すっきりしたぜ2011/04/20 22:08

 PCを買い替えた。
 私は13年間、3台に渡ってThinkPadを使い続けた。いわばThinkPadファンだったと言える。
 機械として優秀だと信じていたし、何と言ってもあの赤いトラックポイントと打ちやすいキーボードの使い心地は他を圧倒していた。仕事はともかく、プライベートで使うPCはThinkPadと、思い定め、一種の忠誠心を持っていた。
 1台目も2台目も、いわば使いつぶしたような形で引退し、3台目を購入する頃には、IBMがPC部門をレノボに売却していた。それでも、ThinkPadはかわらずThinkPadであり続けるというメッセージを信じていた。だから3台目も迷わずにThinkPadを購入したのだ。
 しかし、レノボThinkPadと、Windows Vistaの組み合わせの使い心地ときたら、どうであろう。3年ほど前に購入したその日から、ひと時たりとも満足したことがない。常にイライラしどおしで、ずっと我慢してきた。一つも良いところが見い出せないではないか。
 それでも私は耐えた。ThinkPadを疑うということをしなかった。しかし ― もう私の我慢も限界だった。あまりの動きの悪さは想像を絶する。インターネットを閲覧するにも何分もかかり、エクセル表一つを立ち上げるのにもひどく待たされる。立ち上がったところで、やれエラーだなんだと、らちが明かない。しまいには、PCそのものを立ち上げるのに何時間もかかるのは、どうしたことだろうか。
 その上、なにやら怪しい音がPCからジリジリと上がり始めると、私はもう耐えられなくなった。どうしてPC一つを立ち上げるのに、こんなに時間をかけ、忍耐力を総動員し、ストレスと戦わなければならないのだ?おかげで、各種データの集積も進まなければ、歴史の勉強も進まない。ましてやブログの更新なんてできやしない。ここにきて、私の怒りは限界を超えた。
 一体、ThinkPadへの忠誠心なんて、何か意味があるのか?こだわって何か良い思いをしてきただろうか?トラックポイントというツール以外のところで、どれほど不快な時間を過ごしているだろうかと思うと、たちまちバカバカしくなってしまった。  第一、これまで使ってきたThinkPadは3台とも、一度はクラッシュして記憶喪失になっているのだ。そのたびに私の使い方が悪かったのだとか、個体差はあるものだと、いちいちThikPadをかばってきたが、冷静に考えればこんな頻度でクラッシュするはずがない。

 ThinkPadはもうやめよう。 ― こうして、私はとうとう13年の長きにわたるパートナーシップにけりをつけることにした。

 突然、気持ちが軽くなった。もうThinkPadとは決別しようと決めて、何日もしないうちに家電店に向かい、ある程度のスペックと、キーの打ちやすさだけで、さっさと決めて新しいPCを購入した。
 あっけないほど、快適なPCライフがやってきた。あのThinkPadに対するこだわりと忠誠心は一体なんだったのだろうか。すっかり分からなくなった。きっと、これで良かったんだ。
 まだメーラーも、iTunesも、ホームページ作成ソフトも入っていないので、本格始動とは行かないが、きっとこれで良かったんだ…

 ThinkPadなんて別れてやって、すっきりしたぜ!
 ザ・バーズの "I'll feel a whole lot better" の邦題は「すっきりしたぜ」。  



 踊りまくる演出は曲に合っていないが、とにかく格好良い。ギターを一生懸命弾きながらコーラスをつけているロジャー・マッグインと、デイヴィッド・クロスビーの初々しさがまた、格好良い。

 もちろん、こちらのトム・ペティ・バージョンも大事。私が最初に聴いたのも、こちらのバージョン。