていくから、おかしなことになる。一方で、芸を論じたければ、それなりの説得力をもって、お金とは関係無いところで語れば良い。
私は、ある程度の年数を生き延びた伝統芸能には、― 意図的に延命させたにしろ、それなりの価値があると思っている。アイドルのような大衆的な人気はなくても、今、滅ぼしてしまわないために、世の中の余剰食糧と資金で、なんとか守り伝えたい。
殆どの伝統芸能・芸術は人気産業ではないので、完全な経済的自立は難しいということは、悔しいけど、認めなければならないだろう。それでも、残したい。そういう「ある程度の無理」を出来るのが、高度に発達した知能と、文化を持った、人類らしい行動のひとつだと思う。もちろん、金銭的助成の偏りや、方法、金額には改善の余地があるだろうが。
その一方で、やはり税金は無駄にしたくないし、自分が暮らす社会が経済的破綻をしてしまうのも困る。優先順位というものは、どうしても存在するし、芸術は優先順位で低く見られても、仕方がない。難しいところだ。
本当に、難しいことなのだから、問題の本質を冷静に見極め、余計なウケ狙いの言葉を排除して、論じ、説明するべきではないだろうか。
このブログで、政治に関する話題をする気はない。しかし、本件はさすがに気になったので、政治ではなく、「芸を守ること」として、話題にした。しかし、これは余談。
余談が長くなった。ここから本題。
「マイク・キャンベルのギター大好き!」はChapter 10, ギブスン レスポール・ジュニアと、SG。
ここでちょっと分からないことがある。マイクが口にする、「レスポール・ジュニア」を画像検索すると、例の「レス・ポール・スタンダード」の、廉価版のようなギターばかりがヒットする。
一方、いわゆる鋭い角が二つある、「SG」のシェイプで、ピックアップが一つのギターは、「SGジュニア」と呼ばれているようだ。つまり、今回マイクが最初に紹介したギターが、これにあたる。どうやら、「ジュニア」というのは、高級ギターの廉価版という意味らしい。
マイクが、「レスポール・ジュニア」と、「SGジュニア」を混同しているのかと思えば、時期によっては、今、「SGジュニア」と呼ばれているあのギターが、「レスポール・ジュニア」と呼ばれていたこともあるらしい。よく分からない。
ここではとりあえず、今回紹介されたギターの、ピックアップが一つのものを、マイクが言う通り、「レスポール・ジュニア」とすることにした。
この「レスポール・ジュニア」、そもそもいわゆる「廉価版」であるにも関わらず、音色は極上のロックサウンドで、マイクのお気に入りとのこと。あの "Runnin' down a dream" も、このギターのサウンドだと言う。録音の時、マイクがピクリとも動かずに演奏するものだから、背後から見ていたジェフ・リンが、わざわざトムさんに「あれ、弾いてるよね?」と尋ねた時のギターだ。
初めて聞いた話だが、ハートブレイカーズがボブ・ディランとツアーをしていたときのこと。ディラン様が演奏の合間にオーディエンスに語りかけている最中、マイクはなんとなく髪を直したくなり、「レスポール・ジュニア」をぶら下げたまま、両手で頭をワシャワシャとやってみた。
たしかに、この人はよくこの仕草をする。実際にライブを見ると、しょっちゅう目にするのだ。以前の爆発頭のときも、今のドレッドで。しかしこの時は…

ストラップが外れて、ギターが床に ドガシャーン! と落っこちた!
落ちただけではなく、ネックが吹っ飛び、弦がビヨーン!びっくりして振り返るディランさま!
「お前、一体、なにやってんだ?!」
それを再現するマイクが、「Fワード」を一瞬ためらってから口にしたのが、可笑しかった。
いやはや、マイクもびっくりしたろうが、ディラン様もびっくりしただろう。マイク曰く、「ボブは許してくれたと思うけど。」そりゃ、許すだろうけど。目が点になる他のハートブレイカーズ…いや、一部で爆笑したやつが居るかも知れない。
吹っ飛んだネックは修理してつけ直し、「95%は回復した」とのこと。それでもやっぱり良いギターらしい。"Runnin' down a dream" は、この修理後の演奏であることが、その証明だ。
一方、いわゆる「SG」(ピックアップ二つ)は、アンガス・ヤングや、ジェリー・ガルシア、クリーム時代のクラプトンなど、弾いていたアーチストの名を挙げている。
60年代というのは、どういうわけだか名器が多いのだと言う。何がどう違うのかつまびらかではないが、分かるような気がする。
日本製の量産型ピアノでも、60年代から70年代に制作されたものは、大抵音が良いのだ。私はその時代のピアノを持っている人(かなり多い)を見ると、大事にするようにアドバイスする。最近の新品ピアノより、よほど良い音がするから。
楽器にはそいういう「時代」があるらしい。
単に「この市は財政難です。お金がありません。立て直しのために、節約・倹約しなければなりません。だから、文化のために使うお金の余裕がありません。優先順位が高い方から割り当てると、残念ながら文楽に出すお金はないのです。」…という、普通の説明では駄目なのだろうか?
助成するか否かは、市長さんの趣味とは関係ないだろうし、「文楽は助成して守る価値がない」とは、さすがに考えていないと思うのだが。
市長さんは、お金の問題をきちんと、ロジカルに説明すれば良い。お金が出せない理由を、妙なところに引っぱっていくから、おかしなことになる。一方で、芸を論じたければ、それなりの説得力をもって、お金とは関係無いところで語れば良い。
私は、ある程度の年数を生き延びた伝統芸能には、― 意図的に延命させたにしろ、それなりの価値があると思っている。アイドルのような大衆的な人気はなくても、今、滅ぼしてしまわないために、世の中の余剰食糧と資金で、なんとか守り伝えたい。
殆どの伝統芸能・芸術は人気産業ではないので、完全な経済的自立は難しいということは、悔しいけど、認めなければならないだろう。それでも、残したい。そういう「ある程度の無理」を出来るのが、高度に発達した知能と、文化を持った、人類らしい行動のひとつだと思う。もちろん、金銭的助成の偏りや、方法、金額には改善の余地があるだろうが。
その一方で、やはり税金は無駄にしたくないし、自分が暮らす社会が経済的破綻をしてしまうのも困る。優先順位というものは、どうしても存在するし、芸術は優先順位で低く見られても、仕方がない。難しいところだ。
本当に、難しいことなのだから、問題の本質を冷静に見極め、余計なウケ狙いの言葉を排除して、論じ、説明するべきではないだろうか。
このブログで、政治に関する話題をする気はない。しかし、本件はさすがに気になったので、政治ではなく、「芸を守ること」として、話題にした。しかし、これは余談。
余談が長くなった。ここから本題。
「マイク・キャンベルのギター大好き!」はChapter 10, ギブスン レスポール・ジュニアと、SG。
ここでちょっと分からないことがある。マイクが口にする、「レスポール・ジュニア」を画像検索すると、例の「レス・ポール・スタンダード」の、廉価版のようなギターばかりがヒットする。
一方、いわゆる鋭い角が二つある、「SG」のシェイプで、ピックアップが一つのギターは、「SGジュニア」と呼ばれているようだ。つまり、今回マイクが最初に紹介したギターが、これにあたる。どうやら、「ジュニア」というのは、高級ギターの廉価版という意味らしい。
マイクが、「レスポール・ジュニア」と、「SGジュニア」を混同しているのかと思えば、時期によっては、今、「SGジュニア」と呼ばれているあのギターが、「レスポール・ジュニア」と呼ばれていたこともあるらしい。よく分からない。
ここではとりあえず、今回紹介されたギターの、ピックアップが一つのものを、マイクが言う通り、「レスポール・ジュニア」とすることにした。
この「レスポール・ジュニア」、そもそもいわゆる「廉価版」であるにも関わらず、音色は極上のロックサウンドで、マイクのお気に入りとのこと。あの "Runnin' down a dream" も、このギターのサウンドだと言う。録音の時、マイクがピクリとも動かずに演奏するものだから、背後から見ていたジェフ・リンが、わざわざトムさんに「あれ、弾いてるよね?」と尋ねた時のギターだ。
初めて聞いた話だが、ハートブレイカーズがボブ・ディランとツアーをしていたときのこと。ディラン様が演奏の合間にオーディエンスに語りかけている最中、マイクはなんとなく髪を直したくなり、「レスポール・ジュニア」をぶら下げたまま、両手で頭をワシャワシャとやってみた。
たしかに、この人はよくこの仕草をする。実際にライブを見ると、しょっちゅう目にするのだ。以前の爆発頭のときも、今のドレッドで。しかしこの時は…

ストラップが外れて、ギターが床に ドガシャーン! と落っこちた!
落ちただけではなく、ネックが吹っ飛び、弦がビヨーン!びっくりして振り返るディランさま!
「お前、一体、なにやってんだ?!」
それを再現するマイクが、「Fワード」を一瞬ためらってから口にしたのが、可笑しかった。
いやはや、マイクもびっくりしたろうが、ディラン様もびっくりしただろう。マイク曰く、「ボブは許してくれたと思うけど。」そりゃ、許すだろうけど。目が点になる他のハートブレイカーズ…いや、一部で爆笑したやつが居るかも知れない。
吹っ飛んだネックは修理してつけ直し、「95%は回復した」とのこと。それでもやっぱり良いギターらしい。"Runnin' down a dream" は、この修理後の演奏であることが、その証明だ。
一方、いわゆる「SG」(ピックアップ二つ)は、アンガス・ヤングや、ジェリー・ガルシア、クリーム時代のクラプトンなど、弾いていたアーチストの名を挙げている。
60年代というのは、どういうわけだか名器が多いのだと言う。何がどう違うのかつまびらかではないが、分かるような気がする。
日本製の量産型ピアノでも、60年代から70年代に制作されたものは、大抵音が良いのだ。私はその時代のピアノを持っている人(かなり多い)を見ると、大事にするようにアドバイスする。最近の新品ピアノより、よほど良い音がするから。
楽器にはそいういう「時代」があるらしい。
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