The Who @ 横浜アリーナ2008/11/15 20:10

 11月14日、横浜アリーナでのザ・フーのライブ公演に行った。直前まで行けるかどうか、かなり微妙な状況だったが、結局行くことができて本当に良かった。

 7時開演で、実際ザ・フーが登場したのが7時8分。
 すべての曲をリストアップできるほど、フーには精通していないのだが、知っている曲のイントロが鳴り響くと、やはり燃える。
 ロジャー・ダルトリーは思ったとおりの小柄。あのマイクをぶんぶん投げるパフォーマンスも堪能できたし、ボーカルも安定したパワフルさがある。ピート・タウンゼントの右手がグルグル回り、今にも空へ飛んでいきそうだった。

 印象に残ったことがいくつか。
 まず、ここのところずっと、TP&HBのせいでアメリカの音ばかり聴いていたのだが、そこにきてザ・フー。
 大英帝国ロックの大襲来。ハードで、エッジがきつく、つっけんどんな説得力。UKの格好良さがここにあり、多くの若いバンドたちに受け継がれていることを実感する。

 バックに大きなスクリーンがあった。
 ライブ映像ではなく、さまざまなビデオを流す方式。その中で、60年代から70年代初旬にかけての、若きザ・フーの姿がコラージュされている映像が素敵だった。あの時代のブリット・ポップカルチャーの、ビジュアル的な格好良さは抜群。

 ドラマーは、1996年から務めているザック・スターキー。ただ「上手い!」の一言に尽きる、素晴らしいドラマー。
 オリジナル・ドラマーを失った後、この若い世代でこれほどバンドにぴったりくるドラマーが存在すること自体、ザ・フーが持つ強さにさえ思える。

 何よりも、伝説的な60年代ロックの断片を、生で見ることのできる幸福感こそが最大の収穫。二度と戻ることのない60年代。どんなに小さくても良い、その欠片だけでも体感する価値がある。
 たくさんの仲間がすでに世を去っている中、今でもがんばってくれているロックスターたちに感謝。そして、伝説の60年代現在進行形でぶちかましてくれるTP&HBにもね。